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フォロワー数70万人の”きもの男子” キモノインフルエンサー りょうたす。さん(前編)

フォロワー数70万人の”きもの男子” キモノインフルエンサー りょうたす。さん(前編)

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2020年10月14日午前5時30分に爆誕した“キモノインフルエンサー”は、わずか4年ほどで70万人超えのフォロワーを獲得。若干23歳の青年「りょうたす。」とは、果たして何者なのでしょうか? いま注目の若手”きもの男子”の正体に迫ります。 

23歳男子の365日きもの暮らし

りょうたす。さんが、初めて自らの意思できものに袖を通したのは高校2年の夏。

制服のない学校に転校したことがきっかけでした。

きものに袖を通したのは高校2年の夏

「自由な校風だったので、何でも面白がる人が多かった。

個性的なクラスメイトたちに囲まれて、”自分を出す”ってどうしたらいいのか、考えたりしました」

きものに袖を通したのは高校2年の夏

「そんなとき、当時好きだった子と花火デートがしたくて、まずはカタチからと、通販サイトで3000円くらいの浴衣とワンタッチ帯を買ったんです。

そして意を決して誘ったら……『ムリ!』って速攻で断られて(苦笑)。

でも、せっかく買ったし着てみようかな、と思って。インターネットを見ながら着付けしたのが、初めてのきもの体験でした」

きものインフルエンサー爆誕

その後、きものに興味が涌き、家にあるきものを引っ張り出したりょうたす。さん。誂え以外は着ないというポリシーの例外として、時々おじいさまのきものを借りることも。

「実はぼく、洋服のセンスが壊滅的で(笑)」

どうやらそれも、“毎日きもの暮らし”への後押しになった理由だったといいます。

90万回もの視聴を記録した初投稿

考える要素が多すぎる洋服のコーディネートが苦手だったりょうたす。さん。

曰く、

「ぼく、洋服やとめっちゃダサくなるんですよ」

きものに袖を通したのは高校2年の夏

そんな彼にとって、シルエットが同じでアイテムが決まっている。でも組み合わせの面白さがある和装は、目から鱗でした。

すぐさま某有名サイトで5枚ほど浴衣を買い、着回しながらきもの登校するようになります。放課後や休日に友人たちと出かけるときも、もちろんきもので。

そんな、「りょうたす。=きもの」が当たり前になったある日……

オールナイトで遊んだ後の締めのラーメン屋で、「せっかく毎日きものなんやし、発信したらええやん」と友人から勧められます。

「え~? と言いながらスルーしようとしてたんですが、『いまここで投稿して!』って言われて。

その場でTikTokのアカウントをつくって、スマホに入っていた動画を何気なくポスト。徹夜のテンションと勢い、恐いですよね(笑)」

きものに袖を通したのは高校2年の夏

するとなんと!

翌日の昼には90万回(!)も視聴される異例の事態となったのです。

「めっちゃスマホが鳴ってて、何事かと思いました! すぐに通知をオフに(笑)」

信頼できる呉服店との出会い

りょうたす。さんの呉服屋探しが始まります。

浴衣に慣れた頃、りょうたす。さんの呉服屋探しが始まります。

相場も種類も分からないまっさらな状態で、頼ったのはインターネットの口コミではなく、自身の足と直感でした。

りょうたす。さんの呉服屋探しが始まります。

「まずは百貨店から。次に、実店舗のある老舗へ。大阪と京都で10軒くらい回ってデータを取りました。

本当に何も知らなかったので、最初は、反物からカタチをつくるだけでこんなに高いんや!?ってビックリしましたね。でも、一生分の衣装代としたら値打ちがあるんじゃないか、とも思いました」

最初はびっくり

そんななか、自らの目で確かめて「ここだ!」と感じる呉服店に出会いました。

「最初は木綿から始めたらどう?って提案してくださったところでした。ド素人の高校生相手に『いつでも遊びにきて』って言ってくれたのが本当に嬉しくて。

ぼくには、個人でされてるまちの呉服屋さんが合うなと思いました。寄り添ってくれるお店が好きですね。この出会いがなかったら、ここまできものを好きになってなかった」

信頼できる呉服店との出会い

きものを日常着にしている3つの理由

きものに袖を通したのは高校2年の夏

りょうたす。さんがきものを着る理由は3つ。

1 心が引き締まる
2 「キレイでありたい」と意識する
3 コミュニケーションが生まれる

「帯を締めると気が引き締まり、自然と背筋もピンッとします。

きもの姿でまちを歩くとやっぱり人から見られますよね。見られているという意識から、一つひとつの所作にも気を配ることで粗相がなくなり、言葉遣いもきれいにしようと思えます。

きものを着るだけで、丁寧な生活を心がけることができるんです」

りょうたす。さんがきものを着る理由は3つ

「ぼくは人としゃべることが大好きなので、話のきっかけをつくってくれるきものは”最強のコミュニケーションツール”だと思っています。

きものはただの衣装じゃなくて、和の心を表現する翻訳機のようなものだと考えているんです」

そっとテーブルに扇子を置いたりょうたす。さん。

インタビュー前、そっとテーブルに扇子を置いたりょうたす。さん。美しい所作が板についているのも素晴らしい

メリットがありすぎる!きもの生活

きもの生活

不断着ふだんぎとしてきものを愛用するりょうたす。さん。お手入れはどうしているのでしょうか。

「毎日着るものですから、日々愛着をもって使っています。脱いだらきものハンガーで部屋に干して、お香を焚きます。

いまのお気に入りは、松栄堂さんの『堀川』という白檀の香り。分かる人には分かるので、この香りから会話が広がることもあるのがいいですね」

不断着としてきものを愛用するりょうたす。さん。

2022.04.05

まなぶ

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シーズンが終われば、まとめて悉皆屋へ。

「それなりの金額にはなりますが、丁寧に手入れをしておけば一生着られる、と思えばコスパは悪くない。

きものの管理って面倒なことも多いですが、その面倒を引き受けてでも着るメリットがあるんですよね」

男性こそ着物を

「女性に比べて男性のきものは手間や小物が少なくてすむのでラク。男性こそ、もっときものを着ればいいのに!って言いたいですね」

コミュニケーションツールとしての着物

取材・構成/椿屋
撮影/松村シナ

2024.12.08

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