着物・和・京都に関する情報ならきものと

  1. ホーム
  2. インタビュー
  3. 着物＆小物でコーディネート遊び！　モデル・小谷実由さん（インタビュー後編）「きもの、着てみませんか？」vol.8-3
着物＆小物でコーディネート遊び！　モデル・小谷実由さん（インタビュー後編）「きもの、着てみませんか？」vol.8-3

着物＆小物でコーディネート遊び！　モデル・小谷実由さん（インタビュー後編）「きもの、着てみませんか？」vol.8-3

記事を共有する

ファッションモデルとして活躍する小谷さんが、着物コーディネートを初体験！ 同じ着物でも、帯や小物を変えるとこんなに印象が変わる、という楽しみを味わっていただきました。洋装のグッズとの組み合わせなど、ご自身のワードローブも思い浮かべながら、無限に広がる着物の世界の扉が開いたようです。

2024.11.25

よみもの

純喫茶ときもの　feat. 小谷実由 「きもの、着てみませんか？」vol.8-1

2024.11.28

よみもの

“好きな映画と、再び出会える”　モデル・小谷実由さん（インタビュー前編）「きもの、着てみませんか？」vol.8-2

着物コーディネートは小物でガラッと印象も変化

薬真寺香（以下、薬真寺）：今日は、小谷さんに着物の「コーディネートの楽しさ」を体験していただきたくて、いくつか着物や帯、小物などをお持ちしたんです。

小谷実由（以下、小谷さん）：とっても楽しそう！

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

薬真寺：小谷さんのおばあさまが着物好きだったとのことで、もしかしたらご実家などにもお着物がいくつかあるのかな、と。

同じ着物でも、帯や小物を変えるだけでガラッと雰囲気が変わるということを体感していただけると、すでにお持ちの着物もより楽しめるようになるかもしれません。

小谷さん：たしかに、家に着物がある、ということはおうちで練習できるということでもありますもんね。そう考えると、少しハードルを低く感じられるかも。

薬真寺：そうなんです！では早速、今日着ていただいた着物をベースに、パーツを変えたコーディネートを考えてみましょう。

薬真寺：いま着用しているのはブルーグレーの帯ですが、朱赤の帯を合わせてもいいですね。

小谷さん：わーー！かわいい！

薬真寺：ぽこっとした模様も可愛いですよね。これは岩手・盛岡の南部絞りというもので、茜（あかね）という植物を使って染めたものです。

小谷さん：同じ着物でもこんなに印象が変わるんですね。

薬真寺：あとは、いまのコーディネートでは黒地に栗の刺繍がインパクトある半衿を合わせていますが、オフホワイトの半衿を合わせるとこんな感じに。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

小谷さん：すごい！ たしかに色を変えるだけで一気に柔らかい雰囲気になりますね。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

小谷さんが着物を選んでみたら？

薬真寺：お洋服を選ぶように着物や帯選びで遊んでいただけたら、と思って、他にもたくさんご用意しました。

奄美の大島紬、八丈島の黄八丈、石川の牛首紬など。小谷さん、どれが気になりますか？

小谷さん：実は、さっき並べていただいているときからずっと目に入っていたのは、このチェック柄のような着物です。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

薬真寺：大島紬ですね！

チェック柄は着物の世界では「格子柄」と呼びます。男女問わず親しまれていて、色遣いやパターンにもあらゆるバリエーションがあります。

洋装でいうところのギンガムチェックに近いシンプルな格子柄も素敵なんですが、こちらはいくつかの異なる要素を組み合わせて独自のリズムを生んでいる、少し珍しいタイプ。広げて縦にしてみると、さらに印象が変わります。

小谷さん：たしかに！ チェック柄というのは着物のイメージがあまりなかったので、気になりました。

薬真寺：洋服で好きな柄を着物で選ぶのも、素敵な楽しみ方だと思います。最近だと、ファミリアのチェック柄とコラボした着物も出ているんですよ。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

薬真寺：帯もいくつか並べてみました。

ブルーの帯は『タイ聖樹文』という織り帯なのですが、インパクトがありますよね。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

小谷さん：着物というと和風な模様を想像していましたが、こういうエキゾチックなものもあるんですね？

薬真寺：そうなんです。帯だけでなく着物でも、異国情緒が漂う色柄はたくさんあり、人気も高いです。こういったテイストの帯・着物だと洋服の方が多い場にも馴染みやすいという利点も。

帯もご覧になって、組み合わせてみたいものはありましたか？

小谷さん：どれも好きなのですが、単体でみたら黄色い帯が気になりました。

薬真寺：花織が可愛いですよね、差し色のグリーンも効いていて。

小谷さん：でも、さっきの格子柄の着物に合わせたときには見え方が変わって。合わせてみたときに一番好きだったのは、グレーの帯でした。

薬真寺：首里織ですね。地色が落ち着いているぶん、織り出された模様の色が映えますよね。

小谷さん：この色の組み合わせ、なかなか普段では選ばないものだなと思いました。単体で見て好きな色でも、合わせてみるとこんなに色自体の印象が変わるものなんですね！

今、組み合わせの沼をひしひしと感じています（笑）。

めくるめく和装小物の世界へようこそ

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

薬真寺：では、さらに深い沼へ……（笑）。帯締めや帯留めなど、小物を合わせてもさらに印象が変わるんですよ。

小谷さん：えー！ 本当に可愛い！ これは、帯留めですか？

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

小物：スタイリスト私物

薬真寺：はい。赤いものは瓢箪、水晶の帯留、三味線のバチの形も。

特に水晶は使いやすくて、夏は涼しげに、冬は雪の結晶のように見立てられるので使い回しもできて便利なんです。

小谷さん：小物の沼！悩ましい……。特に水晶を見て思いましたが、洋服を着るときのアクセサリー選びの観点に近い気がします。

選ぶのも楽しいし、こんなに小さくても全体がキュッと締まるんですね。

大変な世界に足を踏み入れてしまった！と、今とてもドキドキしています（笑）。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

薬真寺：そして半衿の世界も、さらなる沼なんです……（笑）。

半衿は一番お顔に近い部分ということもあり、その日の気分もコーディネート全体の印象も大きく左右するんです。その変化を体感していただきたくて、いくつかお持ちしました。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

薬真寺：ドラマチックな雰囲気が漂う孔雀の刺繍や、冬の装いにぴったりな、紅白椿の刺繍など。

こちらの、ツワブキの刺繍が入った半衿も今日のコーデに合いそうですね。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

小谷さん：確かにかわいい！

帯揚げのオレンジも効いていますし、小物だけでも、無限大の可能性が……！

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

小谷さん：今日はシンプルなレザーのバッグを持たせていただきましたが、着物というと「和装用のバッグ」の印象が強かったです。こういうものを合わせてもいいんですね？

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

薬真寺：はい。バッグは和装にこだわらない方が幅が広がります。

小谷さん：そうなんですね！ 自分がすでに持っているバッグと合わせるのも楽しそう！

薬真寺：洋服のブランドとコラボしたものも最近は出ています。

たとえば、今日お召しいただいた草履はベルベッドの素材感と濃いグリーンが映える一足ですが、これは『履物関づか』と『Mame Kurogouchi』のコラボなんです。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

小谷さん：合わせていただくときに他の草履も含めて選ばせていただきましたが、「絶対にこれを履きたい！」と思いました。

着物って思ったよりもハードルが高くないのかも、と、今日でだいぶ印象が変わった気がします。

着心地もよかったですし、何よりもすごく楽しかったです。特に……小物の沼！

小さい世界にいろんなものが詰まっている感じがして、凝縮された魅力がたまらなかったです。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

小谷さん：そして、それぞれに伝統工芸などの深い歴史や職人さんの手仕事がこもっているのもいいですよね。

私のフォロワーさんたちは”古き良きもの”が好きな方が多くて。着物の世界で、発信でお手伝いできることがあれば、ぜひ取り組んでいきたいです！

薬真寺：小谷さんご自身や小谷さんのフォロワーさんと着物の世界、実は親和性が高いのでは？と前々から感じていました。今日、楽しんでいただけて、そんなふうに思ってくださって、とても嬉しいです。

モデル・小谷実由さんお気に入りの純喫茶ときもの。

小谷さん：本当に着物ってかわいいですね。かわいい〜！ 脱ぎたくない〜！ 脱ぐのが悲しい！ シンデレラの気持ち！

薬真寺：ぜひまたお召しになってください！ 今日は本当にありがとうございました。

半衿：富士商会
https://fujishokai.theshop.jp/

帯締め：組紐工房 偕可園
https://kumihimokoubou-kaikaen.com/

構成・文／山本梨央 dejane_rio
撮影／坂本陽　minami.camera
ディレクション・スタイリング・着付け・ヘアメイク／薬真寺 香___mameka

※草履、バッグ、帯締め、かんざし、帯揚げ、帯留はスタイリスト私物

小谷実由

小谷実由

1991年東京生まれ。14歳からモデルとして活動を始める。
自分の好きなものを発信することが誰かの日々の小さなきっかけになることを願いながら、エッセイの執筆、ブランドとのコラボレーションなどにも取り組む。猫と純喫茶が好き。
通称・おみゆ。
著書に「隙間時間（ループ舎）」。
J-WAVE original Podcast番組「おみゆの好き蒐集倶楽部」のナビゲーター。
J-WAVE「FAV COLLECT CLUB-OMIYUNO SUKI SHU SHU CLUB」ナビゲーター。

着物スタイリスト・薬真寺 香

着物スタイリスト・薬真寺 香

大分県出身。文化服装学院卒。
雑誌、CM、映像作品、婚礼等でスタイリングや着付けを手がけるほか、児童養護施設で育つ子どもたちに七五三や成人のお祝いを届けるプロジェクトへの参加、着付けやスタイリングのワークショップ開催など多岐に渡り活動中。子どもと着物、暮らしと着物の関わりを深めるためのアクションを活発に行っている。

ローヤル

東京・有楽町駅前にある「東京交通会館」の地下一階で1965年から営業している老舗喫茶店。

日比谷OKUROJI

日比谷の奥にひそむ、通な大人の通り道。明治生まれの煉瓦アーチを活かした、深いこだわりが集う、300mの高架下空間。

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

RELATED関連記事

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • マンスリー

HOT KEYWORDS注目のキーワード

CATEGORYカテゴリー

記事を共有する