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東福寺の見どころとは? アートと自然が織りなす隠れた名所。周辺おすすめスポットも併せて解説

東福寺の見どころとは? アートと自然が織りなす隠れた名所。周辺おすすめスポットも併せて解説

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紅葉で有名な東福寺には、紅葉のほかにも多くの見どころがあります。この記事では、東福寺の見どころについて紹介するとともに、あわせて訪れたい周辺のスポットについてもご紹介。ぜひ、東福寺を訪れるときの参考にしてください。

2023.11.27

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京都にある東福寺は、初夏の青紅葉や秋の紅葉で有名です。多くの観光客が訪れる東福寺の、自然が織りなす美しさやアートを感じる庭園、おすすめ周辺情報も含めてご紹介します。

東福寺とは

東福寺とは

京都市東山区にある東福寺は、臨済宗東福寺派の大本山です。

1236(嘉禎2)年から1255(建長7)年までの19年間をかけて作られた伽藍は非常に立派で、日本最古級かつ最大級と言われています。その立派さは「東福寺の伽藍面がらんづら」とも形容されています。

東福寺の名の由来は、奈良の東大寺と興福寺にちなんだもの。この2つの寺院のように大きな伽藍を持つ寺にしようと、それぞれの寺の名前から「東」と「福」を取って名付けられたそうです。

室町時代以降は京都五山のひとつに数えられるようになり、足利義持、豊臣秀吉、徳川家康らの保護も受け、東福寺は大いに栄えました。

東福寺 基本情報

名称 臨済宗東福寺派大本山東福寺
住所 京都府京都市東山区本町15丁目778
電話番号 075-561-0087
拝観時間 4月1日~10月31日まで 9:00~16:00(閉門時間16:30)
11月1日~12月1日まで 8:30~16:00(閉門時間16:30)
12月2日~3月31日まで 9:00~15:30(閉門時間16:00)
拝観料 通常期間(秋季期間以外)
 東福寺本坊庭園(方丈)
 大人500円、小人300円
 通天橋・開山堂    
 大人600円、小人300円
 共通拝観券      
 大人1,000円、小人500円
秋季(11月9日~12月1日)
 東福寺本坊庭園(方丈)
 大人500円、小人300円
 通天橋・開山堂    
 大人1,000円、小人300円
 共通拝観券      
 なし
アクセス 京都市バス 「東福寺」下車徒歩約4分
JR/京阪 「東福寺」駅下車徒歩10分
公式URL https://tofukuji.jp/

東福寺の魅力は、自然が織りなすアート

東福寺の魅力は自然が織りなすアート

東福寺の魅力は、伽藍内にあふれる豊かな自然です。

伽藍の中には東西に三ノ橋川と呼ばれる川が流れ、「洗玉澗(せんぎょくかん)」と呼ばれる渓谷を形作っています。洗玉澗には約2,000本もの楓が植えられていて、洗玉澗にかかる「臥雲橋」「通天橋」「偃月橋(えんげつきょう)」からは、その絶景を見下ろせます。

また、昭和初期に作庭家である重森美玲が作った方丈の庭園は、近代庭園を代表する名園として有名。禅寺らしいシンプルながらも自然を活かした庭園で、国指定名勝にも登録されています。

東福寺の見どころ

通天橋

通天橋

通天橋は本堂と開山堂を結ぶ橋で、1380(天授6)年に掛けられました。その美しさは京都屈指の紅葉の絶景と言われていて、多くの観光客を惹きつけています。

目の前に広がる紅葉の美しさはとてもフォトジェニック。同時に、あえて写真を撮らず目と心にしっかり焼き付けたいという気持ちにもなる、迫力ある光景です。

秋になれば、トウカエデ、イロハモミジ、ヤマモミジなどの木々を眼下に見ることができます。

東福寺本坊庭園(方丈)

東福寺本坊庭園

東福寺の方丈は東西南北にそれぞれ庭が造られています。4つの庭園は、1938(昭和13)年に重森美玲により作庭されました。80年以上経っているにもかかわらず、どの庭からも新鮮な美しさを感じます。

なかでも有名なものが、四角い切石と苔で市松模様を作った北庭です。市松模様がモダンで可愛いとSNSなどで話題を呼び、多くの人に知られるようになりました。

西庭は、サツキの切り込みで北庭と同じく市松模様を表現した庭です。南庭には、石や築堤が仙人の住む島や京都五山に見立てて配置されています。東庭では、7つの円柱を使い北斗七星が表現されています。

開山堂

開山堂

開山堂は、方丈から通天橋を渡った先にあるお堂で、東福寺開山の祖である聖一国師(しょういちこくし)こと円爾(えんに)の像が安置されています。

普門院前の庭園は、手前の白砂と奥の池泉庭園が組み合わさった美しさが特徴。江戸時代中期に作庭され、方丈の庭園同様、昭和に入ってから重森美玲により修復されました。

三門

三門

東福寺の三門は室町時代に建てられたもので、禅寺の三門としては最古です。大きさも禅寺のものとしては最大で、国宝に指定されています。また、「玅雲閣(みょううんかく)」という扁額は足利義持が書いたものです。

内部の天井や柱には、室町時代の禅僧・明兆とその弟子による極彩画が描かれ、多くの仏像が並んでいます。内部は通常は非公開ですが、特別公開が行われることも。

三門の立派な佇まいを見ると、京都五山の一角を占める東福寺の格式の高さが伺え、背筋が伸びる気持ちになります。

2022.12.30

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東福寺のおすすめ周辺情報

東福寺周辺にも、有名な寺院や見どころがたくさん。ぜひ足を伸ばして散策してみてくださいね。

伏見稲荷大社

伏見稲荷大社

千本鳥居で有名な伏見稲荷大社は、京都を代表するスポットのひとつ。東福寺から徒歩約20分、電車で1駅約2分程度の距離にあります。

千本鳥居をくぐった先にある奥社奉拝所には、願いが叶うかどうかを持ち上げた石の重さで占う「おもかる石」があります。参拝や絵馬奉納と合わせ「おもかる石」を試してみるのもおすすめです。

毎日、国内外から多くの参拝者が訪れますが、早朝や夕方以降は人出も落ち着くので、ぜひ足を伸ばして訪れてみてはいかがでしょうか。

泉涌寺

泉涌寺

東福寺からは、歩いて約20分程度の距離にある泉涌寺(せんゆうじ)は、皇室とのゆかりが深く、「御寺(みてら)」とも呼ばれるお寺です。

皇室とのゆかりが生まれたきっかけは、創建にあたって後鳥羽上皇や後高倉院から寄付を得たこと。江戸時代には、歴代の天皇の御陵が泉涌寺に造営されるなど、皇室の菩提寺として長くその葬儀や供養にかかわってきました。

泉涌寺のなかでも有名なのが、楊貴妃観音堂に安置されている「楊貴妃観音像」です。楊貴妃観音像は鎌倉時代に南宋から伝来した像ですが、その美しさから「玄宗皇帝が楊貴妃に似せて作らせた」という伝承があります。

この伝承から、楊貴妃観音像は「美人祈願の観音様」として親しまれ、信仰されています。

智積院

智積院

智積院(ちしゃくいん)は、桃山時代を代表する画伯・長谷川等伯ら長谷川一門の絵を多く所蔵していることで知られるお寺です。東福寺からは徒歩約20分、京都市バスならバス停への移動時間含めて約15分の距離です。

智積院の絵の中で特に有名な作品は、等伯の子、長谷川久蔵作の「桜図」と等伯作の「楓図」。どちらも金箔をふんだんに使った、桃山文化を代表する絢爛豪華な障壁画で、境内にある宝物殿にて収蔵・公開されています。

また、築山を使った泉水庭の先駆け的存在である名勝庭園は東山第一の庭と呼ばれていて、利休好みと伝わる静かな美しさが特徴です。長谷川一門が描いた絢爛豪華な美しさと、利休好みのわびさびを感じられる美しさ。智積院では、安土桃山時代に花開いた対照的な美を味わえます。

三十三間堂

三十三間堂

三十三間堂は正式には蓮華王院といいます。東福寺からは徒歩約20分、京都市バスを乗り継いで約15分程度の距離にある天台宗の寺院です。

南北120メートルもの長さをほこる本堂には、1,001体の等身大千手観音立像が安置されています。これらの立像は、平安時代から鎌倉時代にわたり多くの仏師が作ったもの。そのため顔はすべて微妙に異なっていて「三十三間堂に行けば、自分の知っている人や会いたい人の顔をしている仏さんが必ず見つかる」と言われています。

静かな本堂に並べられた千手観音立像を眺めていると、日常から切り離されたような荘厳で不思議な感覚に包まれるでしょう。

東福寺に行くなら、モダンな着物がおすすめ

境内にあふれる自然と、アートな庭が楽しめる東福寺を訪れるなら、市松、格子、亀甲紋のような幾何学的な柄の着物などモダンな雰囲気を取り入れてみるのはいかがでしょうか。

遠目には無地のようにも見える江戸小紋ですが、さまざまな意匠が染め入れられて。個性的な柄の帯を合わせても素敵です。

京都五山のひとつである東福寺にふさわしい、品格がありながらも遊び心が感じられる着こなしで散策を楽しみましょう。

東福寺を楽しむならぜひ着物で!

紅葉で知られる東福寺は、洗玉澗という渓谷や方丈のアートな庭園など見どころがたくさんあり、国内外から多くの人が訪れる絶景スポットでもあります。

また、徒歩20分圏内にもさまざまな見どころがありますので、着物を着て散策に訪れてみてはいかがでしょうか。

2021.10.15

まなぶ

御菓子司 亀廣脇 秋を告げる『高雄』の紅葉「和菓子のデザインから」vol.6

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