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帯にまつわる後悔から来年に向けて 「3兄弟母、時々きもの」vol.26

帯にまつわる後悔から来年に向けて 「3兄弟母、時々きもの」vol.26

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私、実は今年は色々と後悔していることがありまして。 着物というより帯のことなんですが、年末ということで来年に活かせるようにまとめてみたいと思います。

2023.11.22

まなぶ

わが家らしいアレンジで祝う七五三 「3兄弟母、時々きもの」vol.25

こんにちは。tomekkoです。

あっという間に12月、もう年の瀬ですねー!

着物好きなみなさまは今年一年を振り返って、どんなお着物イベントやおでかけが思い出深かったでしょうか?

また、「もう買わない」と何度も自分に言い聞かせながら、ついつい今年も買ってしまった帯や着物たちのエピソードもきっときもの好きさんたちの忘年会の肴になっていそうですね。

私、実は今年はいろいろと後悔していることがありまして……

着物というより帯のことなんですが、年末ということで来年に活かせるようにまとめてみたいと思います

後悔その一:アンティークの丸帯

今年11月に末っ子の七五三があり、自分が着る着物をどうするか悩みつつ昔買ったまましまい込んでいた着物を発掘していました。

まずは、その時のこと……

アンティークショップで飾られていた丸帯

思い返せば20代前半のころ、訪れたアンティークショップで飾られていた丸帯から目が離せなくなりました。

いつの時代のものかは分かりませんが、元禄調のデザインの着物を解いて帯に作り替えたもので、ところどころ刺繍の糸がほつれていたり、絹の生地に傷みが見られるものでした。

江戸時代の雛形(ひいながた)や誰が袖(たがそで)図屏風などでしか見たことのない、文字を絵柄としてデザインした古風で知性を感じる柄行き

手作業の繊細な刺繍。そして時を経て柔らかく艶を持った絹地―

当時の私は、「締めたい」というより「古典柄好きの自分が持っているべき物だ」と直感的に決意し、正直かなりのお値段だったのですがボーナスをはたいてその帯を購入したのでした。

……そしてそのまま、一度も締めることなくしまい込んでいたその帯が出てきたのです!

義母が、この帯を見るなり声を上げました

裏も表も全体に刺繍が入っているので、ぎゅっと締めたら糸を切ってしまうのではないか、生地が破れてしまうのではないか……

そう思うと怖くて使えなかったんです。

ちょうど一緒に着物を見てくれていた義母が、この帯を見るなり声を上げました。

ちょっと、これ丸帯じゃないの!?珍しい。今どきこんなの見ないわよ。これ締めたら?

※表裏両面に柄があらわされた帯のこと。通常の2倍の帯幅で織り上げられ、それを二つ折りにして作られる。袋帯2本と同じ価値になり最も格式高いとされるが、その分重くなるため現在では日常的には用いられず主に花嫁衣装など使用される。

いやぁ実は……と理由を伝えると、

「もったいない!宝の持ち腐れよ、使ってあげたほうがいいわよ〜」

と強く勧められました。

確かにせっかくの宝物、ヤケる(光による退色)のも嫌で飾ることもせず奥にしまい込んだまま忘れて10年も経っていたんだな……と思うと本当にもったいないですよね。

アンティークはどうしたって傷むのは避けられない。でもそれを恐れて使わないのは傷めてしまうことよりも罪深いのかも

実は今年の初めにさほど着る機会もないのに一目惚れして購入したアンティーク着物があるんです。
鮮やかな青に藤色の八掛という浮世絵で見るような色合わせの小紋に、元禄調の白い帯。お正月に着てみようかな?

後悔その二:展示会で出会った唐織の帯

帯といえばもう一本……実はあるんです。特別なものが。

気づけば一年以上経ってしまったんですが、昨年京都きもの市場さんの展示会で、美しい唐織の帯に出会ってしまったんです。

※柄の部分を色糸で富貴に織り上げる技法。刺繍と見間違えるほど立体的で豪華に見える。

幼少期、よく祖母について呉服問屋さんの展示会に行っていたんですが、小学生のくせに当時卸価格で数十万した唐織の帯を欲しがったのをよく覚えています。

唐織の帯を欲しがったのをよく覚えています

あまりに高級品なのと、当時の唐織といえば糸を使う量が非常に多くて相当な重さになるため、子どもには早すぎると説得されて渋々諦めたのでした。

その時の艶やかで見事な帯が忘れられず、大人になっても憧れていました。

そしてついに出会った西陣の唐織。

昔は重いことも良い帯の特徴と言われていましたが、それ故に締める時の負担も多く、着物離れにつながるということで職人さんたちも軽量化を試みているそうです。

ついに出会った西陣の唐織

帯自体の生地を軽く、そして裏地に大量の糸を残さずに済む織り方に改良することで重さを抑えることに成功したその袋帯は、確かに驚くほど軽くなっていました!

ふっくらと立体的に見えるこぶしの花にうっとりした私はついに購入を決め、ようやく憧れの帯を手にしたのでした。

しかし……

これまた白地の帯を汚したくない。そしてそういえば袋帯を締めていくような機会がない

そんな理由でなかなか出番が来ず、今年一年使うことができませんでした。

ということで、来年はちょっといい着物を着て出かける機会を作りたいですね。子育てが始まってからコンサートや歌舞伎にも行けていないので、まずはチケット取ってみようかな……!

来年はもっと普段着物でのおでかけを目標に

着物は好きだけど子育てや仕事でなかなか着る機会のない私ですが、今年も一年間、連載を読んでくださったみなさま、ありがとうございました。

実は夏に浴衣チャレンジもしたのに結果を披露できなかったので、来年はもっと、普段着物やちょっとおめかししてのおでかけを目標にして楽しみたいと思います。

2023.07.24

まなぶ

“ふだん浴衣”デビュー!にチャレンジ 「3兄弟母、時々きもの」vol.21

ではみなさま、良い年をお迎えください。また来年!

2021.12.06

まなぶ

和洋の楽しい模様がたくさん! ~師走(しわす)の巻~ 「十二ヵ月のアンティーク半襟」vol.8

2021.12.16

よみもの

新年を寿ぐ装い 「歌舞伎へGO!大久保信子先生に聞く着物スタイル」 vol.13

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