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妙心寺塔頭『桂春院』、紅葉狩りは静かにゆったりと 「京都できもの、きもので京都」vol.6

妙心寺塔頭『桂春院』、紅葉狩りは静かにゆったりと 「京都できもの、きもので京都」vol.6

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躑躅の刈込みに大きな傘を広げるように色づく楓!決して広くないけれど、高低差を巧みに利用して奥行きを出した遠州系の庭に、心の波風が静まるのを感じました。

2023.10.23

よみもの

『HOSOO LOUNGE』のスイーツで、ラグジュアリーなひとときを 「京都できもの、きもので京都」vol.5

よみもの

山崎陽子さんのコラム「つむぎみち」(全13回)はこちら!

11月末、ようやく紅葉のピークに

11月末、ようやく紅葉のピークに

京都に紅葉を見に行くというと、以前は11月半ばを予定していましたが、ここ数年、市中では11月後半から12月初旬が見ごろになってきたように感じます。

嵐山の見ごろが11/17〜 清水寺が11/21〜 東福寺が11/24〜(2023 紅葉ch.より)ですので、ピークは11月4週目なのでしょう。

色づき始めた紅葉

今年は11月12~13日に訪れました。やはりちょっと早かったかな?という印象。でも、色づき始めた紅葉を独り占めできるという特典もあります。

観光客でごった返す名所を避け、ひっそりお出かけするとなおさらいい時間が過ごせます。

2021.10.15

まなぶ

御菓子司 亀廣脇 秋を告げる『高雄』の紅葉「和菓子のデザインから」vol.6

臨済宗正法山大本山妙心寺の塔頭、桂春院の庭園へ

京都市の花園の地に、塔頭46寺を持する妙心寺は、一度訪れてみたかったお寺です。

月曜から木曜の朝、東京のFM局「J-wave」で妙心寺退蔵院副住職・松山大耕さんのお話『目覚めのコラム』(8:10頃)を聴いているので、「妙心寺」というお寺さんの名前はすっかり脳に染み込んでいます。

そんな話をしたところ、「桂春院の庭園の紅葉、素敵ですよ」と教わりました。

小雨の降る朝、門をくぐり、しんとした方丈を訪ね、四つの庭を拝見しました。

妙心寺塔頭桂春院

「清浄の庭」で心身を清め、「侘の庭」を見ながら一服のお茶を

最初に出会うのが方丈の北に位置する坪庭「清浄(しょうじょう)の庭」です。

清浄(しょうじょう)の庭

紀州の青石を中心にした石組みに滝の響きを、白砂には川の流れを感じ、火灯窓からこの先の庭が覗くのも禅宗建築らしい佇まい。

朝のキリッと澄んだ空気とミニマムな石庭に、身を洗ってもらったような気分になりました。

火灯窓からこの先の庭が覗くのも禅宗建築らしい佇まい

次に「侘(わび)の庭」へ。

侘(わび)の庭

臨済宗妙心寺派は修行が厳しく、詩歌、香道、能楽、茶道など芸術を楽しむことは禁じられ、もしこれらに耽ると入牢の掟があったそうです。その名残で、ここには「既白庵茶室」という“隠れ茶室”があります。

書院と茶室の間は二重の襖で仕切られ、露地庭も目立たないように遮られ、厳重に守られていた様子がわかります。茶湯というものが、いかに魅惑的な作法であり芸事、文化であったかに思いを馳せながら、栗のお菓子と薄茶をいただきました。

茶湯は魅惑的な作法であり芸事、文化

床には、京藍染の作家・松﨑陸さんの円相の軸がかかっていました。ちょうど円相をテーマにした展示が終わったところで、禅宗にマッチした藍染作品が拝見できたのも幸運でした。

京藍染の作家・松﨑陸さんの円相の軸

2023.02.07

まなぶ

京藍染師 松﨑陸さん【YouTube連動・インタビュー編】「元芸妓 紗月が聞く!京都、つなぐ世代」vol.11

2023.03.08

まなぶ

京藍染師 松﨑陸さん【YouTube連動・体験編】「元芸妓 紗月が聞く!京都、つなぐ世代」vol.12(最終回)

「思惟の庭」「真如の庭」で美しい紅葉を愛でます

思惟(しい)の庭

深山幽谷を思わせる傾斜のある庭に十六羅漢石、真ん中の礎石を坐禅石に見立てた「思惟(しい)の庭」。すでに7分ほど色づいた紅葉が坐禅石を照らします。

そして角を曲がると「真如(しんにょ)の庭」が続きます。躑躅の刈込みに大きな傘を広げるように色づく楓!輝く苔に小さな庭石の七五三の配置

真如(しんにょ)の庭

決して広くないけれど、高低差を巧みに利用して奥行きを出した遠州系の庭に、心の波風が静まるのを感じました。

小雨の紅葉も趣きがあっていいなあと思いました

私がいる間に、女性一人、男性一人がゆったりと滞在されていましたが、そんなふうにひとりでただ庭に向かい合う時間のなんと贅沢なことでしょう

枝を鳴らさずに降る晩秋の雨が、木々や苔、庭石をしっとり濡らし、小雨の紅葉も趣きがあっていいなあと思いました。

狩野山雪の襖絵『金碧松三日月』

方丈の内部には狩野山雪の襖絵『金碧松三日月』が。

暗い室内に浮かぶ松と三日月の襖絵は、着物や帯の意匠に使いたくなるような装飾的な美しさがありました。

※通常撮影不可(許可を得て撮影)

今日の着こなし

『まつや染織工房』小山憲市さんの上田紬

晩秋の京都に、この秋初めての袷、『まつや染織工房』小山憲市さんの上田紬を着ました。

柳や胡桃、栗のいがを使ったベースに苅安の黄、梅枝の淡いピンクが混ざった草木染はどんな帯も受け止める大好きな紬。信州の織は強い主張はないけれど、飽きずに長く着られます。

2020.10.20

よみもの

優しさと強さと。上田紬の格子のさりげなさ 「つむぎみち」 vol.11

勝山さと子さんの西陣織九寸名古屋『木立』

帯は、勝山さと子さんの西陣織九寸名古屋『木立』です。秋から冬にかけて締めたくなる帯。色合いと木立のモチーフが洒落ています。

勝山さんのモダンなセンスは、きものに都会的なニュアンスを添えてくれるような気がします。帯締めは紅葉の赤を意識してみました。

革のバッグは西田信子さんの作

革のバッグは西田信子さんの作、私の旅の必需アイテムです。

友人のホームスパン作家・上杉浩子さん@hou_homespun)にオーダーした栗のいがで染めたカシミヤのショールもこれからの季節、欠かせません。幅や長さもきものに合うように織ってもらったお気に入りです。

雨コートは、亡き義母からもらった大島紬の洗い張りから作りました。

亡き義母からもらった大島紬の洗い張りから作りました

あとでわかったことですが一元(ひともと)絣で、今では貴重なものだとか。知っていたら着物にしたかもしれませんが、逆にいいコートができてよかったかも?秋から初冬、春先の旅に重宝しています。

撮影/弥武江利子

2022.10.08

よみもの

東福寺周辺の紅葉が綺麗な定番観光地3選!着物を着て巡りたいおすすめスポット!

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