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きものとメガネと老眼鏡 「きものとわたしのエイジング」vol.10

きものとメガネと老眼鏡 「きものとわたしのエイジング」vol.10

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心身の不調や変化はすべて更年期のせいにしている私ですが、いずれコンタクトが入れられなくなる日が来ることも、うっすら感じています。長年の苦手意識を変えざるを得ないような状況が起こると思えば、更年期って悪いことばかりじゃないかな。

2023.09.14

よみもの

親子ほどの歳の差を繋ぐ浴衣 「きものとわたしのエイジング」vol.9

コンタクトレンズ一択から

私は近眼です。

でもメガネが苦手で、18歳の頃からずっとコンタクトレンズを使っています。

最初はハードコンタクトレンズ、その後ソフトレンズ、使い捨てレンズと約30年強、技術の進歩に伴いながら、目に異物を入れ続けてきました。

そして10年前、海外移住をする際に大量の使い捨てコンタクトレンズを持参し、旅立ったのでした。

廟赤提灯

ところが、最初の居住国タイでは処方箋なしで、日本で販売しているコンタクトレンズが、スーパーやドラッグストアで比較的安価で手軽に手に入ったのです。

さらにその頃、日本ではまだ一般的ではなかったカラコン(カラーコンタクトレンズ)を付けているのは一部の芸能人か20代の人でしたが、タイでは年齢関係なくたくさんの人がカラコンを使っていました

カラフル提灯と階段

理由は、目が大きく見える(=今でいう”盛れる”)上に、大手コンタクトレンズメーカーの使い捨てレンズと比べると”桁がひとつ違う”ほどの安さのせいでした。

海外暮らしの解放感から試してみた私は、すっかりカラコンが気に入ってしまい、この10年はカラコン一辺倒となりました。

「目に悪そう」という懸念もありましたが、装着時間とケアに気をつけたら以前のものと大差はないように感じています。

ただ、10年前の日本では40代後半でカラコンをしていた人は少なかったため、一時帰国時に会う人には、驚かれることが多かったです。

そんな私が最初に異変を感じたのは、2018年のことでした。

ヘイ!ローガン(老眼)

近眼でコンタクトレンズをしているので遠くはよく見えていたのですが、ある時から、半衿をつけようと針に糸を通そうとする際に、なかなか通せなくなりました

また、マニキュアを塗ろうとしても爪と皮膚の境目がぼやけるようになってきたりと。

コンタクトレンズを外せば、近くははっきりと良く見えるのです。

これはまさか……

認めたくない思いもありましたが、そう!ローガン(老眼)が私のもとにもやってきたのでした。

当時四十肩もあったので、いきなり「加齢」が押し寄せたようで、なかなか受け入れられずにいました。

壁と影

ごまかしながら過ごしてきましたが、2020年におもしろいローガン鏡を手に入れてからは、外出時に持ち歩くようになりました

ローガン鏡と黒い着物

真ん中から分かれるローガン鏡!

相変わらず普段はカラコンをつけていますが、近くを見る時にカラコンを外す、というのでは外出中は困るので、コンタクトレンズをつけたまま近くをクリアに見るためには、ローガン鏡が必須となったのです。

それでも、できれば使いたくない気持ちの方が大きかったのが本音。

サングラスには抵抗がないのにメガネにだけ抵抗があるのは、小学生の頃、はじめて授業中にかけたメガネをからかわれた苦い思い出があるから。

それ以来ずっとメガネが嫌いでした。

普子さんの足元

メガネが似合うひと

「メガネは似合わない」とかたくなに思っていた私ですが、今年の6月の一時帰国時に、10年ぶりにメガネを新調しました。

ずっとコンタクトレンズを愛用してきましたが、眼精疲労からくる頭痛なども頻繁に起こるようになり、少しずつコンタクトレンズをつけることが辛くなってきたからです。

メガネなら外出時、かけたり外したりが自在です。

後ろ姿

とはいえ、なかなか人と会う約束のある時にメガネをする勇気が出せず、近所への外出や夫と2人だけの時に少しずつメガネをかけることを慣らしていました。

新調したメガネにも、苦手意識は付き纏っていました。

ところがつい先日、友人との集まりに目が痛く、コンタクトをつけるのが辛かったために、メガネをかけて行ったところ、誰も私のメガネ姿について言及しなかったのです。

メガネと普子さん

翌週も同じメンバーで集まったので、思い切って「この前私のメガネ変だった?」と聞いてみると、「良く似合っていたし、おしゃれメガネじゃなかったの?」という意外な答えが返ってきました。

たったひと言で、メガネ嫌いという、幼い頃から抱えてきた大きな塊が溶けていく感じを覚えました。

「着物にメガネ」

その日から少しずつですが、メガネへの苦手意識が薄くなってきた気がします。

心身の不調や変化はすべて更年期のせいにしている私ですが、いずれコンタクトが入れられなくなる日が来ることも、うっすら感じています。

長年の苦手意識を変えざるを得ないような状況が起こると思えば、更年期って悪いことばかりじゃないかな。

「着物にメガネ」が私のトレードマークになる日も案外近いかもしれません。

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