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秋の気配をまとう 「今井茜、季節の着物コーディネート」vol.6

秋の気配をまとう 「今井茜、季節の着物コーディネート」vol.6

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京都祇園、ニューヨーク、東京と、3都市の着物スタイルを知る今井茜さん。「女性らしさ」や「上品さ」をキーワードとして、装う方の魅力を引き出すコーディネートをご提案します。立秋を迎え、装いにもどことなく秋の気配を。

2023.07.12

まなぶ

着物で心躍る夏を迎えてみませんか 「今井茜、季節の着物コーディネート」vol.5

現在と過去を結ぶ

茜さん

7月中旬、祇園祭の真っ只中、前祭(さきまつり)の巡行前に京都入りしました。

1200年近く続くお祭りのために尽力するみなさんを間近で拝見することからはじまった今回の訪問は最後まで、続けることの意味をみつけるヒント探しの旅となりました。

滞在中、とりわけ印象的だった展覧会が、現代美術家 宮永愛子さんの作品展

看板

私が花街で仕込みをしている10代の頃に知り合って、はや25年近く。その頃から全く変わらない愛子さんは、日本をはじめ世界で活躍する現代美術家です。

愛子さんの作品

今回の作品展では、愛子さんのご実家の『東山窯』で100年前に使用されていた型を用いた作品を拝見しました。

かつての型に、現在の空気とともに流し込まれたガラスはまさに「現在と過去」を結ぶ作品。

京都では2023年8月27日まで『ZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUM』にて、東京では2023年9月24日まで『森美術館』にて、愛子さんの作品に出会えます。

鍵善
鍵善02

2021.09.02

インタビュー

鍵善良房15代目当主・今西善也さん(後編)

型の決まってる着物や帯。

そこに今の私が想いを込めてデザインしたり、コーディネートしたりすること。

それは愛子さんが仰るように「現在と過去」を結ぶことでもある、とワクワクした京都滞在となりました。

よみもの

「今井茜 着ものがたり ―京都・ニューヨーク・東京」

秋を待ちながら、季節を装う

暦の上では秋を迎えても、まだまだ夏の日差しが眩しい頃ですね。

今回は、夏らしい透け感を感じながらも秋に向けてどことなくあたたかみを表現する組み合わせを。

オフホワイトと淡いグレーが印象的な締切り(しめきり)の紗袋帯を主役に、寿光織の紋紗地を用いた段暈し訪問着とのコーディネートをご紹介いたします。

紋紗の地模様が印象的な寿光織の生地は、まずその繊細さが爽やかな印象を感じさせて。

裾に行くにつれて濃く表現された色合い

肩からはじまる暈しの色目は、先月、夏のはじめにとご紹介したコーディネートから少し風情を変えて、落ち着いた白緑色から。

裾へと向かうにつれて濃淡に移り変わる色合いは、この時期、秋へと少しずつ変化していくイメージそのもの。

印象的な柄行きな訪問着

印象的な地模様が浮かび上がりつつも奥深く、とても上品に仕上がっています。

西陣の名門 泰生織物の風雅な夏袋帯は、変わり紗地に夏らしい白色の帯芯で涼しげな印象を漂わせて。

裂れ取りの構図のなかに、太糸と細糸の組合せがボリュームを感じさせます。

格調高く、重厚さもありながら華美ではない……まるで高級な落雁のような雰囲気ですね。

長襦袢のアイデア

このコーディネートをさらに魅力的にするアイデアとしては、訪問着の下に紋紗の長襦袢を着ることでしょうか。

透け感と実際の涼感、ともに上品で着慣れた大人の魅力を漂わせることができます。

夏の長襦袢は絽目のものを選ぶことが一般的ですが、白地やクリーム色地の紋紗地を重ねて、統一感あるコーディネートはいかがでしょうか。

上品で着慣れた大人の魅力

小物のとりあわせ

大和組の帯締め

大和組の帯締めは、濃紺の台に白~薄青の暈しがあり、銀糸もあしらわれて。涼やかに引き締まります。

帯揚げには、コーディネートを引き立たせる爽やかな色合いのものをセレクト。

帯揚げには、爽やかな色合いのものを

合わせるお扇子は黒塗りではなく、木地の手描き江戸扇子を合わせたいところ。

扇子を目立たせず、さらりと出して涼やかに仰ぐイメージですね。

季節の変わり目を楽しむ

夏の風情

夏の繊細な透け感。

そして、秋へと向かい単衣に移行する季節の変わり目。

この時ならではの装いを、ぜひ楽しんでくださいね。

静物・着姿撮影/スタジオヒサフジ

ITEM

記事に登場するアイテム

友禅紋紗訪問着 「唐花草暈段文様・蒸栗色」

【泰生織物】紗袋帯 「渡来錦裂文」

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