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欠かせない夏小物、一條朋子さんのガラスの帯留め 「古谷尚子がみつけた素敵なもの」vol.17

欠かせない夏小物、一條朋子さんのガラスの帯留め 「古谷尚子がみつけた素敵なもの」vol.17

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おでかけ解禁な今夏、古谷さんの前帯にごきげんに鎮座するのはなんと、生ビールの帯留め。あふれる泡におっとっと、楽しい夏を満喫できるガラスの帯留めです!

2023.06.24

よみもの

道明が切り拓く日本の美の未来形 「古谷尚子がみつけた素敵なもの」vol.16

衝動買い!の出会いにむふふな日々

ふだんは“帯留め派”ではない私でも、三分紐に帯留めで遊びたくなる夏がやってきました!

古谷尚子さん

提供:古谷尚子

今年はアバカの八寸帯が大活躍で、6月に竺仙の奥州小紋や絹紅梅、永治屋清左衛門の紋紗、7月には夏大島と綿絽の浴衣も加えてかれこれ20回くらいは締めていて、そのたびに後ろ姿を褒められ、ご満悦。

よみもの

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……なんですが、褒められ慣れていないと欲が出るものでして、

「前姿にもネタを仕込もう!」

と思っていたところ、見つけてしまったのよ、泡が美味しそうな生ビールのガラスの帯留め。金箔をガラスで挟んでいて、独自の技法で小さな泡を施したもの。ガラス×金箔!に衝動買い、決定です。

かき氷もかわいい

ビールジョッキに泡が~遠目には金箔が光ります。次に狙うは、かき氷!

作家の一條朋子さんはきもの好き

さっそく、作家の一條朋子さんに押しかけ取材を敢行、東京・谷中のアトリエにお邪魔させていただきました。

作家の一條朋子さん

じつは私の衝動買いを決定づけたポイントのひとつが、帯留めの台までガラスで作られていたこと

金具を接着していないところからして……もしや一條さんもきもの好き?

大学では染織を習っていたんです。それに主人が老舗の飲食店(あの有名な根津の『はん亭』さんです)の跡取りで、義母が私にきものを譲ってくださるので、がんばって自分で着られるようになってから、帯留めやかんざしを作るようになりました」

義母譲りのきもの姿が素敵な一條さん
 Instagram @tomoko_ichijoより

義母の着物姿は一條さんの憧れ
Instagram @tomoko_ichijoより

関西出身の一條さんにとって、湯島の寿司屋の娘として育ったお義母さまの、生粋の江戸っ子らしいキリッとした紬姿がとても新鮮でカッコよく、ご主人よりも先にお義母さまを好きになったかもと言うくらい、憧れの存在なのだそう。

自分のために作り始めたという帯留めと帯飾りがステキ!

自分のために作り始めたという帯留めと帯飾りがステキ!

一條さんの作品づくりと、代表作こんぺいとうシリーズの秘密

一條さんがガラス作家を目指したきっかけは、高校生のとき美術館で鑑賞した「世界のガラス展」。

当時まだガラスを教えてくれる大学が少なく、まず染織を学んだ後、ガラスの専門学校へ。

石川県の工房に就職して吹きガラスの職人としてキャリアを積みますが、途中、数寄屋橋阪急の海外アーティストのアクセサリー売場で働いていたことがファッション感覚を身につけるのに役立ったと振り返ります。

ガラスの指輪

金属アレルギーの人にも喜ばれるガラスのアクセサリー。『房』シリーズ

専門学校の講師や、ご主人のお店の若女将として忙しい日々を送りますが、ここ15~6年は本格的に作家活動に力を入れ、精力的に作品を発表してきました。

ガラスの指輪、湖イメージ

湖の水の輝きや紅葉、夕景などをイメージしたものも

一條さんは、透明度が高くて軽く、熱に強い耐熱ガラスを使用。なんとなく柔らかで温かみと安心感があります。

代表的な『こんぺいとう』シリーズのつぶつぶは、思わず「おいしそう~」と声が出るくらいかわいい。

こんぺいとうシリーズ

着物ファンに人気の帯留め
(右下)『こんぺいとう』シリーズ (右上)『葡萄』など

植物の花粉のふわふわを見ていて、このつぶつぶをガラスで表現したいなと思って作ったのが『こんぺいとう』シリーズなんです。

石川県で職人をしていたとき、イタリアのムラーノ島のマエストロが新島で開催したワークショップに参加したのはよい経験でした」

高温で成形

たとえばトンボ玉だったら800~900度で作ることができますが、耐熱ガラスは1800~2000度の高温で成形します。

色ガラス棒

『こんぺいとう』シリーズは、バーナーの炎で耐熱ガラスに色ガラス棒で色をつけながら球体を作り、独自の技法でつぶつぶをつけていくのがとても根気のいる作業に見えます。

作業中の一條さん

頭のなかのイメージをどう表現するか工夫するうちに、この技法に行き着いたのだそう。

ベッドの脇にもスケッチブックを置いているという一條さん。

猫ちゃんと

優しいご主人と3匹の猫ちゃんとの暮らしのなかで次に生み出されるのはどんなモチーフか(もしやネコちゃん?)とても楽しみに、生ビールの帯留めをヘビロテして夏きものを楽しむことにします!

アバカバッグにもぴったり

アバカバッグにも相性ぴったり

読者プレゼント『クリームソーダ』

クリームソーダの帯留め

さて、ここでうれしいお知らせです!

一條朋子さんの帯留め『クリームソーダ』を、「きものと」読者1名様へプレゼント!

下記リンクより、InstagramもしくはTwitter経由でご応募くださいませ。

◆Instagram
https://www.instagram.com/kimonoichiba
◆Twitter
https://twitter.com/Kimono_ichiba

※応募期間:2023年7月30日(日)まで

一條朋子ガラスアクセサリー展

開催期日:2023年7月26日(水)〜8月1日(火)
会場:日本橋三越本店 本館4階 華むすび
※12:00〜17:00在店予定

撮影/小澤達也(studio mug)

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