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私を外へと誘う、着物 「きものとわたしのエイジング」vol.6

私を外へと誘う、着物 「きものとわたしのエイジング」vol.6

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出不精な私を外へと誘うのは「きもの」。きものを着ることによって、新しい出逢いがあると言っても過言ではないでしょう。

2023.05.12

よみもの

原点に帰る 「きものとわたしのエイジング」vol.5

消極的になりがちな更年期

歳を重ねると、新しい出逢いや新しい人との関わりは減っていくと言われています。

私たち夫婦はふたりとも社交的な方ではなく、ひとりの時間を過ごすことも好きなため、積極的に知らない人と関わる場所にもなかなか足が向きません。30代40代の頃と比べると、好奇心も減り、更年期も相まって出不精になりました。

そんな私を外へ誘うのは「きもの」ともいえます。

きものを着ることによって、新しい出逢いがあると言っても過言ではないでしょう。

なぜなら、もし私がきものを着るようになっていなかったら、今の友人知人とは知り合うきっかけはなかったと思うのです。

引きこもる消極的な日々を過ごしてきましたが、重たかった腰をあげ、コロナ禍中に避けていた着物イベントをまた始めることにしました。

台北の京都和服館にて

まずは浴衣から。

浴衣は用意するものも少なく手軽ですし、汚れをさほど気にすることもありません。

浴衣を着てカフェや花を見に行ったり、日本の文化に触れたり、台湾ならではの場所や建築物を見に行くなどのイベントを企画しています。

新旧交えて新しい風を

おかげさまで、SNSの発信からみつけてもらうことや、私に着付けを習いたいと言ってくださる方も増えました。

その新しい着付けの生徒さん方を中心に新旧交えて、少人数で様子を見ながら動き出しました。

着付け教室の生徒さん達

きっかけは、古い生徒さんからの着付け依頼の問い合わせでした。

「すっかり着る機会やタイミングをなくしてしまった」と……

着付けを習ってもしばらく着ないと、思うような着姿にならなかったり、帯結びに手間取ったりします。

やはりきものは「着るもの」。
着る機会が必要
です。

着たい時着たい日に着物やゆかたを着る。

理想は、何のお膳立てがなくとも、誰かと一緒でなくとも、着たい時着たい日に、洋服を選ぶように着物や浴衣を着てほしいのですが。

私はひとりでも着たい時にきものを着てどこへでも行きますが、きものを始めた頃は、やはり仲間がいると心強かったものです。

台湾人の生徒さん達

台湾人の生徒さん方

そして、ここは台湾。
最近着付けを習いに来ている台湾人の生徒さんのひと言にハッとしました。

「日本人がきものを着るのは民族衣装だから何の不思議もないですが、私たち外国人がきものを着るのには、理由や機会があった方が着やすいです」と。

そして、「きものは買いたいけれど、買っても着る機会がとても少ないです」と。

なるほどなぁ……と感じたと同時に、日本でも日常からきものはなくなりつつあるため、同じようなマインドで、きものを着ることを躊躇してしまう方は多いのではないかと思いました。

紫陽花と生徒さん達

日本では今は、こちらの「きものと」を運営されている「京都きもの市場」さんをはじめ、販売に携わる方々もイベントを企画されるなど、きものを着る機会を多く提供されているようです。

以前は一時帰国時にきもの姿の方を実際にお見かけすることはとても少なく、SNS上にあふれているきもの姿はいずこに???と感じたものですが……

今月はいよいよ3年半ぶりとなる日本一時帰国をいたします!

たくさんのきもの姿の方をお見かけしたいと期待しています。

写真を撮ることは記録だけにあらず

お出かけ下なら、ぜひきもの姿の写真を。

せっかくお出かけしたなら、ぜひきもの姿の写真を、自撮りや人に撮ってもらうことをおすすめします。

必ずしも公開しなくてもよいのです。
自分の写真を客観的に見ることは、自分を知ることに繋がります。

着付けの癖や姿勢、表情、裾捌きはもちろんのこと、似合う色柄やコーデの記録にもなります。

実は写真に写る姿には、コンプレックスを感じることも多くあります。長年付き合ってきた容姿も、変わりようのないこと、また逆に変えられることも写り込むものです。

変えた方が自分を好きになるし気分が良いのなら変えればいいし、変えたくないのなら受け入れて愛すること。

ないものねだりはやめにして、足元手元の持っているものに目を向ける良いきっかけにもなるでしょう。

紫陽花と普子さん

短所やコンプレックスだと思いこんでいることは、実はあなたの魅力だったりするものです。

出かけた先で写真を撮る、それだけのことですが、みなさまにはとても喜んでいただけますし、私も楽しいのです。

きものがもたらしてくれる恩恵

きものがもたらしてくれる恩恵は、きものを着なかった時には想像できないほどの広がりを見せてくれています。

「たかが着るもの」ですが、「たかが」以上の何かがありますね。

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