商品番号:1527659
【 仕入れ担当 田渕より 】
お着物好きの方でその名を知らない方はいらっしゃらないことでしょう。
紅型三宗家の一家「城間家」14代、城間栄順氏。
最近は創作数が減っていると聞きますので、
ご紹介の機会もより少なく、また難しくなってきております。
今回ご紹介するのは小千谷節糸紬を用いた六通柄の逸品。
お目に留まりましたらどうぞご覧下さいませ。
【 お色柄 】
たっぷりと「節糸」を織り込んだ小千谷紬地。
まろやかなオフホワイトのその地に、彩りの冴え、美しく…
気高く美しい牡丹の花に流水に唐草が染めあらわされております。
戦争によって焼け野原になった琉球の地。
廃墟と化した美しい王城。
紅型もまた…
型紙も見本も道具も焼き尽くされて、ほとんど姿を消そうとしていました。
そこに再び息を吹き込んだのは、栄順氏の父、城間栄喜氏。
廃材の中から琉球王朝の彩りを蘇らせるその苦労と情熱は、
想像するだけでも胸が熱くなります。
「色や型を崩すことを好まない。
父の教えから離れられないのかもしれない。
でも、父が頑固に守ってきたものを自分も頑固に守りたい。」(栄順氏)
脈々と受け継がれる琉球の魂を…
是非ともお手元でご実感いただければ、と願ってやみません。
琉球の伝統に思い馳せつつ、
贅沢な南国のひと品を、どうぞ大切にご愛用くださいませ。
【 城間栄順(しろまえいじゅん)について 】
紅型三宗家城間家15代
日本工芸会正会員
沖縄県指定無形文化財「びん型」保持者
城間びんがた工房代表
1934年沖縄県・那覇市生まれ。
琉球王朝時代から続く紅型の三大宗家のひとつ、
城間家の15代目。戦後の混乱の中、紅型の復興に
尽力した城間栄喜の長男として生まれ、父より
城間家の伝統技術を継承。
魚や海、沖縄の大自然をモチーフにした
独自の世界観を織りなす作品をつくりだしている。
【 経歴 】
1934年 沖縄県首里市(現在・那覇市)に生れる
1959年 首里高等学校を卒業 家業の紅型に専念
1963年 沖縄美術展覧会(通称沖展)染織部門奨励賞受賞
1965年 沖展準会員に推挙
1966年 沖展準会員賞を受賞
1987年 城間栄順紅型展(青砂工芸館)
1997年 沖縄県指定無形文化財「びん型」保持者認定
「現代の名工」表彰
2006年 城間栄順紅型作品展「宝布に華咲かち」
(那覇市民ギャラリー、時事通信ホール・東京)
2015年 城間びんがた三代継承展(沖縄県立博物館・美術館)
2022年 城間栄順米寿記念「紅(いろ)の衣」展
(沖縄県立博物館・美術館)
【 琉球紅型について 】
経済大臣指定伝統的工芸品(1984年5月31日指定)
早くは13世紀から起源を持つと言われる、
独自の染技で育まれてきた沖縄の染物の総称。
鮮明な色彩、大胆な配色、図形の素朴さが特徴。
「紅型(びんがた)」の呼称は昭和に入ってからで
それまでは「型附(カタチキ)」と呼ばれた。
階級によって使用できる色と模様が異なり、黄色地は
王族以外は使用不可、図柄が大きく肩と裾に模様がある
二段肩付は王族を示す柄である。
大部分は首里で作られ、知念・沢岻・城間の三家が
御用紅型師であった。
琉球紅型には下記の種類がある
紅型:「琉球びんがた」のビンは「色彩」の意があり、
白地紅型、染地紅型、返し型、朧型、手附紅に分類される。
これらは型附(カタチキ)と呼ばれる糊置防染手法による
型染めで、型紙を当てて生地に糊を塗り、そのあとで
取り去った型紙の模様の部分に色を差す染め方で、
さらに地染めが施されるものもある。
藍型:藍の濃淡や墨で染められた紅型。
えーがたと呼ばれ、白地藍型、黒花出し、白花出し、
浅地花取り、藍朧(えーうぶるー)などに分類される。
型紙は染地(線彫り)型を使う。
濃藍から各種の藍の変化と地の白とで、大きめの模様で表現する。
筒描き:糊引(ヌイビチ)と呼ばれ、紙を使用せずに
防染糊を入れた円錐状の糊袋の先から糊を絞り出しながら
生地に模様を描き、そのあとで模様の部分に色を差す方法。
技法的にも難しく、均一に絞り出すために布面に垂直に置き、
進行方向に傾けながら一気に線を引かなければならない。
絹100%
長さ約3.6m(お仕立て上がり時)
六通柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、お出かけ、お食事、行楽など
◆あわせる着物 色無地、小紋、織の着物など
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