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美しい着物で、美しい空間へ 「Magnificent KIMONO!」vol.3

美しい着物で、美しい空間へ 「Magnificent KIMONO!」vol.3

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「ニューポートマンション」と呼ばれる、19世紀後半から20世紀初頭に建てられた大豪邸が立ち並ぶエリアへ。美しい着物を纏い、美しい空間に身を置くことが、私にとっては一番の癒しとなります。

2022.09.22

よみもの

”一世一代の着物”で歩くジャパンパレード 「Magnificent KIMONO!」vol.2

七五三シーズンでした!

七五三撮影の繁忙期

「きものと」をご覧のみなさま、ご無沙汰しております。米国ボストンの着付師、北川聖子です。

前回のコラムから少し時間が空いてしまいましたが…

ありがたいことに、こちらボストンも日本同様、七五三撮影の繁忙期を迎えておりました。

ボストンは、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学など、全米屈指の大学が集まっているため、研究やお仕事でこちらに滞在されている日本人のご家族もたくさんいらっしゃるのです。

クチコミが1番のプロモーション!年を重ねるごとにこちらで七五三のお祝いをされるご家族も増え、私としても日々やりがいと喜びを感じております。

チャリティー着物イベントを初開催

さらに11月には、初開催となる「チャリティー着物イベント」を友人たちとオーガナイズ。

大変趣のある洋館

会場となった洋館。皇后雅子様が幼少期を過ごされたベルモントという町にあります。一棟貸し切りにて

日頃は七五三の撮影といってもスケジュールの都合上1日1組様限定のサービスとさせていただいておりますが…

子供達の七五三

Photo by Adam Erdossy

このチャリティーイベントでは、友人たちの手を借りながら、たくさんのお子様方に七五三のお祝いをさせていただくことができました!

しかもこのイベントで得た収益は、子供たちの難病支援のため『ボストン・チルドレンズ・ホスピタル』へと寄付されます。

子供たちの七五三のお祝いができて…

着物の美しさをより多くの方に知っていただき…

病と闘う子供たちへの支援に繋がる。

私にとっては一石三鳥イベントなのですが、やはりその準備にかかる時間と労力は想像以上のものでした。

七五三ブースでは、お客様13組分の着物の準備、コーディネート、足りないアイテムの買い付け、ボランティアさんへの着付け指導、そして大量の半襟の縫い付けに追われ…

さらには「きものショー」も企画したため、モデルさんの手配、ショーの構成、モデルさんのウォーキング指導、音響プランまでを私がアートディレクターとして担当。

チャリティー着物イベント
チャリティー着物イベント

Photo by Tatiana Dorokhova
Kimono Dress by dual-mode

そしてこちらでも、最後に待っていたのはやっぱり、大量の「半襟の縫い付け」。

ぬぬぬぬぬ…

この「半襟を縫い付ける」という作業の面倒さは、きっと「きものと」をご覧の方にはよくご理解いただけるのではないでしょうか?

専用のテープで止めたら?というアドバイスもいただいたのですが、海外ではそのテープが貴重品なので、結局は針と糸で地道な作業を続けました。

もともとお裁縫が苦手な私。しばらく針と糸は持ちたくありません(笑)。

「大変だ、大変だ。」と言いつつも、お客様やボランティアさんから「楽しかった!ぜひまた来年も!」と言われると、またすぐにモチベーションが復活してしまうから不思議です。

きものショーのフィナーレでは、モデルさん方と最後のご挨拶。

モデルさん達と最後のご挨拶

なかには日本からこのイベントをサポートするために駆けつけてくれた友人たちもいたので、感極まり最後には涙がこみ上げてきました。

「なんとありがたいことをさせてもらっているのだろう…」

本番中に泣いてしまったのは本当に本当に久しぶりのこと。閉会後もなんだか夢うつつ…しばし頭がぼーっとしてしまいました。

ですが、いつまでも余韻に浸ってられないのがディレクターの定め。終わったらすぐ着物のお片付けです!頼りになる友人たちが、てきぱきと手分けして着物を畳んでいきます。

「楽しかったねぇ、あっという間だったねぇ」

と感動を分かち合いながらお片付けに勤しむ姿は、さながら文化祭。

気づいたらこんなに大人になってしまっていたけれど、これってまるで青春だよなぁ…と、一緒に目標に向かって打ち込める仲間がいることにあらためて感謝した瞬間でした。

実はこのイベントを行った11月13日は、自身の30代最後の1日でもありました。

たくさんの人に助けられ、支えられ、愛され、恵まれ過ぎた30代を過ごすなか「この御恩を世の中に還元していかなくては」と常々思っていましたので、このようなチャリティーイベントで30代を締めくくることができて、個人的にも納得のいく一日となりました。

ニューポートで一番有名なマンション『The Breakers』

誕生日当日は、私の住むマサチューセッツ州のお隣、ロードアイランド州まで足を伸ばして、家族と小旅行に出かけましたよ!

ニューポートで一番有名なマンション The Breakers

ニューポートで一番有名なマンション『The Breakers』

たっぷり自分を甘やかす!と心に決めていたので、ずっと行ってみたかった「ニューポートマンション」と呼ばれる、19世紀後半から20世紀初頭に建てられた大豪邸が立ち並ぶエリアへ。

美しい着物を纏い、美しい空間に身を置くことが、私にとっては一番の癒しとなります。

着物でニューポートマンションへ

こちらは鉄道業で財を成したファミリーが建てたお屋敷。

これぞ、大豪邸!

日本のマンションとはかなり違いますね。もはや「宮殿」と呼んでも良いレベルです。

宮殿と呼んで良いレベルの大豪邸

よく「英語で、”私はマンションに住んでいます”と言ってはいけないよ!」という話を聞きます。

日本で言うところの「マンション」は、英語ではアパートメント。本来「マンション」という言葉は、こういった大豪邸を指します。これこそが「マンション」ですね!

ベッドルームで、たまたまこんなお写真を発見!

日本にご旅行で行かれたのでしょうか?着物で訪れたことを喜んでもらえたような気がしてきました。

飾られた写真

海沿いに建つ『The Breakers』。サンセットの時間に訪れたので、こんなにも美しい夕日も楽しめましたよ。

美しい夕日

Edward Julius Berwind の別荘

The Breakers入口

せっかくなので、今回はもう一軒のお宅も訪問。

とっても素敵なインテリアですが…

レベルが違いすぎて何の参考にもなりませんでした(笑)。

The Breakers室内

ヒストリカルなゲストハウスに宿泊

そして宿泊は、こちら。

ヒストリカルなゲストハウスに泊まるのが大好きなので、同じニューポート市内のハイドレンジア・ハウスへ。ハイドレンジアとは紫陽花のことです。

ハイドレンジア・ハウス

ここのお部屋にした決め手は、やはりこのバスタブ!部屋の中に仕切りもなくバスタブがあるなんて!!

こんな間取り…まさに非日常の極みですね!

到着して荷物を置いたらおいしいチーズとワイン、そして焼き立てのクッキーが出迎えてくれます。ステキなダイニングだったので、せっかくだし貴族ごっこ。

ワインを片手に
とっても素敵なインテリア

テーブルの端と端に座り、遠すぎて声聞こえないねと文句言いながら「ルネッサーーーンス!(乾杯)」
ただそれだけの暇を持て余した庶民の遊びです。

そのあとは、メインイベントのお風呂!

お風呂に浸かりながらシャンパン

お風呂に浸かりながら息子にシャンパンを注いでもらう幸せ。

(息子は背が高く大人っぽく見えますが、中身はまだまだ小5のお子様なので、母が目の前を裸で走っててもケラケラと笑ってくれます。でもあと数年後に同じことをやったら確実に嫌われそうですね…今から心しておきます!)

着物でルネサンス様式の建物に溶け込む

それにしても、どんなに非日常な空間に身を置いても、着物さえ着ていればスッとその場に馴染んでしまうから不思議ですよね。

アンティークの小振袖を纏いました

アンティークの小振袖を纏って

着物でルネサンス様式の建物に溶け込む

ルネサンス様式の建物
Photo by Adam Erdossy

この日は40歳=2回目の成人式ということで、アンティークの小振袖を纏いました。とっても素敵な南天柄の刺繍半襟は、花魁道中の際にもお世話になった『刺繍好日』さんの作品。

もしもこの日訪れた大豪邸に普段着で行っていたなら、完全におのぼりさん観光客になっていたことでしょう(いや、おのぼりさんはホントのことですけどね…)。

着物を着ることで、堂々と現地の世界観に入り込むことができます。和風な建築物だけでなく、こうしたルネサンス様式の建物でも。

北川聖子さん

Photo by Adam Erdossy
40代最初の日に夫が撮ってくれた写真。一番のお気に入りですが…実はこちら、今回訪れた豪邸内のトイレなのです!大富豪のお手洗いのライティングが素敵過ぎて、思わず夫がシャッターを切りました

以前はお屋敷内は写真撮影禁止だったそうですが、今ではほとんどのお屋敷で撮影可能に。

ぜひロードアイランド州を訪れた際には、このニューポートマンションエリアを着物で訪れてみて下さいね!きっと素敵な思い出と素敵なお写真が残せますよ。

おすすめの撮影スポットは…やっぱり上のお写真の場所でしょうか(笑)。

ではでは、また次回のコラムでお会いしましょう!Merry Christmas and a Happy New Year!

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