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【Lesson4】語れる背中 ~背中~ 「美しい着姿はボディメイクから」

【Lesson4】語れる背中 ~背中~ 「美しい着姿はボディメイクから」

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すれ違いざまに視線がくぎづけに、通りすがりにふと目で追ってしまう― 余韻や印象を深く感じさせる着物の「後ろ姿」は、その前姿とは随分と異なる気配をもつもの。自身では直接見えないからこそ、後ろ姿も素敵でいたいものです。

見返りならぬ「全方位美人」

美しい着姿はボディメイクから

着物:永井織物 帯:菱屋善兵衛(木野織物)

すれ違いざまに視線がくぎづけに、通りすがりにふと目で追ってしまう―

後姿には、その方の余韻や印象を深く感じます。

自身では直接見えないからこそ、前姿はもちろん、後ろ姿も素敵でいたいもの。どうせなら欲張りに、「見返り」以上、「全方位美人」を目指してまいりましょう。

引き続き、磯辺崇コーチに伺います。

磯辺コーチ写真

昨今フィットネス業界は堅調で、病気や怪我を未然に防ぐ未病対策や心身強化の一環で、何かしらに取り組まれている方が多くいらっしゃるとのこと。しかし長く継続できる人、結果を出せる人は限られている、とも。

磯辺コーチの元に来られる方々は継続的に取り組まれる方がほとんどであり、老若男女、目的もさまざま。どうありたいかは十人十色、傾聴し、綿密なトレーニングプランを組むのはあたりまえで、さらに踏み込んで「なぜそうありたいのか?」までにアプローチしてご本人に気づいていただく。

リードしつつも、主役は通われるお客様。それらのバランス感覚が絶妙で、心地よいチューニングにファンが多くいらっしゃるのも納得です。

本連載の指導にあたっては、着物ファンのリアルな悩みをヒアリングいただき「美しい着姿」を実現するためのポイントに絞っての内容を組み立てていただきました。

語れる背中

スマホやパソコンの長時間使用が多くなると、背中の筋肉が固まり痛みを感じることも。操作する際にどうしても前かがみになり背中が丸くなってしまいがちです。

この姿勢を続けると背中の筋肉が硬直し、骨や筋肉が正常に動かないため脂肪もつきやすくなってしまいます。

背中は固まり、腰も丸まり、全身こわばりがち…

日常生活のせいにする前に、まだ改善することがあるかもしれない。

身体の心地よさはもちろんのこと、目指しているのは前姿だけでなく後ろ姿も、見返りならぬ「全方位」から魅せられる着姿…

”語れる背中”を実現するためには?

磯辺コーチ

磯辺コーチ

「猫背の自覚はあるけれど、治し方が分からない」と悩んでいらっしゃる方は多いのではないでしょうか。猫背は身体の機能が悪くなり、痛みや慢性的な疲労感に繋がることはもちろん、見た目が悪いので一刻も早く治したいですね。以下の動きは、すぐに実践できる動きばかりなので、猫背に悩まれる方はぜひ参考にしてみてください。

背中トレーニング1 肩甲骨

まず何からはじめれば良いのでしょうか?

磯辺コーチ

磯辺コーチ

肩甲骨の可動域が悪くなると、猫背の原因になります。
これは、肩甲骨まわりの筋肉の動きが悪くなり、肩甲骨が外側に開いたままになってしまうことが大きな原因。解消するためには、肩甲骨まわりの筋肉をリセットすることが大切です。

以下の動きは、タオルを使った、肩甲骨を動かす簡単なトレーニングです。

1 タオルを両手に持って、うつ伏せになる
2 両手を前に伸ばしてから、頭の後ろに引き込む
3 2の動きを繰り返し行う(10回程度)

背中トレーニング2 背骨まわり

他にはいかがでしょう。

磯辺コーチ

磯辺コーチ

筋力が不足していると姿勢をキープ出来ず、猫背になりやすいと言われています。特に、背骨まわりの筋肉の衰えが大きく影響します。上半身を大きく動かす機会が少ない人は、柔軟性不足による猫背に陥りやすいので注意が必要です。

以下の動きは、タオルを使って背骨まわりの筋肉を大きく動かすトレーニングです。

1 うつ伏せで両手にタオルを持ったまま、右腕と左足を上げる
2 右腕と左足を下ろし、左腕と右足を上げる
3 1、2の動きを繰り返し行う(10回程度)

背中トレーニング3 背中

他のポイントも教えてください。

磯辺コーチ

磯辺コーチ

肩甲骨の間にある筋肉がうまく使えていないと、体幹の動きが制限されて猫背になりやすくなります。肩甲骨を背骨に引き寄せる働きを持つ筋肉をしっかり働かせることが大切です。普段使われない筋肉を刺激し、動きを安定させていきましょう。

以下は道具を使う動きではないので、効果を高くするためにもちょっとした隙間時間などで行い、動かす頻度を増やしていきましょう。

1 手のひらを下にうつ伏せになる
2 腕全体でアルファベットの「A」の形を作る
3 親指を上に向けながら、肩甲骨を寄せるように腕全体を上げる
4 3の動きを繰り返し行う(10回程度)

いずれも自宅で簡単にできそうなもので安心しました!ちょっとした隙間時間に、ストレッチ感覚でできそうです。

語れる背中が叶えてくれること

着物の後ろ姿には、余韻をもたらす魅力が備わっているように感じています。

洋服以上にそう思わせるのは、きっと着物は前後で表情が大きく異なっているからでしょう。

衿足がのぞくすらりとした首元、なだらかな肩、なめらかな背中、やわらかな腰。

身体の曲線は布地にふんわり優しく包まれ隠されているのに、不思議と纏っている方を感じさせて。そして後ろ姿には、さらにいろいろと想像力を働かせる余白があるのでしょう。

後ろ姿

その人その人で個性を放ち、有機的に美しい曲線―

語らずして、相手に感じさせる。

とても稀少なことです。そのような世界観を持ち合わせている稀有な衣装が着物なのかもしれません。

どなたもが知る『見返り美人図』も、前姿であったらこんなに知られることはなかったかもしれません。どれほど存在感のある着物や帯(お太鼓の表情)であっても、纏っている方の存在感を超えることはできません。

難しいことは何もなく、自分らしくいられる”心地よい背中”であればいいのです。唯一無二であるということこそが最大の魅力であり、美しい着姿はあなたらしさあってこそ。

「全方位美人」の鍵は、ここに。

引き続き、自分らしさ全開でまいりましょう。

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