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『une fleuriste pour Violetta』 佐々木智子さん(後編)「MariⅯaedaが訪ねる、パリで活躍する日本人」vol.6

『une fleuriste pour Violetta』 佐々木智子さん(後編)「MariⅯaedaが訪ねる、パリで活躍する日本人」vol.6

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夢のようにキュートなお花屋さんのオーナーである佐々木智子さん。前回は渡仏の経緯や開店に至るまでのストーリーをインタビュー形式でお伝えさせていただきました。今回は、お店のあるマレ地区付近の様子などもお届けいたします。

2022.09.13

よみもの

『une fleuriste pour Violetta』 佐々木智子さん(前編)「MariMaedaが訪ねる、パリで活躍する日本人」vol.5

une fleuriste pour Violetta

みなさまこんにちは。
いつも「きものと」をご覧くださいましてありがとうございます。

今回も前回に引き続き、佐々木智子さんのお店『une fleuriste pour Violetta』のご紹介と、またお店のあるマレ地区の様子をお届けさせていただきます。

どの花も女優のように輝いて

爽やかでみずみずしい花々

撮影 MariMaeda

爽やかでみずみずしい花々。
店内は、明るいムードに満ち満ちています。

こちらのお店の照明は、以前ジュエリーショップだった際の内装のものをそのまま利用されているそうで、一輪一輪のお花それぞれがまるで、舞台でスポットライトに当たっている女優のようです。

智子さんの行き届いたお手入れに、喜び満ちあふれているように感じられます。

常に優しい笑顔の佐々木さん

『une fleuriste pour Violetta』佐々木智子さん

常に優しい笑顔で、清々しいお花に囲まれている智子さん。

日本人ならではの繊細な美意識と、師であるジョルジュ・フランソワ氏から叩き込まれたパリのエスプリが融合して…

誰もが笑顔になる、愛されるパリの花屋さんとなっておられます。

Sarah Bernard

芍薬の品種『Sarah Bernard(サラ ベルナール)』と、あざみ系の品種の『Chardon(シャルドン)』

ロマンティックなムード

ため息がでるほどの美しさ

撮影 MariMaeda

スイートピー、ガーベラ、アザミ、バラなどの花々…

それぞれが色鮮やかなハーモニーとなって、何ともため息がでるほどの美しさ。

甘く優しいお花の香りに誘われて…

甘く優しいお花の香りに誘われて…
バラのブーケ

撮影 MariMaeda

中央のお花は、Commandant performance(コマンダン ペルフォマンス)。そこにとても良い香りのバラ、Papameilland(パパメーアン)を。

さらに白い細かなお花、Siléne(シレーヌ)を見事なコンビネーションであわせたブーケです。

アンティーク調の店内

撮影 MariMaeda

アンティークのオブジェがそこここに飾り付けられて。智子さんのロマンティックな美意識とセンスが、お店全体のムードを生み出しています。

こちらの棚には、サルデニア産のコンフィチュール(ジャム)や蜂蜜が置かれて。蘭の花ととてもマッチしていますね。お花とともにプレゼントやお土産にされるのでしょうか。

パリの街並みに彩りを添えて

お店の入り口には、たくさんの植木が置かれています。パリジャン、パリジェンヌも思わず立ち止まって見入っている様子。地元の方はもちろん観光客の方をも魅了し、通りかかる人々の心を一瞬にして掴んでいるようです。

陽光をうけてきらめいて、一層輝き満ちあふれる花々…

美しいパリの街並みの一部となっていますね。

パリの街並みにしっくりと馴染んでいます。
智子さんと

智子さん、お話しをお聞かせいただきありがとうございました。

『une fleuriste pour Violetta』を後に、ヴォージュ広場(PLACE DES VOSGES)に向かいます。

ヴォージュ広場を着物で散策

ヴォージュ広場にて

1612年、「パリを世界で一番美しい街にしたい」という思いでアンリ4世が造ったという、パリで最も古い歴史と伝統を持つヴォージュ広場。

春から秋にかけては、ピクニックや読書、日光浴をするパリジャンでいっぱいになります。広場は正方形に作られており、最古の広場というだけあってなんともノスタルジックな気分になります。

Place des Vosges ヴォージュ広場
最寄り駅
メトロ1、5、8号線「Bastille」 
8号線「Chemin Vert」

現在のマレ地区はパリの流行の発信地として知られていますが、実は歴史的な建造物が多くある地域。このヴォージュ広場も、広場を取り囲むように建つ建物は赤レンガと白い切石のコントラストが鮮やかで、歴史が感じられます。

もともとの名称は「ロワイヤル広場/王の広場」だったのですが、革命によって1800年に「ヴォージュ広場」に改称。広場を囲む36の邸宅には、多くの貴族や政治家や作家が住むようになりました。

今なお上品かつ優雅な雰囲気が漂っています。

周囲に歴史的な建造物が多くあります。

ヴィクトル・ユゴーが住んでいた家

ヴィクトル・ユゴーの家

こちらは、1832年から16年間、文豪ヴィクトル・ユゴー(Victor Hugo)が暮らした家です。

ヴォージュ広場の回廊内にあり、現在はパリ市立美術館として一般公開されています。

Maison de Victor Hugo(ヴィクトル・ユゴーの家)
6 place des Vosges – 75004 Paris
1番線:Saint-Paul/1・5・8番線:Bastille
http://www.maisonsvictorhugo.paris.fr/

日本でもよく知られ、ブロードウェイやロンドンでもロングランで何度も再演が繰り返されているミュージカル『レ・ミゼラブル』の元となる名作は、この家で生まれました。

建物の入り口に階段があり、ユゴーが住んでいた二階が展示室に。階段の壁には『レ・ミゼラブル』の古いポスターがたくさん飾られています(長年にわたってこの物語が人々に愛されてきたことが分かります)。

ユゴー自作の家具や彼の描いたデッサン、ファルギエール作のユゴーの彫像、ドラクロワが描いたユゴーの肖像画などが展示されており、見ごたえがありますよ。

アーチ型屋根の回廊を散策

ヴォージュ広場の回路にはたくさんのお店が出店しています。今回は、なかでも特におすすめのお店をご紹介させていただきます。

素敵な趣のある香水店

撮影 MariMaeda

イタリア人女性のGIORGIAさんと。

イタリア人女性のGIORGIAさんと

回廊を散策していますと、ステキな趣のある香水店を発見。

店内には、アンティークの調度品と香水がセンス良く陳列されています。

バスク地方で開発された香水を堪能できる

ここでは、バスク地方で開発された香水の数々を求めることができます。

Christian Ⅼouis(クリスチャン ルィーズ)
18 place des Vosges
75004 Paris
05 59 70 25 57
www.christianlouisparfums.com

マレ地区は、現在パリでも有数のアートギャラリーが集まる地域。ヴォージュ広場周辺はとりわけ高級なエリアとして知られ、優雅な中世の雰囲気が漂っています。

回廊内のさまざまなアートを鑑賞しながらゆっくりお散歩をしたり、カフェでお食事や休憩をしたり…

爽やかな風と鳥のさえずりを聞きながら、着物姿で物思いにふけってみてはいかがでしょうか。

有数のアートギャラリーが集まる地域。

歴史を感じる老舗の名店

Damman Frères

こちらは、きっとみなさまも大好きな紅茶のお店『Dammann Frères(ダマンフレール)』です。1692年にルイ14世からフランスにおける紅茶の独占販売権を与えられてから今日まで、世界中で愛されるブランドとして営業を続けています。

パリ市内に6店の直営店を構えておりどの店舗も洗練されているのですが、やはりヴォージュ店が最も風格を感じます。

DAMMANN Frères(ダマンフレール)
15 Place des Vosges, 75004 Paris, フランス                     営業時間:11:00~19:00                             最寄り駅:Chemin-Vert 8番線 Saint-Paul 1番線

L'Ambroisie

こちらは、伝統的なフレンチ・レストラン『L'Ambroisie(ランブロワジー)』。日本でも以前、木村拓哉さん出演のドラマで話題となりました。

世界中の美食家を唸らせるこのお店は、人生の中で必ず訪れたいレストラン。ベルナール パコー氏が創業し、現在は30年以上にわたってミシュラン3つ星を獲得しています。

「ランブロワジー」という名前はギリシャ神話に由来し、「神のための食物」と「不死の源」の両方を意味するそうです。

憧れのこのお店は、やはり日本人なら着物でお食事を楽しみたいですね。特別な日に、特別な方と至高のお食事を。

L'Ambroisie ランブロワジー
9 place des Vosges, Paris, 75004, France
(+33) 0142785145
http://www.ambroisie-paris.com/

Salon de Thé(ケーキが美味しいカフェ)『CARETTE(カレット)』もこちらにあります。

サロンドテ カレット

1927年に創業したカレットは、パリ市内に3店舗を構える老舗カフェ。本店はトロカデロにあり、こちらのヴォージュ店は2号店になります(トロカデロ店は、エッフェル塔を眺めながら楽しむことができます)。

食事もできますが、おすすめはスイーツです。テラス席はだいたい、観光客の方で賑わっていますね。

CARETTE カレット place des vosges
25 Place des Vosges 75003 Paris
営業時間:7:00~23:30
最寄り駅:Chemin-Vert 8番線 Saint-Paul 1番線
01 48 87 94 07
http://www.carette-paris.fr/

ヴォージュ広場の回廊の角にある『café hugo(カフェ・ユゴー)』。ヴィクトル・ユゴーにちなんで付けられた店名でしょうか。

café hugo
AVOCADO TOAST

気さくで入りやすい雰囲気のカジュアルなカフェレストランは、店内にもお席がありますが、回廊のテラス席がメインとなっています。ヴォージュ広場の美しい風景を楽しみながら友人とゆっくりと会話を楽しみたいカフェでした。

café hugo カフェ・ユゴー
22 Place des Vosges – 75004 Paris
8番線:Chemin Vert
7:00~26:00
01 42 72 64 04

あとがき

着物を着てこの回廊を歩いていますと、本当に人目を引くようです。着物は、海外の方にとっては別格の装いということでしょうか。

今回はお花屋さんへ伺うということで、季節感は少々異なりますが「花柄の着物」を意識してみました。

日本には四季折々の美しい自然モチーフがあり、それは本当に稀有なことと感じております。日本ならではの美しい柄行きをもっと海外の方にご覧いただき、日本の伝統文化を身近に感じていただけるその架け橋になれたらと思います。

お健やかな日々をお過ごし下さいますよう。

まだまだ日本からパリへの旅は気楽にできる状況ではなさそうですので、多少なりとも旅行気分を味わっていただけましたら幸いです。

どうぞみなさま、お健やかな日々をお過ごし下さいますよう。

いつかパリにお越しの際には、お着物でお目にかかれますことを楽しみにしております。

撮影/Ikuo Yamashita

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