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『蜷川実花 瞬く光の庭』 東京都庭園美術館 「きものでミュージアム」vol.12

『蜷川実花 瞬く光の庭』 東京都庭園美術館 「きものでミュージアム」vol.12

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今回は『蜷川実花 瞬く光の庭』東京都庭園美術館。光あふれる“光彩色”(こうさいしょく)の世界が、アールデコ様式の建築に映えます。建物全体を作品とした唯一無二の世界観に包まれて… みなさまなら、どのような和姿で行かれますか?恒例の招待券プレゼントもお見逃しなく!

蜷川実花の新機軸、”光彩色”(こうさいしょく)の世界

今回は、東京都庭園美術館で開催中の『蜷川実花 瞬く光の庭』をご紹介します。
※本コラム内の美術作品の写真につきまして、各美術館プレスより撮影および掲載の許諾を得て使用しております。

東京都庭園美術館
東京都庭園美術館
東京都庭園美術館エントランス
東京都庭園美術館エントランス

蜷川実花は、現代日本を代表する写真家・映画監督。独自のスタイルで知られています。

本展は東京都庭園美術館(以下、庭園美術館)のアール・デコ様式で装飾された本館の建築(旧朝香宮邸)と新館を、蜷川作品で彩る独自の展覧会。コロナ禍の日本国内にて一年半をかけて撮った4万枚もの写真の中から選りすぐった80点と、ダイナミックな映像のインスタレーションをご覧いただけます。

蜷川が今、強く惹かれているという“光彩色”(こうさいしょく)、光にあふれた色の世界。

夢かと見まごうような現実の一瞬を映し出す写真に、春に始まり春に戻る…移りゆく季節を映し出す映像インスタレーションをご堪能ください。

光あふれる展示室

蜷川といえば「極彩色」を思い浮かべますが、最初にこの展覧会のポスター画像を観たときに意外に思いました。25枚の写真がコラージュされていますが、今までの色彩に比べるととても柔らかく明るい光に満ちあふれています。

新しい何かがありそう、そんな予感に胸を膨らませて庭園美術館を訪れました。折しもお天気は快晴!緑の多い庭園とアール・デコ様式の建物が美しい庭園美術館を訪れるのに最高の日和です。

東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景

館内に入ると、明るい光が差し込む展示室にたくさんの作品が飾られていました。庭園の緑を借景として、作品たちは生き生きと息づきます。

そこには、作品名もキャプションもありません。

展覧会ではなく、美しく飾られた邸宅に招かれている―そんな気分になります。

東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景

旧朝香宮邸である庭園美術館の建築は、朝香宮ご夫妻の熱意と、日仏のデザイナー、技師、職人が総力を挙げて作り上げた芸術作品と言っても過言ではない建築物です。

内部の改造はわずかで、アール・デコ様式の貴重な歴史的建造物として、国の重要文化財に指定されています。

東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景

応接室や客室、大食堂、書斎、各人の居間と寝室、などの部屋があり、内装はそれぞれの部屋にふさわしいもので、壁に天井、床、窓、ライトなど細部に至るまで大変こだわりを感じます。

蜷川の作品はそれぞれの部屋にふさわしいものが選ばれ、パネルの大きさも部屋ごとに調和。

東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景

作品はあたかも、何十年も前からそこに飾られていたような気さえしました。

東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景

ダイナミックな映像インスタレーション

東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景 映像インスタレーション

新館ギャラリー1では、映像インスタレーションが鑑賞できます。展示室内に何枚ものスクリーンが設置され、それぞれに映像が投影されています。

明るい春の日差しの光と花から、季節が次々と移り替わって、光と色彩の世界に全身が染まり、まるで作品の季節の中に取り込まれたような気分になります。夏、秋、冬と季節が進んで少し心細くなるのですが、最後にまた春の暖かい光と色彩が戻って安堵、なんだか癒された気分になりました。

東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景 映像インスタレーション
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景 映像インスタレーション

きっとみなさまにも、今までに体験したことがないような感覚を味わっていただけるのではないでしょうか。

ご本人登場のプレスブリーフィングにて

新館で流されていたインタビュー映像
新館で流されていたインタビュー映像

この展覧会は、庭園美術館の建物があってこそ成立するものでした。庭園美術館が蜷川色に染め上げられた様子は、まさに”競演”と言うにふさわしいもの。

内覧会当日のプレスブリーフィングにはご本人が登場し、お話を聞くことができました。

「コロナ禍の1年半で4万枚を何かに取り憑かれたように撮った。自分自身も不安定だったのか、自分を保つために撮った。心が動いた瞬間にシャッターを押し、希望や願いを込めて撮った。」

東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景

そう語られる姿には、新たな境地を見出された自信が垣間見えました。今後の活動に期待が高まります。

東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景
東京都庭園美術館「蜷川実花 瞬く光の庭」展 会場風景

この日の装い

この日の装い 全身
この日の装い 全身
この日の装い お太鼓
この日の装い お太鼓

加納幸の紋紗きものに藤井裕也さんの紫陽花の帯をあわせ、蜷川作品の明るい色彩を意識した装いにて。

帯揚げ、帯留、根付けなどの小物は”花尽くし”にしています。

この日の装い 帯回り
この日の装い 帯回り

今回ご紹介の展覧会情報

「蜷川実花 瞬く光の庭」ポスター

蜷川実花 瞬く光の庭

東京都庭園美術館
https://www.mikaninagawa-flickeringlight.com/

日 時:2022年6月25日(土)〜9月4日(日)
    10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)

休館日:月曜

※本展の会期中は、本館内の一部と新館で写真撮影が可能です。
※本展はオンラインによる事前予約制です。詳細は展覧会公式サイトをご覧ください。

その他、おすすめの美術展

※日時など変更になる場合があります。おでかけ前に公式サイトなどで最新情報を確認してください。

サントリー美術館ポスター

歌枕 あなたの知らない心の風景

サントリー美術館
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2022_3/

日 時:2022年6月29日(水)~8月28日(日)
    10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)
    ※8月10日(水)は20時まで開館
    ※いずれも入館は閉館の30分前まで

休館日:火曜日
    ※8月23日は18時まで開館

※作品保護のため、会期中展示替えがあります。
※入館のための日時指定予約を行っておりません。ご希望の日時にお越しください。

『地球がまわる音を聴く』ポスター

地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング

森美術館
www.mori.art.museum

日 時:2022年6月29日(水)~ 11月6日(日)※会期中無休
    10:00~22:00(火曜日のみ10:00~17:00)
    ※いずれも入館は閉館の30分前まで

※事前予約制を導入しています。

◆ 読者プレゼント ◆

さて、ここでうれしいお知らせです。
今回は『蜷川実花 瞬く光の庭』の招待券を5組10名の方にプレゼント!
ぜひ、きものでお出かけくださいね!

下記リンクより、お使いのSNS経由にてご応募くださいませ。

◆Facebook
https://www.facebook.com/kimonoichiba/
◆インスタグラム
https://www.instagram.com/kimonoichiba/?hl=ja
◆Twitter
https://twitter.com/Kimono_ichiba

※応募期間:2022年7月25日(月)まで

撮影/五十川満

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