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緑コーデで出かけましょ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.51

緑コーデで出かけましょ 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.51

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新緑の季節になると絶対に着たいきものがあります。 それは、淡いグリーンの結城縮。これに合わせようと、今年はスズランの刺繍半衿を手に入れました。ほのかなグリーンと白い花の組み合わせがなんとも清楚でかわいらしいんです。

美点凝視

アフターコロナ、一番最初に何をしたいか考えたら、まずは堂々と口紅がしたいです。 これまでにしていたように、夏には鮮やかな赤や爽やかなピンクを、秋にはこっくりとした濃い赤やオレンジの口紅をして、帯締めをリンクさせるコーディネートを楽しみたいです。

緑コーデで出かけましょ2

ある日、仲の良い仕事仲間にアート書道の作品を見せてもらいました。

なめらかな筆致とカラフルな色使いで、どれもすてきなものばかり。
特に白い紙に赤い墨でするりと描いた一筆の線は、くるりとリボンの形になって、いかにもご縁がありそうな赤い糸に見えました。添えられた文字は「ご緑」。

ん? よくみたら「ご縁(えん)」じゃない!

「そうなんですよ、うっかりゴミドリにしてしまったんです」

それでも全体の雰囲気が漢字のまちがいを吸い取って、誰がどう見てもご縁そのもの。
「お祝(いわい)」と書こうとして「お呪(のろい)」になったとか、「お祝」が「お税」になっていたとか、そんな話を耳にしたことはありましたが、生で拝見したのは初めてでした。

久しぶりに人と会い、声を出して笑ったせいか、ゴミドリのインパクトにすっかりやられてしまったせいか、新緑の季節がやって来て、「緑がきれいだな」と思うたびに、赤いリボンの線の隣に添えられた「ゴミドリ」を思い出してしまうようになっています。日々の困りごとにため息をついても、今のわたしには思い出せばつい頬がゆるむゴミドリがある!

新緑の季節になると絶対に着たいきものがあります。

それは、淡いグリーンの結城縮。

これに合わせようと、今年はスズランの刺繍半衿を手に入れました。ほのかなグリーンと白い花の組み合わせがなんとも清楚でかわいらしいんです。

帯は濃い紫色の絞りの名古屋帯を合わせたり、こげ茶の織の名古屋帯を合わせたり。無地のきものなので帯は選び放題。

もう少し気温が上がったら、白地の帯にしてさわやかさを出す予定です。このときの帯締めは必ず白。これは見せたい場所(この場合は緑色)を引き立てる必須アイテムです。

上に羽織るのは、紗のもの。もちろんレースもいいですね。ハンドバッグではなく、あえて籠を持つのも初夏らしくてすてきです。

わたしの友人に「ミドラー」がいます。ミドラーとは緑色のものを身につけたがる人のこと。

以前一緒に新緑を見に鎌倉まで出かけたことがあるのですが、お互い緑色のきものを着ての待ち合わせになりました。どこで写真を撮っても新緑に同化してしまい、まるでわたしたちはカメレオン。新緑が背景になるんだもの、わたしたちは白の装いをすべきだったね、と笑いながら反省会をしたことが思い出されます。

山や庭園などでは背景の緑に紛れてしまいますが、カフェやレストラン、美術館などでの緑の装いは、この季節らしくてとても素敵。

これも何かのご縁です。ご一緒に、緑コーデで遊んでみませんか?

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