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コラム
虎寅コーデに挑戦！「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.43

虎寅コーデに挑戦！「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.43

2022.01.01

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縦縞（もしくはグレー）のきものに黒い帯をして、黄色い帯揚げをちらりと見せて、今年の干支コーデの完成です！誰も気づかないかもしれません。でも、誰が何と言おうとわたしは虎。

寒がりで、まるで猫のような犬が我が家におりまして、この季節はあったかい素材の服が欠かせません。

ネットで犬の服を何気なく見ておりましたら、「お正月に！」や「年賀状用に！」というキャッチコピーとともに「着たら虎になれる犬の服」があるのです。
うちの犬が虎の服を着ている姿を想像したら、まさしく虎の威を借る狐……。
とはいうものの、犬も虎になれる時代かと思うと、わたしも虎コーデに挑戦したくなってきました。

去年は黒いきものに黒い半衿をして黒毛和牛コーデをしておりましたが、さて、このたびはどうしたものか。

虎柄のスカーフを帯揚げや半衿にすることくらいしか思いつかなかったのですが、ヒョウ柄やゼブラ柄のスカーフは見かけても、虎柄ってなかなかお目にかかれないんですよね。
単色で見ても、元気いっぱいなイメージの黄色とかっこいい黒の組み合わせは、なんだかいかにも強そうで怖気づいてしまいます。

そもそも黄色いきものってあったかしら？黒いきものは持っているけれど、前回の黒毛和牛コーデで着たのと同じ……。
それじゃあつまらないなぁ、どうしようかなぁ。

そんな折、テレビで広島の情報番組をやっていて、頭に赤い模様がある鯉がいるというのを見たのです。その名も「赤ヘル」。鯉がちょうど赤いヘルメットを被ったように見えました。

そうか、広島は赤い鯉の土地柄。
そういえば広島には「カープきもの」という、球団を応援するファンが着るための、赤いユニフォームのようなきものがあるのです。

では阪神タイガースはどうだろう、そう思って調べてみると、阪神タイガースのユニフォームはシンプルなストライプ！

ちなみに2022年シーズンからホーム、ビジターともにデザインが一新されるんだそうですよ。ホーム（地元開催の試合）では白地にストライプ、ビジター（他の地に赴いての試合）ではグレー地にストライプ。元のデザインは太さ3ミリ、幅31ミリだったのが、新しいものは太さ2ミリ、幅25ミリになって、全体的に細いスタイリッシュな感じになるんだそうです。そしてチームカラーのイエローを文字や背番号などにポイントで使う感じです。

ということは、ストライプ（縦縞）でも「虎」になれる！

縦縞（もしくはグレー）のきものに黒い帯をして、黄色い帯揚げをちらりと見せて、今年の干支コーデの完成です！

誰も気づかないかもしれません。でも、誰が何と言おうとわたしは虎。

……今年もこんな感じで、ゆる～くきものを楽しんで参ります。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

エッセイスト・イラストレーターきくちいまさん

ほぼ一年中を着物で過ごし、着物ライフの楽しさをイラストとエッセイでつづる。執筆の他、着物や帯などのプロデュースも手がけ「着物は人生に寄り添うもの。おしゃれで楽しくて、お守りのような存在の布になれたらと願い、ものづくりをしています」と語る。著書に「大人かわいい着物読本」(主婦と生活社)、「おとなのときめきふだん着物」(河出書房新社)、「買ってはいけない着物と着物まわり」(実業之日本社)などがあり、最新刊は「東京着物さんぽ」(GB)。山形県在住で、子3人犬1匹の母でもある。