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きものにアクセサリー 「台湾きものスタイル考」vol.12

きものにアクセサリー 「台湾きものスタイル考」vol.12

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きものは、きものと帯、半衿と帯周り、足袋と草履、バックだけでも十分に存在感があります。ですが、きもの周りのアクセサリーは「遊び」としておもしろい魅力を与えてくれるのも事実。どこに行くか、誰と行くか。どんな自分を演出したいか。自在に楽しめるのが一番だと思っています。

着物を非日常にも日常のひとコマにも

着物仲間で集う機会ではない時に、個々がそれぞれ着物で出かける最初に感じる不安や恐れは、体験していくことでしかなくなることはありません。その中で、「あ、意外と大丈夫だったな」という安心感が次に繋がっていくのです。

突然ですが、みなさまはきものにアクセサリーはつけますか?

これまた、意見が分かれるところでしょう。
お茶の席などでは華美さはタブーだったり、万が一落ちて茶器などを傷をつけてはいけないとの理由で許されてはいません。

ですが普段きものや略礼装では、私はトータルなバランスで着姿にマイナスにならないと判断した場合はつけることも多いです。

先日、着付け講座の生徒さん(70代)に「昔のきもののイメージと違いますね」と、少し驚かれたので今回はこちらの話題を。

お気に入りのパールイヤリング

カジュアルな装いには使用。

私はパールのイヤリングで顔回りに光を足すのが好きで、カジュアルな装いには頻繁に使ってきました。

つける基準は、きもの姿を邪魔しない、ないよりあることでよりトータルで素敵になる、ということ(あくまでも主観です)。

つける場合は、

・着物がシンプルな時

・髪をUPにしている、または耳の出るショートの時

・顔まわりに光、華やかさの欲しい時

です。

パーソナルカラー診断でウィンターの私は、白でもパキッとした光沢のある白が得意。
特に加齢とともにくすみがちな肌色を、このパールの光沢と白がカバーしてくれていると分析しています。

つけない場合は

・髪ときものとイヤリング(ピアス)が喧嘩したり、お互いの良さを台無しにしてしまう場合

・品がなくなると感じる時

です(私の個人的感覚なので、いつもつける事を否定するものではありません)。

材質やデザインはさまざま、石、プラスチック素材、レース編み、また折り鶴や水引きなど和を感じさせるものなどにもチャレンジしましたが、素材よりも全体の色柄との調和が取れていることが大事なように感じました。

素材より全体の色柄との調和が取れていることが大事。

和紙イヤリング(ピアス)との出会い

先月、日本の福島にある匠工房という和紙アクセサリーの会社からご連絡があり、きもの姿に試して欲しいと商品を数点提供していただきました。

デザイナーさんであり代表の木村さんの手がける作品とも言える商品が届き、実際に目にした時は、華やかすぎてシンプルなものを好む私には似合わないかな?と不安になったのが第一印象でした。

黒に金箔のシックで華やかなイヤリング

ですが、「着物姿に」というコンセプトで作られたそのイヤリングを眺めていると「ああ、美しいな」「このイヤリングが映える着物は…」と、手持ちの着物のコーデが次々と湧きあがってきたのでした。

黒に金箔のシックで華やかなイヤリングに、ちょうど手持ちのきものの中にピッタリな付け下げを見つけ、トータルでイヤリング主体のコーディネートが完成しました。

半衿も、しばらく使っていなかったものを奥の方から引っ張り出しつけたのですが、まるでこのイヤリングときものとのコーデに合わせて購入したかのようにぴったりで、驚きました。

垂れ下がるタイプのものは、きものの衿を傷つけてしまう恐れもあり、敬遠していましたが、姿勢を良くして衿に当たらないよう気をつけることで、首が長く見える姿勢を保てるので、それもまた良しと思えたのが新たな発見でした。

首が長く見えるので、それもまた良し。
つける方が華やかさが増す。

イヤリングをつけた場合と、つけなかった場合の写真を並べると、完全に好みですが、つけた方が華やかさが増すことは確かなようです。

シンプルに装いたい時、華やかさが欲しい時、その時々で使い分けるのが良いのではないでしょうか。

ちょうど季節はパーティーシーズン。

クリスマス、年越しと、華やかな装いが似合う季節です。

華やかな装いが似合う季節です。

きものアクセサリー

きものアクセサリーとして昔から定番なのが「根付け」ですが、私がその存在を知ったのはイギリス旅行の際、大英博物館の展示で目にしたのが初でした。

何故か私のきもの周りのモノやコトは、日本よりも海外から入ることが多いのも不思議なご縁だと思います。

初めて目にしたそのアンティークの根付けはとても大きく感じ、恥ずかしながら当時、その価値の高さに気づくことができませんでした。
ファッション的にも自分の着こなしに合うものではなかったのでそれほど惹かれることはなく、そのおかげで散財を免れた…と、今になって胸を撫で下ろしています。

最近ではカジュアルシーンに、季節ごとや、ご自身のテーマを決めるなどして、さりげなく可愛らしい根付けをされているかたを見ると「ああ、おしゃれだなぁ」と感じるようになりました。

「きもの沼」と呼ばれる奥深さ。

きものを着始めてからの年月により、好みや興味、物欲の方向は変わりつつあります。

私が根付けやお扇子、羽織紐などに気が向くのはまだこれからなのかと思うと、「きもの沼」と呼ばれる奥深さがますます楽しみな反面、恐ろしくもあります(笑)。

顔まわりは髪型、簪や髪飾り、イヤリングやピアスそして半衿で。
帯周りは、根付け、お扇子、帯締めや帯留め、羽織紐。
足元は、足袋、草履と…

きものでも洋服と同じく、個性を表現するアイテムがとても豊富にあることをあらためて実感します。

はこせこ再び

きもの姿を備忘録としてInstagramに。

私は自身のきもの姿を、備忘録としてInstagramに投稿しています。

それをご覧いただいているからか、通販でたびたびお世話になっている大阪の月輪屋さんは、私が注文したきものや帯と一緒に、まだ私が開いていないきもの小物の扉をそっと開けるかのようなプレゼントを同梱してくださることがあります。

南国ですので羽織をあまり着る機会がない中で、レース羽織や薄羽織に手を出し始めたタイミングで、ビーズでできた羽織紐を同梱して下さいました(上の写真のもの)。

はこせこボンボン

そして、根付けが付いていない着姿を知ってか知らずか、先日届いたのはこちらの「はこせこボンボン」。

七五三のお祝いの装いや、花嫁姿には覚えがありましたが、今はこんなふうに普段きもののおしゃれに、そして実用を兼ねて使えるのですね。

ようやくマスクを外す機会も増えてきましたので、新調した口紅を忍ばせたいと思います。

キラキラするものはテンションを上げてくれますね。シンプルで渋い着物の時の良いアクセントにもなっています。

「遊び」として面白い魅力を与えてくれる。

きものは、きものと帯、半衿と帯周り、足袋と草履、バックだけでも十分に存在感があります。

染めや織りの技法は、どんなアクセサリーにも負けない輝きを放ち、時に下手なアクセサリーをつけることでその価値が下がりかねないため、注意も必要です。
控えた美は世界的な評価も高く、私自身シンプルな美に強く惹かれています。

ですが、TPOとトータルバランスで見るきもの姿に、きもの周りのアクセサリーは「遊び」としておもしろい魅力を与えてくれるのも事実。
どこに行くか、誰と行くか。どんな自分を演出したいか。自在に楽しめるのが一番だと思っています。

思い出のブローチ

思い出のブローチ。

「アクセサリー」にもさまざまなものがありますが、私が記憶上一番最初にプレゼントされたアクセサリーは、渋い七宝焼きのブローチでした。

それは、すでに他界して12年となる実父の思い出とセットで甦ります。

小学生になった私は1年だけ、父が勤務する学校に通いました。
ある日のお昼休み、白いタートルのセーターに赤いチェックのスカートで校庭に駆け出す私を、そこでは「先生」と呼ばなければならなかった父が呼び止めたのでした。

背が高かった若かりし頃の父は、学校に来た業者の方から購入した”それ”を、私の白いセーターの首の下につけ、優しい笑顔で職員室に戻っていきました。

”それ”こそが、渋い七宝焼きのブローチ。
当時の私は七宝焼きにもブローチにも興味はなく、さらにそれは子供らしくもない渋い緑にお花の模様のブローチでした。

家に帰ると母から「どうしたの」と聞かれ、夕食時には私だけにつけられたブローチの話題で、賑やかだったのを覚えています。

自分だけが特別なように感じました。

私はなんだか自分だけが特別なように感じて、そのブローチが好きになりました。
とはいえ小学生にはふさわしくない面持ちということもあって学校につけていくわけにもいかず、収まるべき桐の箱に入れられ、母の箪笥の片隅にしまわれたのでした。

小学生っぽくないあのブローチをつけて鉄棒をした日以来、しばらく思い出さなかったのですが…今なら帯留めとして使えそうです(残念ながら、その所在は不明のままなのです)。

きものの楽しさは無限大。

アクセサリーをジャラジャラつけるタイプでもなく、貴金属を収集するタイプでもない私ですが、きもの周りに映えそうなものにはついアンテナが立つようになりました。

きものの楽しさは無限大。
ファッションやおしゃれは自己表現。
これからも、自分の好きを追求し、表現していこうと思います。

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