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”偏愛アイテム”は常に一軍で 「ご自宅訪問!みずのの着物収納」vol.1

”偏愛アイテム”は常に一軍で 「ご自宅訪問!みずのの着物収納」vol.1

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Instagramで着物スタイリングや日常のひとこまを発信し、着物ファンから絶大な支持を受ける着付け講師・みずのしのぶさん。今回はなんと、そんなみずの先生のご自宅訪問が実現!フォロワーが気になる”みずのワールドな空間”や収納テクニック、“着物観”に至るまでを全3回にわたってお届けいたします。

みずのしのぶの秘密の小枝

インスタグラムで大人気のあの方が、東京丸の内KITTEにご登場! 5月に開催された「2021 日本最大級 きもの展示会」。今回は即日予約が埋まってしまったという大人気イベント、着付けポイントレッスン「みずのしのぶの秘密の小技」をレポートいたします!

フォロワー2.6万人の着付け講師

みずのしのぶ先生

2013年から愛知県名古屋市で「みずのしのぶ着付け教室」を主宰しているみずの先生は、ご自身のスタイリングや日常生活を発信するInstagramで人気を博す“インスタグラマー”でもあります。

フォロワーはなんと、2.6万人(2021年12月現在)。その影響力は計り知れず、各地で登壇されるイベントの予約が一瞬で埋まってしまうほど。

この度「きものと」では、そんなみずの先生のご自宅訪問が実現!!

収納を披露するみずの先生

雑誌『美しいキモノ秋号』で特集が組まれ、同誌のYouTubeチャンネルで着付け動画を配信するなど、ますます活動の幅を広げて、ご自身の魅力もより一層研ぎ澄まされているみずの先生。

Instagramには、そんなみずの先生に愛された着物や帯・小物たちが、ホテルライクな空間に居心地よさそうに並んでいる様子がアップされています。

今の収納方法に到るまでの道は?
譲れないポイントは?

着物ファンにとって切っても切り離せない「着物収納」を通して、多くの方が憧れるみずの先生のライフスタイルや着物観に迫ります。

年2回、一軍アイテムを見直す

久米島紬を着た美しい佇まい

名古屋の閑静な住宅街にあるみずの先生のご自宅へ伺うと―

「はーい、どうぞー!」のお声とともに、スタイリッシュなエントランスにて出迎えてくださったみずの先生。

久米島紬の着物に、帯締めの色味がキリリと効いています。

久米島紬に染めの名古屋帯

帯は、みずの先生のInstagramによると…「おまえはどこのわかめじゃ帯」。

ダークトーンを基調としたスタイリングやきりりとした涼しげな目元から、常にクールでハンサムな印象のあるみずの先生ですが、実は京都のご出身で、はんなりとした口調とエスプリの効いた会話がとても魅力的。

可愛らしいお声とお人柄に心がほぐれ、すっかりみずの先生の虜になってしまいます。

「私はあんまり黄みがかった茶色が似合わないので、黒茶色やといけるかなと思ってこの久米島紬を選んだんです。

民芸調の着物をほっこり着たいんですけど、私には難しいから、昭和の着物雑誌のハーフモデルさんが着たはるイメージで。

外資系のメイク道具を使ってちょっと化粧濃い目に、だけど着物は“こざっぱり”着るのが好きですね」

久米島紬の単衣きもの
着物の時は髪を纏めて

ヘアスタイルは、ふんわりと優雅に。

珊瑚の簪もみずの先生こだわりのアイテムです。

現在はもっぱら紬に夢中だというみずの先生。
「本当に好きなものだけしか置かない」をモットーに整えられた着物部屋が…こちらです!!

みずの先生のお部屋の全体像

アンティークの電傘(写真左上)がお部屋全体を明るく照らし、右手にはご自身が愛する帯や小物を収納する棚がシンデレラフィット。着物を広げられる広い作業台(中央奥)に、手前のミシンは帯づくりの講座もされるみずの先生ならでは。
姿見の左手にはオープンな収納棚が備え付けられており(写真後掲)、ふわりとカーテンがかかっています。

着物好きには堪らない、夢の空間。
小物ひとつとっても収納棚にしても、昔から“古いもの”が好きだったというみずの先生らしいこだわりが詰まっています。

着物を着はじめるずっと前から集めていらっしゃったアンティークの”電傘”。

天井部分がちょうど斜めになっている位置のため、「施工会社につけられないと断られたので、自分でつけました」とさらり。先生らしいです。

アンティークの電傘はご自身でつけたのだとか
可愛らしいアクセサリー置き場

ちょこんと可愛らしいアクセサリー置き場。

犬好きのみずの先生のお部屋には、わんちゃんの小物が多数ありました。

驚くべきは、みずの先生が好きなものがたくさん集まっているのに、ちっともお部屋が散らかっていないこと。それぞれがあるべき場所に収まっていて、不思議と物が多いように見えないのです。

好きなものに囲まれて過ごしたい。だけどむやみやたらに集めると、どんどんものが溢れてお部屋がごちゃごちゃしてしまう……。そんな悩みを抱えている方は、着物好きでなくとも多いのではないでしょうか。
みずの先生はどのように、自分の側に置くものを取捨選択されているのでしょう。

「今はもう気分じゃないなと思ったものはとにかく部屋から出して、クローゼットには入れない。常に“一軍”しかこの部屋に置いていないんです。
6月と12月の年2回大掃除して、その時『これは違う』と思ったらフリマに出す用の箱に入れて別の場所に移動させます」

いつも自分の好きなものと向き合っている
備え付けの収納棚前にて。高い位置のハンガーポールは着物ユーザー納得のもの。腰紐をかけたフック・傘のセレクトなどその他の細部にもこだわりが垣間見える

「着物にしても今は紬ばかり持っているけど、そのうちまた好みは変わっていくんやろうなって思ってます。もしかしたら訪問着ばかり着る時期が来るかもしれないし、全然定まっていないです。
試さな分からへんから、その時に好きやなと思ったもの、テンションが上がるものを着る。逆に趣味じゃない着物があると、帯にしても小物にしても全てが“ブレて”しまいますね」

自分の心に耳を澄まし、胸がときめくものだけを残す。
それがみずの先生流のシンプルかつ最も重要なポイント。

そもそも、みずの先生が着物に興味を持ったきっかけは「真っ平らになるから片付けやすそう」だと思ったこと。身の回りの整理整頓が得意なみずの先生の着物ライフはそもそも、“収納”からはじまったのです。

私は自分の“お手伝いさん”

本業の着付け教室に加え、全国を飛び回って催事などで積極的に講習を開いている売れっ子のみずの先生ですが、掃除や片付けはいつも必ずご自身で行っています。

棚の中も整理されているため、どこに何があるかを把握できる
どこに何があるかは一目瞭然。帯づくりの素材や裁縫道具も、用途ごとにさっと取り出せる

「自分の好きなものだけに囲まれてストレスなく暮らしたいので、そのためには時間も手間も惜しまへんっていうのが好きなんやと思います」

みずの先生は、ご自身のことを“自分のお手伝いさん”と表現します。

「着物を好きになったんやから、しゃあないですよね。最初は長襦袢も襟元しか見えないと思って洗濯機でガーッと洗ってましたけど、やっぱり肩山に折り目がついているかついていないかも着こなしに響いてくる。折り目も着付けの一部だと思うんです。

だから最近は折り目だけでもちゃんとアイロンをかけてます。長襦袢はハンガーに掛けていますが、やっぱり畳まなあかんかもなと思ったりしますね」

アイロンは棚後ろのコンセントから繋ぎ、すぐ使えるように
アイロンは棚後ろのコンセントから繋ぎ、すぐ使えるように

そう。完璧に収納術をものにしているように見えるみずの先生も、意外なことにまだまだ色々と探求中なのです。

折り目も着付けの一部。長襦袢の肩山もしっかりとアイロンをかけている

自分の好きなことだからこそ、文句を言わず黙々と片付けもするし、アイロンもかける。研究熱心でとことんストイックなみずの先生ですが、ちゃんと「抜くところは抜く」を意識されています。

好きなことを長く続けていくために大事なのは、無理をしないこと。
着物のお手入れもちょっとしたシミ抜きなら自分でやるけれど、あとは馴染みの悉皆屋さんにお任せしているそうです。

一度家に持ち込むとなかなか外に出す気になれないから、リサイクルショップでアンティーク着物を購入したらお店から直接悉皆屋さんに送ることも。またなるべくシンプルな着物を選んで、あまりお手入れが必要のない帯でコーディネートを回すというような工夫も意識しているといいます。

着物はおよそ単衣と夏物それぞれ15枚ほどに厳選
こちらが左手の棚の全容。お洋服は、アンティークのスーツケース右側の一列のみ。シーズンごとに入れ替える

無理をしないのは、仕事も同じ。
着物ユーザーから一心に注目を浴びているみずの先生だからこそさまざまな仕事の依頼が入ってきますが、やりたくないことはハッキリと断ります。

「着付け講師だからといって、着物全般を知ってなあかんっていうわけでもない。着付けのプロではいたいけど、着物の歴史や素材だったり、コーディネートのことはその道のプロに任せるべきだと思うので、ご質問をいただく生徒さんにも着付け以外のことはあまり偉そうに言わないようにしています。
できないことや、やりたくないことを無理してやらないことが長く続けていくコツなのかな」

そんな軽やかな心持ちで日々を過ごすみずの先生のお部屋で、ひときわ目を引くものがありました。

壁に貼ったお子さんの絵

それは、額縁に飾ったお子さま方の絵。

子どもがいるとなかなか部屋が片付けられなかったり、やたらとカラフルでポップなおもちゃがおしゃれな部屋を台無しに!なんて悩みはつきもの。みずの先生もかつては、子どもたちが寝静まった後に必死に片付けをし、次の日にまた散らかって…ということを繰り返していたそう。

「どうせ子どもたちが朝起きてきたらすぐ散らかりますから、今思えばもったいない時間を過ごしたなぁと。片付けのことばっかり考えずほっといたら、その時間イライラしなかったなと。思い通りにならない時もそれはそれでいいと思います」

笑顔が素敵なみずの先生

大切なのは、いかに自分が心地よく過ごせるか。
好きなものやことには手間ひまをかける。でも無理はしない。

みずのしのぶ先生の人生の指針ともいえる基本ポイントをおさえたところで…
次回からはより詳しく、着物の収納術をお聞きしていきます!お楽しみに!

文章/苫とり子

ものをグルーピングするみずの先生

着付け講師・みずのしのぶさんのご自宅訪問シリーズ第二弾!アンティークとスタイリッシュが同居する”みずのワールド”な空間をみせてくださった前回に続き、今回は、みずの先生の具体的な収納への考え方についてお聞きしました。着物収納に限らず参考になるポイント多数、必見です!

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