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藤娘きぬたや特集 − 総絞りは20万粒。圧倒的な存在感を醸し出す絞り染めの名門

藤娘きぬたや特集 − 総絞りは20万粒。圧倒的な存在感を醸し出す絞り染めの名門

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奈良・飛鳥時代に中国から伝来して以来、長きに渡り、成長・発展を遂げ続けている伝統技法「絞り」。今回は、京都きもの市場・銀座店で特集された「藤娘きぬたや」展にて、絞りの名門「株式会社藤娘きぬたや」営業部の南部和宏さんにお話しを伺いました。

奈良・飛鳥時代に中国から伝来して以来、長きに渡り、成長・発展を遂げ続けている伝統技法「絞り」。

今回は、銀座店にて特集された、その絞りの名門「藤娘きぬたや」をご紹介いたします。
レポーター/池田千恵里趣味は書くこと!という着物愛好家。国内外において着物PRの経験を持つ。英国駐在時には着物でのお出掛けを常とし、自身の着姿をSNSやYouTube 等でも発信。また、ロンドンで着物ファッションショーを開催するなど、和装のPRに務めている。
私が初めてきぬたやさんのお着物を拝見したのは、かれこれ20年前。友人の結婚式の参列者の中に、絞りのお振袖を着た方がいらっしゃいました。聞くときぬたやさんのお品とのこと。

それはそれは細かな絞りで描かれた花が、お袖や裾いっぱいに広がったデザインだったように思います。

それ以来、独特の風合いが醸し出すその高級感に憧れ、じっくり拝見する機会をと思っておりましたので、今回の銀座店での特集を、嬉しく拝見させていただきました。
今回は株式会社藤娘きぬたや・営業部の南部和宏さんにお話しを伺いましたよ!贅沢な総絞りの逸品も拝見させていただきました。

作品を拝見する前に、先ずはまだ糸で縛られ、絞った状態のお生地を見せていただきました。括った糸を解いてゆくと染め抜いた白が出てきます。

この作業が、左下「ほどき」と呼ばれる製作過程。生地を小さく摘み、糸で括った一粒一粒を、丁寧に解いてゆくという作業です。
緑色の反物と比べると、この過程では随分と幅が狭いですね!上の方の、より幅の狭い部分がまだ絞られている状態で、下の方が解かれた状態。この後「湯のし」という蒸気を当てる工程を経ることで、通常の幅になるのだそうです。
ちなみにこちらのお柄は、代表的な絞りと言われる「鹿の子」。絞ることでできた四角い模様が子鹿の背中の模様に似ている事から名付けられたのだそう。
こうして製作されたお品の数々。ひとくちに鹿の子と言っても、沢山のお柄がありますね!
以下のお着物の左側にあるものは、鹿の子とはまた違った技法のようです。ということで、南部さんに説明していただきました。
こちらは「杢目絞」というのだそう。木の寿命がとても長いことにあやかり、無病息災を願うという、縁起の良いお柄なんだとか。

今回初めて拝見しました。濃い紫のものが解く前のもの。こちらは更に細いですね!

こんな絞りもありましたよ!こちらはその名も「竜巻絞」。大胆な縦のラインが独特です。

こんなコーディネートはいかがでしょうか?細かな鹿の子で描かれた辻ヶ花。沢山絞られていてなんとも贅沢。

可愛い猫ちゃんの帯も合いますね!
こんなお柄も。独特の立体感は絞りならでは。
さて、いよいよ総絞りの逸品です。「絞り」は、職人が生地をつまんでは括り、つまんでは括りを繰り返し、丹念に一粒一粒を絞って作られます。

その中でも、生地全てに絞られたものは「総絞り」と呼ばれ、その粒の数は1つの振袖の場合、なんと約20万粒以上にもなるそうです。


こちらは同じ鹿の子でも、綿ではなく絹で巻くことで、より細かな絞りをつくっているという「疋田絞」。

とにかく緻密で、細かな絞りが整然と並んだ様は圧巻です!染められた、いわゆる頭と呼ばれる部分が小さいため、遠目から見ると白っぽく見えますね。これこそがきぬたやさんの誇る職人技の証なのだそうです。

「45粒のところを47粒にと、細かさを突き詰めているのがきぬたやなんですよ。これぞ最高峰です!」と南部さん。

無地のように見えますが、近くで見ると、はっきりと頭が並んでいるのが見えますね。もうびっしりと詰まっていて驚きます。こちらも大島紬のお品。

こんな帯と合わせて、究極のコーディネートを纏ってみてはいかがでしょう。
こんなスタイリッシュな抽象柄も。
絞りのお着物というものは、何故だか強く記憶に残るもの。着る方の存在感を引き出す力があるように思います。長く愛され続けている理由は、そんなところにあるのではないでしょうか。

熱く「きぬたやとは」を語って下さった南部さん、大変勉強になりました!どうも有難うございました。
セールは期間限定の為、予告なく終了・変更の場合がございます。何卒ご了承くださいませ。

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