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梅染友禅・梅染師 山本晃さん 【YouTube連動・インタビュー編】 「紗月がゆく!祇園・人気芸妓が訪ねる京の技」vol.1-1

梅染友禅・梅染師 山本晃さん 【YouTube連動・インタビュー編】 「紗月がゆく!祇園・人気芸妓が訪ねる京の技」vol.1-1

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祇園甲部の人気芸妓・紗月さんが“伝統工藝師”の作業場を訪ねるスペシャル企画がスタート!YouTube動画公開と連動して「きものと」では、テキストとお写真でもお楽しみいただけます(動画撮影のオフショットも!)。記念すべき第1回目は、梅染友禅作家・山本晃さん。半世紀に渡る創作の原点と、未来に繋げたい職人技に迫ります。

約350年続く花街文化継承のために【YouTubeリンク】

祇園甲部の人気芸妓・紗月さんが、京都が誇る“伝統工藝師”の作業場を訪ねるスペシャル企画番組「紗月がゆく!祇園・人気芸妓が訪ねる京の技」が、京都きもの市場の公式YouTubeチャンネルにてスタートしました!

この番組では、前半に日本の伝統産業に携わる職人さんと紗月さんがものづくりについての熱いトークを展開。後半では、実際に工藝師の作業を紗月さんが体験している模様を動画でお届けします!

芸妓や舞妓が舞や唄、三味線などの伎芸でお客様をもてなすお茶屋が立ち並ぶ非日常の世界、“花街(かがい)”。
そこで生活する芸舞妓たちが身につける着物や、おこぼ(下駄)・簪などの装飾品、ヘアスタイルを崩さないための高枕など、独特の文化を支える職種は100を超えるといわれています。しかしながら、時の流れともにどの伝統工藝でも後継者が減っているのが現状です。

約350年続く花街文化を支える職人さんたちの匠技を紹介することで後継者を発掘し、この先も絶えることない花街文化を継承していくお手伝いが少しでもできればー
そんな紗月さんの思いから、この企画ははじまりました。

八坂の塔をバックに撮影!
撮影当時は2月。まだ寒いのでショールをふわり

京都きもの市場の公式YouTubeチャンネルで番組を配信するとともに、「きものと」では、文章で読みたい方のために番組内容と連動した連載をスタートします。

MCは7年連続ナンバーワンの人気芸妓・紗月さん

人気芸妓の紗月さん

この番組でMCを務めるのは、京都最大の花街「祇園甲部」で芸妓として活躍する紗月さんです。1994年生まれの紗月さんは、中学2年生の頃に訪れた祇園で芸舞妓の美しさに魅せられ、卒業後に屋形「つる居」で仕込みさんからスタート。

2011年に舞妓デビュー。
愛らしいルックスと親しみやすい人柄で人気を博し、わずか2年で年間売り上げトップの芸舞妓に贈られる「売花奨励賞1等賞」を受賞しました。そして2015年2月23日に衿替えをして芸妓さんに。
2017年に自前芸妓として独立後も売花奨励賞一等賞を獲得し、2019年に前人未到のV7を達成されました。また、芸舞妓の魅力を伝えるため、積極的にメディアにて活躍中です。

紗月さんが着用された江戸紫色の着物

お母様の影響で、幼い頃から着物好きだったという紗月さん。

撮影時には芸妓の衣裳ではない、“そんなり姿”で登場。
普段の着物選びにも紗月さんのセンスが光ります。

凛と立つ紗月さんが身につけているのは、江戸紫、はたまた瑠璃色のようにも見える地色が美しい御所解文様の京友禅の着物。

紗月さんが着用された江戸紫色の着物
この日のために初おろしした西陣帯

そしてなんと、この日のために明るい彩りの西陣帯を初おろししてくださいました。
活発なお色味が、コロコロとよく笑う紗月さんの人柄にぴったりです。

実は帯締めは二色お持ちくださっていた紗月さん。「こっちかな、それともこっちかな」と選んでくださいました。
ちなみに使わなかったもう一色は、いかにも花街らしい明るい橙色。
はんなりとしたコーディネートも魅力的でしたが、ここではあえて、春の芽吹きを感じさせる萌黄色をセレクトいただきました。

「自然な布を植物染料で染める」梅染友禅作家・山本晃さんの“創作の原点”

梅香房の入り口

記念すべき第1回目に訪れたのは…
手描き友禅60年以上の実績を持つ「梅香房」梅染友禅作家・山本晃さんの元。

「梅染。以前から興味があったので、ぜひ行ってみたいと思います!」

紗月さんが元気よく暖簾をぐぐると、山本さんが笑顔で迎えてくださいました。

笑顔が素敵な山本晃さん

1943年、兵庫県に生まれた山本さんは15〜16歳の頃に友禅作家・天野木仙氏に師事。
最初は友禅作家を志していたわけではなく、幼い頃から絵を描くことが好きだったことから下絵を描くこともできる友禅の仕事を選んだそうです。

しかし、京都は分業制だったため、自分の好きな絵を描くことからできず、10年修行した後に独立して下絵からすべて自分で作業できる道を選んだ山本さん。中でも、天然染料を使う梅染に惹かれたそう。
そこから半世紀以上、山本さんは梅染友禅作家として活躍されています。

お話にじっくりと耳を傾ける紗月さん
お話にじっくりと耳を傾ける紗月さん

呉服屋さんが、着物を店に並べたら即完売というほど、着物産業が盛んだった頃。
「いくら置いても3日間のうち初日でなくなったとか、そんな時代でしたね」
山本さんは昔を振り返ります。
その後、着物が売れない時代に突入しても、山本さんは逆境に負けずに己の道を進んできました。

「ものづくりの質を高めたり、伝統的な模様の中に自分の感性を入れたりしながら創作性を求めて今日までやってきました」

そんな山本さんが一番時間を入れて制作したもの。
それは、35年前に初めて梅染で作った総付け(=総柄・無地場のない模様付け)の着物です。山本さんはそんな貴重な作品を実際に見せてくださいました。

山本さんが披露してくださった総付けの着物

図案から完成まで、お弟子さんに協力してもらいながら約3か月かけて制作した手描きの梅染友禅。梅の古木で染めているため、美しいセピア色です。
全盛期の頃に「ぜひいただきたい」という申し出もいくつかあったそうですが、山本さんは「これだけは」と現在まで自身の手元に残しておきました。

セピア色の素敵な着物に感動する紗月さん

梅染の歴史は飛鳥時代までさかのぼるといわれています。
友禅作家の道に進んだ頃、化学染料では絹や蚕さんに申し訳ないとの思いを抱き、山本さんは「いつかは植物染料でやってみたい」と願っていました。そして、古代染色を2番目の師匠から教わり、自然の布に自然の染料を使う制作をスタート。

それが、山本さんの創作の原点です。

山本さんの作業場
「自然な布を植物染料で染める」
梅の古木

梅染というと“花”をイメージしますが、実は木を時間をかけて煮込み色を出しています。

1990年の着物雑誌には、樹齢100年以上の木で染めた作品が掲載されていました。
興味深く話に聞き入る紗月さん。
山本さんは、「木の種類と樹齢で色が変わるんですよ」と丁寧に説明してくださいました。

次回予告 ~梅染・体験編~

つづく後半では…
実際に紗月さんが、山本さんから梅染の方法を教わって体験!
熟練の山本さんをうならせる仕上がりに?!
4月の公開をどうぞお楽しみに!

味がある梅染着物に紗月さんも感動
味がある梅染の着物に紗月さんも感動!
貴重なお話をありがとうございました!
貴重なお話をありがとうございました。
一般の方の梅染体験も行なっています
「梅香房」では一般の方の梅染体験も行なっています

◆紗月さんファン必見!動画撮影オフショット

ロケ前のリハーサルに臨む紗月さん
ロケ前のリハーサルに臨む紗月さん
新型コロナウイルス対策のため、直前までしっかりマスク!
新型コロナウイルス対策のため、直前までしっかりマスク!
山本さんの作業場をチラリ。後ろの西陣帯が映えます
山本さんの作業場をチラリ。後ろ姿に西陣帯が映えます
終始素敵な笑顔で場を和ませてくれた紗月さん
終始素敵な笑顔で場を和ませてくれた紗月さん
2月はちょうど東山の梅が綺麗な時期でした
2月はちょうど東山の梅が綺麗な時期でした
紗月さんも自然と笑顔になります
紗月さんも自然と笑顔になります
カメラマンのリクエストに答え、八坂の塔を背景にショールをふわっと
カメラマンのリクエストに答え、ショールをふわっと
そして、くるり
そして、くるり
素敵すぎる笑顔です♡
素敵すぎる笑顔です♡

文章/苫とり子
撮影/弥武 江利子

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