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 着物も洋服も、どちらも本当の自分 「花柳凜の、和でも洋でも美しく」vol.4

着物も洋服も、どちらも本当の自分 「花柳凜の、和でも洋でも美しく」vol.4

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洋服での季節の楽しみはデザインや素材にありますが、季節ごとの着物選びに大切なのは“柄”。ものによっては一年に数日しか楽しめない貴重な絵柄の着物もあります。柄を大切にする着物の価値観と季節のつながりは、とてもロマンティックですよね。今日は私の「着物選び」と「洋服選び」についてお話しいたします。

「洋服選び」「着物選び」季節とのつながり

日本の四季と「洋服選び」「着物選び」

みなさんは冬が好きですか?
密な生地のなめらかな表面が美しいコートや、モコモコでかわいらしいニット、繊細なディテールのブーツ。
冬のファッションは魅力的なアイテムが盛りだくさんでワクワクしますよね。

また同時に、冬になると夏の軽やかで清々しいスタイルも恋しくなります。
日本の美しい四季は、「洋服選び」にその季節だからこその楽しさを与えてくれます。

そして「着物選び」にも、素材やデザインを重視する洋服選びとはまた違った楽しさがあります。

それはやはり…あの絵画のような美しい絵柄。

自然と調和した古風で上品な絵柄は、季節のうつろいとともにある着物選びのもっとも大切なポイントだと思います。

「先取り」で楽しむ季節の柄

着物の四季をあらわす代表的な絵柄といえば、やはり草花模様でしょうか。
季節の柄を取り入れるのは「ぴったりの時期からちょうどひと月ほど前」が理想といわれます。

自然と調和した古風で上品な絵柄

私が毎年、12月頃から1月にかけて着るのを楽しみにしているのは、白地にところどころ金刺繍の縁取りが施された、華やかな梅柄の小紋です。

お正月には、着物のなかでももっとも美しく豪奢な訪問着や付け下げを着る機会が多く、1月中もそのような華美な装いに心踊る着物選びの機会が増えますが、私は毎年それらよりも、この梅柄の小紋を着ることを楽しみにしています。

着ているだけで、梅の甘く愛らしい香りを感じるような上品で可憐な柄行きや…。

梅の甘く愛らしい香りを感じるような上品で可憐な柄行き
柔らかでふっくらとした光沢のある白地

白梅の高貴さを引き立たせる、やわらかでふわりとした光沢の白地が大のお気に入りです。

お正月の初詣にも

【着物選び編】季節ごとの絵柄や色味

帯は、白地によく映える、黒地に蝶の帯。
「梅花のまわりをひらひらと舞う蝶々」をイメージしたコーディネートです。

梅の花の周りをひらひらと舞う蝶々をイメージ

季節の柄は数えきれないほどありますが、特徴的な季節ごとの絵柄や色味を簡単にまとめてみましょう。

◆初春

花なら梅や桃、その他にもおめでたい事柄にふさわしい鶴・亀・松竹梅・御所車・打出の小槌・鯉・龍・兜など。

◆春

明るいペールトーンや、春霞を思わせるぼかしなどが春らしい。
柄は、桜・桃・椿・牡丹・若竹など。

◆夏

涼しげな印象のシャーベットカラーなどで軽やかに。
柄は、菖蒲・紫陽花・笹・流水・柳・鮎など。
あえて(冬をイメージさせることで)目に涼やかな雪輪などで遊ぶのも◎。
生地感は爽やかな雰囲気のシャリッとしたもの、夏の盛りには、絽・紗・麻などの素材を。

◆秋

秋の空や紅葉になじみのよい渋い色味として、深い赤や茶。
ザラリとした質感も秋らしく、柄はもみじ・桔梗・菊・萩・山茶花・すすきなど。

◆冬

重みや格調のある地模様(地紋=生地の文様)で、パキッとした原色の無地など。
深い赤・紫・緑などメリハリのある色合わせや、あえて雪を思わせるような真っ白の綸子も。
年末はフォーマルな席も増えるので、松竹梅や南天・椿・梅・万寿菊・雪。
短い期間のお楽しみですが、クリスマスモチーフのものも。

年に一度の桜や雪景色を待ちわびるように。
着物選びにおいても、年に一度訪れるその季節にふさわしい絵柄を選ぶのは、とても豊かで風情がありますよね。

吉祥柄・有職文様・四君子など、季節を気にせず通年楽しめる柄があるのもまた、着物の良さです。

【洋服選び編】大切にしているポイント

洋装では、シンプルなマニッシュスタイルが大好きです。

洋服では疲れない機能的なスタイルを重視

普段仕事では華やかな着物を着る機会が多いので、洋服では疲れない機能的なスタイルを重視しています。
また、あえて女性らしさとはガラッと離れたマニッシュスタイルが気に入っています。

着物選びとは異なり「柄」や「色味」ではなく、「肌に当たる素材感」や「生地のなめらかさ」「大地や自然を感じるアースカラー」「クールでモードな雰囲気」と、自分らしくいられる洋服とのフィーリングを大切にしています。

着物では身に付けられないサングラスや…

洋装と和装は私の気持ちの切り替えの1つ
サングラスやスポーティーなスニーカーなどがとってもお気に入りのアイテムです。

スポーティーなスニーカーなどもお気に入りのアイテムです。

着物も洋服も、どちらも本当の自分

ある意味、洋装と和装は、私の気持ちのきりかえスイッチのひとつ。
どちらもそれぞれの選び方や楽しみ方があって、どちらも本当の自分です。

着物選びも洋服選びも、選ぶその時から1日が始まる
それぞれの選び方や楽しみ方があって、どちらも本当の自分。

着るものはメンタルにも大きく影響しますので、「着物選び」も「洋服選び」も、選ぶその時から一日がはじまるのだな、と感じています。

その時期だけの柄を楽しむ和装も…
素材感やデザインを楽しむ洋装も…

「次に会えるのはまた一年後」と思いながら、大切に選びたいですね。

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