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お客様インタビュー vol.5 木戸浩子さま ~代表取締役社長 田中敬次郎~

お客様インタビュー vol.5 木戸浩子さま ~代表取締役社長 田中敬次郎~

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「着物への愛はどこまでも深く、底の見えない沼の中にいるようです」こうおっしゃる木戸様は、なんと、あの難関とされる「きもの文化検定一級」を取得されているとのこと!この日は「福岡」のエッセンスを加えるべく、凜と麗しい博多帯でのコーディネートでご登場です。

レポーター / 池田千恵里

趣味は書くこと!という着物愛好家。
国内外において着物PRの経験を持つ。
英国駐在時には着物でのお出掛けを常とし、自身の着姿をSNSやYouTube 等でも発信。
また、ロンドンで着物ファッションショーを開催するなど、和装のPRに務めている。

レポーター池田千恵里

折に触れ、「お客様から直接お話を伺って、我々が求められていることは何かを探りたい!」とおっしゃっている田中社長。
銀座店5周年記念パーティーの折には、銀座店を愛用いただいているステキなみなさまにもご登場いただきました。

お客様インタビュー vol.1 山本和美さま
お客様インタビュー vol.2 土田裕子さま
お客様インタビュー vol.3 石川佳子さま

このたび福岡天神店が移転リニューアル、「ニューオータニ博多店」となりましたのを記念して開かれたパーティーの前に、ニューオータニ博多店のお客様にお時間をいただき、その思いを対談という形で実現させました。

おひとりめのお客様は、こちら。
お客様インタビュー vol.4 門司悦子さま

もうおひとかたとの貴重なひとときも、この『きものと』を楽しみにしてくださっているみなさまとシェアできたらとのことですので、対談の模様をレポートいたします。

こだわりのコーディネートをご披露

お越しくださいましたのは…

「着物への愛はどこまでも深く、底の見えない沼の中にいるようです」

こうおっしゃる木戸浩子様。

なんと、あの難関とされる「きもの文化検定一級」を取得されているとのこと!
月に一度、着付けの講師もされていて、生徒さんとの着物での交流がなによりの楽しみとおっしゃいます。

この日は「福岡」のエッセンスを加えるべく、凜と麗しい博多帯でのコーディネート。
江戸時代のアンティークという簪のアクセントもまたステキ。そちらのお写真はぜひ後半のお楽しみに!

きもの/樹華屋  帯/西村織物  帯締め/組の渡敬  帯揚げ/樹華屋

カラーの付け下げが麗しい
凜とした和姿

「京都シルク」時代からのおつきあい

社長 ───
弊社をはじめてご利用いただいたのは展示会だったと伺っていますが。

木戸様───
まだ「京都シルク」というお名前でしたね。“100円で購入できます”という折込チラシの謳い文句につられて何度か伺わせていただきました。
その後、京都きもの市場というお名前に変わったという案内が来て…

社長 ───
社名が変わったことについて、どのような認識をされましたか?

木戸様───
吸収されたのだと思いましたね。

社長 ───
京都シルクと京都きもの市場、どちらも私がオーナーを務める会社だったのですが、それぞれの特色を掛け合わせたいと思いまして。
京都シルクは展示会販売のみ、京都きもの市場はネット通販のみの会社だったんです。ですが京都きもの市場が京都に店舗を出すことになり、展示会もしてみたいという流れになりました。
そんななかで、これからは、ネット通販があって・店舗があって・展示会があって、というスタイルもありなのではないかなぁと。販売方法や商品構成などはそれぞれ違っても、同じブランドで統一していきたいと思い、統合したんです。

木戸様───
そういうことだったのですね!
京都きもの市場さんになってからは、ますますお品物のバリエーションが豊富になったように感じられます。ふたつの会社がまとまったからなんですね。

楽しくインタビュースタート

きっかけは、夫の勧めで購入した博多織

社長 ───
木戸様の「着物を着るきっかけ」とはどういったものだったのですか?

木戸様───
一番はじめは成人式ですね。当時はレンタルなどあまりなくて購入が当たり前でしたので、
両親が”一世一代の”といった感じで誂えてくれました。
それがもう…とってもうれしくて、20回くらい着たんです!もう、どこに行くのにも着て行きました。

社長 ───
それはすごい!ご友人の結婚式や、お正月などにでしょうか。

木戸様───
そうですね。結婚するまで、本当によく着ていましたね。

社長 ───
ご結婚をされて、振袖以外の着物に興味を持つきっかけなどはあったのですか?

木戸様───
夫が博多祇園山笠に参加をしていた当時、そちらでお付き合いをさせていただいている方に、博多織の会社を経営していた方がいたんです。
夫が勧めてくれまして、そちらから購入したのがきっかけでした。15年ほど前になります。
そのころはまだ自分では着られなかったのですが、とても気に入って、ことあるごとに着せてもらっていましたね。夫もうれしかったみたいで、着物を着た私を実家に連れていって、父親に見せびらかすかのように「どうや〜!」と。

社長 ───
それはそれは。木戸様のステキな着姿がさぞかし誇らしかったのでしょうね。

夫の勧めで購入した最初の着物について

着付け教室に通い、着物沼にはまる

木戸様───
夫がしつこく「良かろう良かろう」と聞くので、義理の父も仕方なく褒めるしかないといった具合で。ですがあまりにしつこいので腹かいた(腹をたてた)のか、「自分で着れんでどうするや!」と。
そうしたら私も「なにくそ!」と思いまして。
当時35歳くらいでしたので、私も着物が好きなら自分で着られないと、と思ったんですね。

社長 ───
それで着付け教室かなにかに通われたのですか?

木戸様───
はい、一念発起してお教室に通いました。着られるようになってからは、ますます着るのが楽しくなりまして。

社長 ───
着物でおでかけですね!同じお教室のお仲間とご一緒するといった感じですか?

木戸様───
そうですね。それと幼稚園の参観日にも着て行ったり。

社長 ───
着物で参観、ステキじゃないですか!

木戸様───
もうあっという間に着物に魅せられて、泥沼にはまっています。

社長 ───
泥沼!よくみなさま「着物沼にはまる」といったことをおっしゃいますが、やはり着物とは「はまる」ものなのでしょうか。

着物沼とは?

これ!とひとつには選べない、たくさんのお気に入り

木戸様───
そうですね。いつも「もうひと通り揃えたから要らない」と思うんですが、やはり展示会などでステキなお品と目が合ってしまったら、求めてしまいますね。

社長 ───
3年半くらい前までは、ほとんど私が仕入れをしていたんです。弊社は250社ほど仕入れ先があるのですが、行く先々で自分がほしくなってしまって。私自身はもともとそれほど着物には興味がなかったのですが、着物のことを知れば知るほどほしくなって。同じようなものを持っているのに、またほしくなったりしますね。

木戸様───
そうなんですよね!着物を買ったら帯、帯を買ったらまた着物…それが泥沼というものです。

社長 ───
そんななかで、特に思い入れのあるお品、思い切ったなと思うお品などはございますか?一番よく褒めてもらえる着物だったり、お気に入りだったり。

木戸様───
もうそれこそお気に入りがたくさんあって、これ!というのは難しいですね。今日もどれを着て行こうかと随分と迷ってしまいました。
でも強いて言うなら…やはり夫が最初に買ってくれた一枚かしら。

お気に入りのお品がたくさん!

社長 ───
そちらは今でも着てらっしゃるのですか?

木戸様───
はい。博多織の着尺で、お召しっぽい光沢があるんです。今ではよくみかけるんですが、当時は出はじめのころで。

社長 ───
しっかりとした風合いでマットな光沢感がありますよね。かなり珍しかったでしょう。博多といえば帯でしたから。

木戸様───
そうなんです、生地に織りだされた献上柄がとても美しくて。

社長 ───
その一枚から木戸様の着物ライフがはじまったんですものね!
今日のお着物もすごくステキですけれども。アシンメトリーな帯締めのコーディネートが目を引きますね。

木戸様───
ありがとうございます。本当はこの帯を活かしたくて白い着物に黒い衿のコーディネートで来ようと思ったんですが。着てみたら極妻風で、パーティにはどうかしら?と思いまして。
第二案の、シックなコーディネートで来てみました。 

シックなコーディネートを選びました

コーディネートをするのがとにかく好き

社長 ───
帯はどちらのものですか?

木戸様───
西村織物さんです。昨年「博多織求評会」に行った時に目に留まったものでして。
博多織らしくないけれど、これもまたステキだなぁと。

社長 ───
ぱっと見では博多織とわからないデザイン性のある帯ですね。間道の雰囲気がなんとなく…といった感じで。

木戸様───
裏は献上柄なんです。
博多織求評会でハッとしたこの帯が、その後に伺った御社の展示会でかけてありまして。
「あの時の!」と、気になってちらちらちらちらと見てしまい…せっかくの再会でしたので求めることにしました。

社長 ───
お着物とぴったりと合っていてステキです!
お扇子にも何かこだわりがあるのでしょうか。

木戸様───
いえ、こんな時期ですのでマスク代わりにもなるかなと。お食事中などでもさっと使えますので。

社長 ───
なるほど。そういった使い方もありますね。コーディネートのアクセントとしても効いていますね。

展示会でのお話しを伺う
扇子をアクセントに

木戸様───
帯締めは、光によって色彩が変化するという麹塵(きくじん)染めなんです。

社長 ───
組の渡敬さんのお品ですね!ステキです。帯揚げのしぼ感も良いですし、衿もまた質感がなんとも言えませんね。

木戸様───
私はしぼのあるものが好きで。帯揚げはこのお着物と同じ樹華屋さんが染めているものです。衿はビロードなんですよ!

社長 ───
刺繍などとは凹凸や光沢感がまた違った感じで、さすがのコーディネートですね。

木戸様───
お陰様でございます!

社長 ───
衿ひとつで雰囲気が変わってきますよね。上半身にお柄がないので、一層遊び心が効いています。

木戸様───
わかってらっしゃる!コーディネートをするのがとにかく好きなので、褒められるとうれしいです。
月に一度、自装ができる方を対象に、ワンポイントレッスン的なお教室をしているんですが、毎回お着物で行くんですね。
プラスで帯と小物をもうひとパターン持って行って、こんなコーディネートもできますよ!とおみせするんです。そうするとお教室の生徒さん方も喜んでくれて。みなさんやはりコーディネートが好きでいらっしゃるので、毎回あれこれわいわいと楽しんでいます。

コーディネートが大好きな木戸様

お教室で着るだけでは上達しない

社長 ───
コーディネートまで学べるお教室はなかなかないですよね!
絶対という正解がないなかで、コーディネートには、その時々、その人その人ごとのシーンにマッチさせていくという楽しみがありますね。

木戸様───
そうなんですよね。私は着付講師が本業というわけではなく、趣味の延長で着付け教室をしているんです。
着物が好きで楽しいから教えているといった感じで、お教室の後にみなさんとお食事に行ったりして。

社長 ───
それはいいですね。「着る」だけでなく、「着て楽しむ」というのが着物の醍醐味ですから。

木戸様───
自分もそうだったんですが、お教室で着るだけでは上達しないんですよね。外に着て、人に見られるからこうしなきゃ!というのがないと。

社長 ───
レベルアップしようという気持ちになるには、人の目に触れることがモチベーションになりますね。ヘアメイクや所作などにも目が行くのではないですか?

木戸様───
お教室では所作などは教えませんが、おでかけ先でその都度アドバイスをします。着付けも着崩れを観察して10のうち8褒めて2お直しといった具合で。

社長 ───
実践の場で学ぶと身に付きやすいですものね。木戸様流の褒めるコツなどもありそうですが。

木戸様───
私は自分で思ったことを素直にそのままお伝えするようにしています。
今までその方ができなかったけれどもできるようになったこと、例えば衿の出方でしたり、お太鼓の形や大きさが綺麗になっていたら、「美しい!」と口に出しますね。
上達が目に見えるとやはりこちらもうれしいので、褒めるというのはイコール、レベルアップした本人のうれしい気持ちに共感するという感じでしょうか。

社長 ───
なるほど、共感したことをストレートに褒めるんですね。
私どもは着物屋ですので、できれば誰でも分かる褒めどころではなく、プロ目線でマニアックな部分をお褒めできたらなと思うんです。お客様に、そんなところまで見て下さって!と思われたい。そうするとこれがまたなかなか難しい。

木戸様───
視点をたくさん持つのは難しいですね!
ですがみなさんお着物を着ると美しさが2割増しになりますから、そういったところを褒めるというのもまたひとつかと。

社長 ───
確かに。2割増しどころではなく、みなさま本当に美しくなられます。綺麗へのアプローチが何通りもあるのが着物の良さのひとつかなと思いますね。

木戸様───
奥深さといったらもう。
全て同じ型なのに誰一人として同じコーディネートの人はいませんよね。同じ色でも素材が違えば雰囲気は全く変わりますし。

コーディネートについて語る

見ているだけでワクワクする簪(かんざし)

社長 ───
褒めるといえば、木戸様のその簪(かんざし)があまりにステキで、先ほどからずっと褒めたいと思っていたんです。アンティークのものでしょうか?特別感がありますね。

木戸様───
これは奈良の「古都奈良かんざし美術館」の館長さんから分けていただいたもので、江戸時代の簪なんですよ。

社長 ───
江戸時代とは!螺鈿の煌めきにオーラがありますね。表もさることながら、裏もまた美しい。

印象的な簪を拝見
かんざし

木戸様───
「杣田細工(そまたざいく)」という、貝を細かく切って模様に合わせて貼り付けていく技法が用いられているものでして。細工中央の花の中心部にサファイアがあしらわれているようなんです。

社長 ───
江戸時代にこちらを身に付けていたというのは…さぞかし社会的地位の高い方だったのではないでしょうか。そのような方に想いを馳せるというのもまたロマンですね。

木戸様───
そうですね、もういろいろなことを想像しますね。
当時は日本髪の髷に挿していたのでしょうから、こういったヘアスタイルに挿すものではないのでしょうけれど。

社長 ───
現代ヘアにもマッチしています!貴重なものを…ありがとうございます。簪は特にお好きなのでしょうか。

木戸様───
もう大好きで、簪も泥沼です!

社長 ───
簪といった小物は、探すのが難しいのではないでしょうか。気の利いた作品をバリエーション豊かに揃えているお店というのはなかなかないですよね。

木戸様───
そうなんですよ。作る方も少ないのでしょうね。

社長 ───
アンティークは個性がありますし、大変凝ったものも多くおもしろいですよね。

木戸様───
現代の作家さんのステキな物もたくさんあるんですが、ステキで目がとまったものは結構なお値段がするんですよ。お着物もほしいし簪もほしいしで…悩ましいです。

社長 ───
小物で一番こだわっていらっしゃるのは簪なんですね。

木戸様───
そうですね。見ているだけでワクワクしますね。いくつも持っていますが、良く使うものは決まっているんですよ。写真に撮ってあるのでお見せしますね。

社長 ───
真ん中の大振りのものは細工が細かくてステキですね。モノトーンな感じが現代的でカッコいいです。

木戸様───
銀細工なんですよ。その他はべっ甲や白珊瑚・翡翠・ルビーといった素材のものですね。

社長 ───
貴重なコレクションを拝見させていただき、ありがとうございます。

木戸さまの簪コレクション
簪のお写真を拝見

着物とワイン、テーマのあるイベントを

社長 ───
ところで、木戸様はご自身で着る機会を、それこそいろいろな方を巻き込んで作っていらっしゃいますが、普通は着物というと、何かきっかけがないと着られないハードルの高いアイテムだと思われることが多いんです。
弊社としても、お求めいただく時間はもちろん、その後の、コーディネートをして着るという時間や、おでかけをする時間、写真を撮って残したりする時間など、もっと様々に楽しんでいただきたいので、着るきっかけ作りも提供していきたいと思っています。
弊社に限らず、着物業界にしてもらいたいことなどありましたら、ぜひお聞かせ願いたいのですが。

木戸様───
やはりイベントが一番の入口ではないでしょうか。主婦時間に合わせたイベント、OLさん時間に合わせたイベントと、曜日や時間をバラしていただけるといいですね。

社長 ───
だいたい同じ曜日と時間になりがちですので、ご参加下さる顔ぶれも同じということになりますからね。もっとバリエーションを持たせないといけませんね。
食事会や観劇といったイベントが開催しやすいのかなと思いますが、テーマを絞った、例えばワイン会といったものもいいのではと。木戸様もワインがお好きだと伺っていますが。

木戸様───
詳しくはないですが、赤も白も好きですね。チリワインなんかをよく飲みます。

社長 ───
私もお酒はそんなに詳しくないですしたくさんは飲めませんが、着物とワインというのはそれぞれ大人なイメージで、相性がいいと思うんです。そんなテーマもいいなぁと。

木戸様───
着物とワイン、小さなテーマを持ったイベントというのはいいですね!

社長 ───
ちょっと詳しい方をお招きして、学びつつワインも楽しむといった感じで。少人数でこじんまりと、そんな感じはいかがでしょう。高級ワインでなくとも、お手頃ワインで気軽な感じというのもいい気がします。

木戸様───
以前、博多店がまだ前の福岡天神店だった頃、地ビールの試飲会のイベントがあったんです。東北の織元さんに詳しい方がいて、その方がいろいろと教えて下さったりして。すごく楽しかったので、ワイン会もぜひ!

社長 ───
着物好きの方はお酒のお好きな方も多いので、ぜひやりたいですね。とはいえ弊社にできることには限りがあるので、木戸様のように周りを巻き込んで着て楽しんで下さっている方というのはありがたい存在です。

木戸様───
私の場合は自分が楽しんでいるだけなんですけどね。でもやはり文化は絶やしたくないですので、少しでもお役に立てればという気持ちはあります。

着物文化の継承に役立てれば

学ぶ楽しみ、買う楽しみ

社長 ───
着物でご旅行などもされますか?

木戸様───
工房見学で奄美大島や山形の米沢に行きましたね。京都には毎年行っているんです。
きもの文化検定一級の表彰式が毎年2月に京都で行われるのですが、私は一級を持っていますので、毎年表彰式に招待されるんです。

社長 ───
一級!それはすごい。かなりマニアックな知識を要する難問も多いと聞きます。

木戸様───
難問の沼に何度もはまり大変でしたが、意地で頑張りました。仕事と主婦業に子育てですので、家族が寝静まった後に勉強といった感じで、それこそトイレに暗記物を貼ったりして。
表彰式には200人以上の参加者が和装で集うので、みなさんの装いを拝見するのもまた楽しみのひとつなんです。

社長 ───
それは毎年楽しみですね!そして、工房見学にも積極的に参加されているんですね。
弊社でも時々ものづくりの現場を見ていただくような会をさせていただくのですが、小売店という立場上、職人さん方に貴重な時間を割いていただく分何かしら工房に貢献できないと…など何かと気を遣うところもあります。

木戸様───
例えば、工房でしか買えないといった特別感のあるお品でしたり、直接お越しいただいたからこのお値段ですとか、ちょっと織り傷があって外には出せないけれどもといったワケありのものなんかを購入できたりすると、見学プラスお買い物も楽しみたくなるのではないでしょうか。

社長 ───
なるほど。学ぶ楽しみだけでなく、買う楽しみも提供できるような工房見学でしたら、双方にとって理想ですね。そういう機会を作れればと思います。着物づくりの現場というのは独特の世界観がありますから、着物ファンの方にはぜひともご覧いただきたいですし。

木戸様───
みなさん、貴重な現場を拝見させていただいたら、一層お着物を愛おしく感じられるのではないでしょうか。

工房見学についてお話しを伺う

着物仲間を誘って遊びに行きやすいお店づくりを

社長 ───
最後に、ネット通販について伺ってもよろしいでしょうか。

木戸様───
何回か利用したことがありますよ!
ネットでいいなと思った商品がたまたま福岡店で取り扱っていたので、店舗で拝見させていただきました。そのお着物を今日着てこようか迷ったんですよ。

社長 ───
実際に店舗でご覧いただいたほうが熱量が上がるといいますか、対面でのほうがお買い物は楽しいというお声をよく耳にしますが、木戸様もそうでしょうか。

木戸様───
確かに、見て触れて顔に当てて…としているうちに気分がどんどん高まっていきますね。
着物は素材感が重要ですから、実際に手に取ってみたいというのがあります。
ネットの画像もなかなか見やすくて、良く写っていますけれど。

社長 ───
昔に比べて機材も良くなっていますね。今はみなさまインターネットでのお買い物に慣れていらっしゃるので、やはりネット販売には引き続き力を入れていきたいなと思っています。インターネットですぐにご購入いただくのは難しいとしても、弊社のことを知っていただくきっかけにもなりますし。
そのために、着物初心者の方にも間口を広げるべく、練習用のお手頃な着物や帯、着付け道具といったものや、インターネットでも買いやすい小物類をもっと充実させたいと考えています。

木戸様───
小物はぜひとも!たくさん見比べたいです。

社長 ───
センスの良い小物を欠品せずに取り扱うというのは、本当に難しいんですよね。
店舗でもみなさまに、小物があると行きやすいとのお声をいただくので充実させたいのですが。

木戸様───
お仲間を誘って行きやすいというのはありますね、ちょっとしたお買い物にご一緒にという感じで。小物は手が届きやすいので、テンションが上がりますし。

社長 ───
どこにでもあるような商品ではなく、気の利いたものを揃えたいですね。小物の専門メーカーさんに来ていただくイベントなどもやってみたいです。

木戸様───
それ!いいですね。聞いただけでワクワクします。

着物談義に花開く

社長 ───
品揃えのレベルもアップしていかないといけませんね!今後も努めてまいりたいと思います。
本日は長い時間おつきあいいただきまして誠にありがとうございました!

木戸様───
色々なイベントも期待しておりますね!
今日は社長との着物談義も楽しませていただき、こちらこそどうもありがとうございました。

木戸さまと代表田中

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