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パリに衝撃を与えた日本の美意識 「MariMaedaの着物クリエーション」vol.1

パリに衝撃を与えた日本の美意識 「MariMaedaの着物クリエーション」vol.1

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海外生活が長いこともあり、異国から見た日本の伝統、着物文化に非常に高い関心を持っています。海外にいるからこそ、あらためて日本のすばらしさを痛感するのかもしれません。日本の美意識は古来ヨーロッパの様々な分野において衝撃的な影響をもたらし、そして現在も、日本の着物文化の美しさは人々を魅了しています。

ファッションクリエイターMariMaeda

みなさま、はじめまして。
フランス在住のファションクリエーター、MariMaedaです。

2020年は、世界中に蔓延した新型コロナウィルスの影響で、人々の生活スタイルに大きな変化がもたらされました。ビジネスの形態も変わり、イベントや催し物が次々とキャンセルとなりました。
私も数年前までは、ファションショーや文化イベントを催しておりましたが、ロックダウンなどにより活動を制限されることが少なくありません。しかしながら今後も、モードの世界に日本人の伝統衣装である和文化、奥深い歴史のある着物の素材やディテールを、私のクリエーション・フィルターを通し、幅広いジャンルで精力的に発表していきます。

人々を魅了する日本の着物文化

ファッションクリエイターMariMaeda

海外生活が長いこともあり、異国から見た日本の伝統、着物文化に非常に高い関心を持っています。海外にいるからこそ、あらためて日本のすばらしさを痛感するのかもしれません。
日本の美意識は、古来ヨーロッパの様々な分野において、衝撃的な影響をもたらしてきました。そして現在も、日本の着物文化の美しさは人々を魅了しています。

私は、パリでも着物を着て出かける機会が多いのですが、必ずお褒めの言葉をいただきながら写真をパシャパシャと撮られます。この写真の撮影をしている時も「Beau kimono japonais!」(素敵な日本の着物ね!)と呼びかけられました。

パリの街に着物姿でいることで起こる、様々なエピソードがあります。
まず、どの人も好印象で受け止めて下さいます。そして、常に特別な気配りを感じ取れます。席を譲って下さったり、レストランでは良いお席に誘導されたりと、VIPの接客を受けます。オシャレや美意識にうるさいパリジャンが、着物姿には特別な敬意を示しているようです。着物というのは、なんとも不思議な魔法が潜まったお召し物のようです。

ファッションクリエイターMariMaeda

着物=日本というイメージがあり、世界中で着物は憧れの存在なのです。
着物には無駄のないシャープな洗練されたシルエットがあり、正絹ならではの素材感、柄行きや織技術など、世界中の人々を虜(とりこ)にしています。

【パリ×京都】京友禅の未来『HANAGOROMO』

そもそも日本の美意識は、古来ヨーロッパの様々な分野において衝撃的な影響をもたらしてきました。

2016年「服飾意匠図案コンクール」

私の人生で最も長く生活をしてきたパリですが…

2016年、「服飾意匠図案コンクール」での表彰式と創作発表会『【パリ×京都】京友禅の未来』を、パリ日本文化会館で開催させていただく機会に恵まれました。

テーマは、『HANAGOROMO』。

古来、花衣(はなごろも)とは、日本人がお花見に着る晴れ着のことで、ハレの日の衣装を意味しました。

日本には春夏秋冬の四季があり、人々は季節の変化とともに、自然界の美しい花々の変化を楽しみます。着物の図案には、古くからこれらの美しい花々をモチーフにした図案が多く取り入れられてきました。

とても華やかな花のモチーフ

花のモチーフは、とても華やかなもの。
お祝いごとなどで着られる着物に多く描かれ、吉祥文様として愛されています。
これらの作品は、華麗で美しい花々が、伝統的な技法のもとすべて手描き友禅で描かれております。作品の制作にあたり、巧みに表現された図案をいかに効果的に表現するかに苦心しました。

また、パリの人々が好むスタイリングにも着眼点をおきました。
海外の人々は、着物の柄行きや素材感に魅了されることはもちろんですが、着物ならではのシルエットに惹かれます。

私が着物素材で洋服を制作する時に常に意識していることは、「柄行きをできる限り崩したくない」という思いです。
女性モデルが着装しています衣装には、様々な花々が描かれています。
昔からこれらの花の図案は吉祥文様とされ、おめでたい席や華やかな席で着装されました。私が好むものは古典的な柄行きが多いのですが、それは、古典に対する深い敬愛を込めていたいと思っているためです。

新時代のアイテムとは

男性モデルが着ています羽織もののディテールは、正倉院時代の伝統的な衣装にインスパイアされて制作してみました。

私が海外で発表する作品には、着物ならではの袖のシルエットを大切に表現するようにしています。
海外生活が長くなりましたことで、何が求められているのかが分かるようになり、また受け手の感度も考慮して制作を進めます。

正倉院時代の伝統的な衣装にインスパイアされて
パリの街中での撮影

これらの作品には、構築的かつ直線的なフォルムをモダンに表現。古典美と、現代感覚であるトレンディ性の融合を取り入れました。

また「日本人が最も愛したシルク素材」と「未来感のあるハイテク素材」の組み合わせにより、独創的な世界観を目指しました。

これからの着物産業に求められるのは、日本の伝統的技術を絶やすことなく世界のより多くの方々にご理解やご関心をもっていただくこと、また、着物や洋服・インテリア・雑貨など様々なアイテムでご愛用いただく可能性を追求することだと思います。

コロナ終息後の未来を見据え、新時代のアイテムを考案していきたいと考えています。

京都市長様からのメッセージ

パリでの作品発表にあたり、京都市長様から大変貴重なメッセージを頂戴いたしました(2016年)。

京都市長様からのメッセージ

京都市とパリ市は、1958年に姉妹都市提携を締結し、2年後には提携60周年を迎えます。近年では、パリのデザイナーが来日し、京都の伝統工芸職人とのコラボレーションを実施するなど、双方での交流が盛んに行われています。そのような中、今年で5年目となる本コンクールによって、京都市とパリ市の結びつきが、更に強いものとなっていると感じております。心から感謝申し上げます。本日,美しい服飾のファッションショーを御披露いただく前田真利先生をはじめ、多くの皆様のお力により。これから更に、日本を代表するきもの文化が世界に発信されることを心より祈念しております。

京都市長 門川大作

ショーの最後に

オフショット

日本から駆けつけたモデルたち

日本から駆けつけ、日仏の文化のために奮闘して下さったモデル勇者たち。

会場は満席で、通路や階段にもお座りいただくことになりました。

舞台衣装はもちろんですが、演出、メイクなども手がけます。

衣装を着てPARISの街をウォーキング

衣装を着てPARISの街をウォーキング…圧倒的な存在感!
カフェの店員さんも呆然と見入って。

エッフェル塔を背景に

エッフェル塔を背景に。

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