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東京・新宿『小笠原伯爵邸』 「ひとりで愉しむ着物映えレストラン」 vol.5

東京・新宿『小笠原伯爵邸』 「ひとりで愉しむ着物映えレストラン」 vol.5

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思わずシェアしたくなる写真が撮れる「着物映えレストラン」をご紹介!今回は、スパニッシュ様式の瀟洒な洋館『小笠原伯爵邸』。ステキなレストランでゆっくりと、ひとりだからこその時間を愉しんでみてはいかがでしょう。

ひとりだからこその時間を愉しんでみては

Withコロナ時代、いかに自分時間を充実させるかにフォーカスしている方も多いかと思います。

お仲間とわいわい集うのも良いけれど、ひとりの時間もまた良し!
ステキなレストランでゆっくりと、ひとりだからこその時間を愉しんでみてはいかがでしょう。

ひとりで過ごす時間では五感が研ぎ澄まされ、意識が敏感に!
ステキな空間はよりステキに、おいしいお料理はよりおいしく感じられるのではないかと思います。誰かとともにする食事とは、また違った格別な時間だと感じるのではないでしょうか。

フォトジェニックな着物姿をシェアして

そしてそのひと時をステキに撮って、着物仲間や友人達とシェアできたら…
着姿のシェアは着物愛好家にとって欠かせない愉しみのひとつ!せっかくですのでとびきりの一枚が撮れるよう「着物が映えるフォトジェニックなレストラン」を選びませんか?

ステキな自撮りスポットや映えるオブジェがあったり!
思わずシェアしたくなるような写真が撮れる、着物映えレストランをご紹介いたします。

今回の「ひとりで愉しむ着物映えレストラン」は…

小笠原伯爵邸

新宿ビル群を少し抜けたあたり、新宿区河田町。
都営大江戸線 若松河田駅の出口を出てすぐ裏手に佇むのが、今回ご紹介する「小笠原伯爵邸」です。

喧騒とは無縁の穏やかな静けさが漂っているのは、およそ千坪というその敷地の広さゆえでしょう。まるで旅先で、わざわざ足を延ばして訪れるといった、郊外にあるとっておきのレストランのよう!

駅を出てすぐに、こんなにもステキなレストランがあるなんて。

エントランスのなんと美しいこと!
キャノピーには葡萄唐草が。
アイアンの枠と重なって、葡萄棚を思わせるデザインに。

重厚で趣きのある扉とエレガントなキャノピーという組み合わせに、しばしうっとり。
扉の奥もさぞ美しいのでしょうね!イメージが膨らみます。

趣きのある扉と素敵なキャノピーという組み合わせ

開けられると、これまたステキなガラスの扉が!

欄間にも葡萄唐草がデザインされ、外と中との抜群な一体感にほれぼれ。
中央の鳥かごがなんともフォトジェニックです。

さらに建物の奥にはステンドグラスの天窓が設けられており、欄間の鳥かご越しに外光が透かし見えてとっても綺麗!

ステンドグラスの図柄は空を舞う鳩。
籠の中の鳥はどのように思って見ているのでしょうね。

外の自由、中の安心、どちらにも良さはありますけれど。

この『小笠原伯爵邸』はその名の通り、礼法の宗家として有名な小笠原家第30代当主・小笠原長幹伯爵の本邸だったという建物。

1927年に建てられた本格的なスパニッシュ様式の邸宅で、東京都選定歴史的建造物に指定されているそうです。
スパニッシュレストランに生まれ変わったのは、2002年のこと。

建物は東京都選定歴史的建造物に指定されている

ご存知の方も多いかと思いますが、こちらは13年連続でミシュランガイドにて星を獲得しているお店。

ホームページには、

「訪れるたびに新しい驚きがあるレストラン。時を刻んだ洋館で、最先端のヌエバ・コシーナ(新しいスペイン料理)を体験してください」

とありました。

ミシュランの星が付くということは、美味しいの上をゆくお店だということ。
いつものおでかけ着の上をゆく装い…着物で伺うのにぴったりのお店ですね!

今回の装いは…

邸宅レストランということで訪問着をと思いましたが、スパニッシュは肩肘張らないというイメージ。

明るいお色味の小紋にしましょう!と選んだ途端に、“礼法の宗家”という文字が脳裏に浮かび…少しあらたまった装いにしたくなりました。

ということで、今回は江戸小紋。

困った時の江戸小紋!なんて言葉もありますが、一枚持っていると迷った時に便利ですね!

少し改まった装いの江戸小紋
大テーブルは当時のまま

こちらにはメインダイニング以外にも、グランドサロン・ラウンジ・シガールームといった当時の趣を残すお部屋があり、拝見することができます。

こちらはグランドサロン。
食堂として使われ、大テーブルは当時の物だそう。
脚部の装飾が繊細!エリザベシアンというアンティーク家具の一様式の影響を受けているそうです。

お椅子もステキ。

皮張りのクールなお椅子

カチッとした皮張りのクール感に、思わず背筋が伸びました!

ヨーロッパから集められ、、エレガントな物が並ぶラウンジ

やわらかな光に包み込まれるラウンジ。
こちらのインテリアは、竣工当時の写真を元に、ヨーロッパから集められた物だそうです。エレガントの極みですね!

窓には可愛らしい花のステンドグラスが!

日本最初期のステンドグラス作家・小川三知氏の作品で、入口の天窓も同氏によるものだそう。
こちらのお部屋に彼の作品集が置いてありました。

日本最初期のステンドグラス作家・小川三知氏の作品

ステンドグラス越しの優しい光を浴びると、不思議と肌の質感も柔らかに写るのが不思議。利用しない手はありませんね!

大理石の床や柱、壁の装飾は当時のままのシガールーム

シガールーム♡

シガーは男性貴族の嗜みだったのでしょうね。当時こちらは男性専用の喫煙室として使われていたそうです。
女性陣はこちらでアフタヌーンティーでもしたかったのではないかしら?

大理石の床や柱、壁の装飾は当時のままだそうです。

さて…お待ちかねのお食事タイムです!

まずはお店オリジナルのスパークリングをいただきながら、この日のお料理を予習。

まずはオリジナルのスパークリングをいただきながら

メニューには随分と知らない単語が並んでいてワクワク♪
新たな学びがたくさんありそうです。 いくつになっても学ぶ事は尽きませんね!

「 タラバ蟹のセビーチェ / 銀杏の葉 マンチェゴチーズ 自家製赤パプリカパウダー 」

一品目から驚きのお味!星とはこういうお料理に付くのですね♡

蟹みそソースの上にタラバ蟹、脇には角切りのフレッシュな根野菜にマリネソース。
全てが楽しく混ざり合い、食べたことのない美味しさに♪

銀杏の葉に見立ててパリッパリに焼き上げたトウモロコシのクロッカンテ。
乗せたマンチェゴチーズクリームのなめらかさが引き立っていました!

坊ちゃんかぼちゃ 帆立貝 ハーブのエッセンス

「 坊ちゃんかぼちゃ 帆立貝 ハーブのエッセンス 」

底に甘みのあるかぼちゃのピューレ、中にホクホクのかぼちゃの実。
帆立貝のエッセンス際立つ少し泡だったソースが、帆立とかぼちゃを優しく包んで絶品に!ハーブオイルも効かせてあり、複雑味が増していました。

色づく前の銀杏の葉が、“今”を感じさせてくれますね!

名物「ハモン・イベリコ・べジョータ」

コースとは別になりますが、生ハムがお好きでしたらこちらの名物「ハモン・イベリコ・べジョータ」も是非!

最高の状態で切り分けて下さり、絶品でした♪

アホブランコの“豆腐” アンチョビ

「 アホブランコの“豆腐” アンチョビ ピキージョピーマン ニンニクのコンフィーオイル 」

アホブランコとは白い冷製スープのことだそうで、 それをお豆腐に見立てたという一品。まるでケーキのような可愛らしいさに思わずワオ!!!と声を上げてしまいました。

ミニ赤紫蘇、ミニ青紫蘇、ポップマスタードに生のアーモンドも添えられて、 彩り・食感・風味も豊か…好みのひと皿でした!

「 スモークした鮎のアロスメロッソ マスタードリーフ 」

ひよこ豆の粉でフリットされた香ばしい鮎の上に、プチプチと食感が楽しい鮎のたまごが!

鮎のエッセンスがぎゅっと詰まったアロスメロッソ(リゾットのようなお米料理)は、ほっと心休まる優しいお味。

「 イトヨリ 茸のタルタル ケッパー 」

テーブルで注がれたのは、キノコのコンソメ!その瞬間ふわっと秋が香り立ちました♡
美味しそうに焼けたイトヨリの皮目の香ばしさも漂い、食欲をそそる一品。

底にはセップ茸のピュレが敷かれ、さらなる風味が追いかけてきて…
笑みがこぼれる…どころか大声で美味しい!と叫ばずにはいられませんでした♡

オリジナルの赤ワイン

オリジナル赤ワインもまたふくよかに香り、幸せな瞬間を演出してくれました。

「 イベリコプルマのグリル エシャロット 新銀杏 赤ワインソース 」

楽しみにしていた一皿です!

プルマとは、イベリコ豚の肩から首にかけての部位で、スペイン語で天使の翼を意味するのだそう。きめが細かくやわらかで、いわゆる豚肉とは違った旨味が噛むほどにじんわりと…

隣には、葉裏の赤紫色が綺麗な加賀野菜の金時草(きんじそう) 。
日西の食材が仲良く寄り添う感じがまたなんとも♡

「 モンブラン 和梨のソルベ 黒コショウ 柚子 」

なんと映えるデザートなのでしょう!

この季節になるとレストランで必ず期待してしまうのがモンブランですよね!
こちらのは…もう、とっておきでした。

ハーモニーの素晴らしいモンブラン 紅葉はラズベリー風のチップ

和梨のソルベ、その下に柚子ゼリー、中には黒コショウを入れた生クリーム。
和梨に栗の渋皮煮も隠れていて、なんとも賑やかながら、ハーモニーのすばらしいモンブランでした♡

赤い紅葉は、ラズベリー風味のチップでしたよ!

シャインマスカットのモッツアレラ フロマージュブランのアイス

「 岡山県産シャインマスカット ピオーネ くるみ 北海道白糠町のモッツアレラ フロマージュブランのアイス 」

2種目のデザート。
葡萄がフレッシュだったりセミドライだったりソースだったり。
爽やかなヨーグルトムースにどれもよく合っていました。

エルダーフラワーのゼリーにクルミのクランブル、モッツァレラにホワイトチョコ。
どれも主役級ながら出しゃ張らず、上手にアクセント役に徹していました。
もう、さすが!としか言いようがないですね!

一番の驚いた小菓子

「 小菓子 」

コースを通して驚きと感動の連続でしたが…
驚きという観点からは、この小菓子が一番かもしれません!

真ん中のまあるい黄緑はチョコレートなのですが、中には…

うふふっ♡
どんな驚きが隠されているかは、ぜひご自身で!
サプライズの楽しみを奪ってはいけませんから。

チョコレートの中には…。
ゆっくりとダージリンティーを味わいながら

名店のお料理は、舌に美味しく、眼に美しく、心に楽しくて。
とても豊かなひとときでした。

そう言えば、門を飾る花のモチーフが、今日の帯とリンクしていたっけ…
ゆっくりとダージリンティーを味わいながら、こちらでのひとときを、名残惜しく振り返りました。

帯とモチーフがリンクしていた門を飾っていたお花
小笠原伯爵邸のみなさま

「ひとりで愉しむ着物映えレストラン」いかがでしたか。

小笠原伯爵邸のみなさまにご協力をいただき、おかげさまで今回も、無事に記事が完成いたしました。この場を借りて、お礼申し上げます。

着物をより一層楽しめますように。

さて次回は、どのレストランにしましょうか。

あとがき

幹回り3メートルはありそうなオリーブの古木

幹回り3メートルはありそうなオリーブの古木。

そして、中央広場に建てられたオベリスクを思わせる背の高い糸杉。
どちらもスペインから移植された木なのだそう。

庭を飾るガゼボ
心躍る庭

これら2本のシンボルツリーとともに庭を飾るガゼボ(東屋:あずまや)。

ワイルドな木々に寄り添うこのエレガンスが、庭をますます魅力的に、フォトジェニックにしていました。

小鳥の集う噴水…

小鳥の集う噴水
にわとりの形をした窯

にわとりの形をした窯、元気に育ったローズマリーなども手伝い、なんとも心躍る庭に。

素敵な庭を前に新しい目標を思い描かずにはいられませんでした

こちらではガーデンウェディングもでき、とても人気だとのこと。
いつの日か私もこの庭で、誰かと寄り添う息子の晴れの日を祝えたらなぁ。
あまりにステキなガゼボに、花婿の母として黒留袖で装う日を、思い描かずにはいられませんでした。
歴史ある建物の重厚感とガゼボの華やかさは、格調高い黒留袖スタイルに、さぞかし美しくマッチすることでしょうね。

元気に育ったローズマリー

黒留袖を美しく纏える人になりたい!
このたび、そんな新しい目標ができました。

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