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京友禅の未来、未来に向けて「京友禅染匠・富宏染工 藤井友子」

京友禅の未来、未来に向けて 「ひとつひとつの色をつくる 、京友禅染匠がみる景色」 vol.5

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コロナウイルスの世界的な流行によって、価値観や考え方が大きく変化しました。弊社は大量生産ができない小さなものづくりの会社ですが、お一人お一人に向けた丁寧なものづくりという昔からの仕事の仕方が、これからの時代には案外フィットするかもしれないと思っています。

父・藤井寛から経営を引き継ぐ

8月25日に父、藤井寛から経営を引継ぎ代表取締役に就任しました。
コロナ禍まっただなかでの引き継ぎとなり想定外のことも多かったのですが、2ヶ月弱を過ぎ、少しずつ動きはじめているところです。

父は創始者でありまた、学生時の大阪の生活がとても性に合っていたらしく、いわゆる京都のしきたりなどはあまり気にする方ではありませんでした。それでも60年以上和装業界にいたのですから、業界独特の考え方捉え方をしているところも多く、私とは衝突することが度々ありました。ビジネススクールに通いながら、私に会社の継承の話が出はじめた頃は社内が一番アウェイ、というのが正直な感触でした。

私自身は基本的にその頃の考えとは変わらないのですが、スタッフが新しくなったり、グローバル、ITなどの浸透の流れで、仕事のしやすさは格段に違うようになりました。
今は、環境・人にとても恵まれているので、それに感謝しつつ、無駄にしないようにという思いが強いです。

弊社は着物に関してブランドをふたつ持っており、それぞれカラーが違います。

オーセンティックな京友禅のブランドでありたい『藤井寛』ブランド

『藤井寛』ブランド

これからもオーセンティックな京友禅のブランドでありたいと考えています。父は経営の一線からは一歩遠のきますが、製作についてはますます精力的ですし、私も様々なことを学びつつ、日本の伝統的なクラフツマンシップに満ちた、時代を超えて愛される着物製作を継承していきたいと思います。

『RITOFU』ブランド

「伝統的な美意識」と「現代を生きるリアル」を兼ね備えたブランドにしたいと考えています。

着物にはファッションしての「楽しみ・自己表現」と、フォーマルウェアとしての「ルールのなかに美しさを見出す」場面とがあると思います。決まりにとらわれず、自由にデイリーに楽しみたいという時もあれば、大人としてその場にふさわしい装いで存在感を放ちたいという時もあるのでないでしょうか。

そうした今の女性の思いを念頭に、RITOFUではカジュアル・モード・セミフォーマルを網羅した着物を製作していきたいと思い、「クラシックな雰囲気」のラインと「個性的で少しエッジーな雰囲気」のラインのふたつで展開しています。

「引き振袖」を主体とした婚礼の着物周りを製作

また、来年2月に新たに婚礼事業部を立ち上げます。

今までも打ち掛けなどご依頼いただこくことはあったのですが、今回弊社の一事業部として「引き振袖」を主体とした婚礼の着物周りを製作していくこととなります。

それぞれ違いのあるものづくりですが、手仕事で生み出されるという根底は同じです。
繊細な色味を表現し、職人の美しさを追求した技術で、「本当に上質なもの」を制作し続けていくことが両ブランドの存在理由だと考えています。

今回コロナウイルスの世界的な流行によって、価値観や考え方が大きく変化したと思います。多くの人が同じ場所に集まることが避けられるようになり、今までと違う方法でビジネスを考えざるを得ない状況になりました。

弊社は大量生産ができない小さなものづくりの会社ですので、もとより多くの方への対応力はありません。ですが、お一人お一人に向けた丁寧なものづくりという昔からの仕事の仕方が、これからの時代には案外フィットするかもしれないと思っています。

作り手として、その方が美しく映える着物を制作し、お客様がお召しになる場や背景に叶うコーディネートをご提案することはもとより、着物に関する不安や困りごとをクリアにし、お客様に純粋に着物を装う愉しみを感じていただくお手伝いができるようになりたいと思っています。

「本当に上質なもの」を制作し続けていく

60周年・継承記念展示会のお知らせ

来春、60周年・継承記念展示会を開催いたします。
『藤井寛』『RITOFU』の新作や、今までの藤井寛の作品で人気の高かったものを復刻し展示いたします。多くの方にご覧いただけましたら幸いです。

 60周年・継承記念展示会
 2021年4月16~18日

しまだいギャラリー
http://shimadai-gallery.com
京都市中京区御池通り東洞院西北角
(地下鉄烏丸・東西線「烏丸御池」駅下車、1番出口より1分)

純粋に着物を装う愉しみを感じていただくお手伝いができるように

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