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いよいよお披露目!宮川町新歌舞練場「三ツ輪座」解体新書

いよいよお披露目!宮川町新歌舞練場「三ツ輪座」解体新書

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今夏、宮川町歌舞練場の開場式が執り行われました。11月1~9日に開催される『杮落し公演』より一足早く、世界的に活躍する建築家・隈研吾氏が手掛けた新歌舞練場「三ツ輪座」の魅力に迫ります。

開場式で「三ツ輪座」の門出を祝う

去る5月23日――400名もの来賓・関係者が集い、新たな歌舞練場の開場式が行われました。

大石さんの挨拶

2022年に建て替え工事が始まり、2025年3月に竣工した宮川町歌舞練場「三ツ輪座」は、最新の舞台設備や照明・音響装備を備え、宮川町の新たな拠点となります。

その門出を祝うために執り行われた式典では、締めに、宮川町の舞踊師匠である若柳流五世宗家家元・若柳吉蔵氏をはじめとする講師陣による祝舞「菊の泉」、芸舞妓による新曲「寿拍子舞」も披露されました。

舞のシーン
開場式

公演中、天井と壁の木組みは目立たないようになる

デザイン監修は、あの隈研吾氏!

コロナ禍の延期を経て2021年夏に開催された「東京オリンピック・パラリンピック」のメインスタジアムとなった国立競技場の設計に携わったことでも知られる隈研吾氏が、新歌舞練場「三ツ輪座」のデザイン監修を担当しました。

その他にも、東京・目黒区にあるスタバや京都にある「koé donuts kyoto」の店舗デザインを手掛けるなど、世界的に活躍する建築家です。

舞台正面

舞台正面には、旧歌舞練場にあった立派な唐破風の欄間が取りつけられている。天井から壁へと細木のフレームが組んであるのも特徴的

歌舞練場の設計は初めてだという隈氏。オファーを受けたときのことを振り返って、

「直感的にすごく面白い仕事だなと思いました。花街の歌舞練場の設計は初めてですが、近代の産物にはない地域と密着した存在だと思いましてね。そういう建物に関われるのはとても面白いと思い、わくわくしながら設計しました」

と語ります。

ホワイエ

1階ホワイエから地下1階ホワイエへと、その壁は竹の簾虫籠で覆われている。天井部分には旧歌舞練場の舞台にあった竹簀子(ブドウ棚=背景や仕掛け物を吊って動かしたり、舞台上に花やびらや雪に見立てた紙吹雪を降らせたりするのに使用する格子)も設置されている

「日本建築の中で一番大事なのは形より素材だと思っています」と言う隈氏が、今回意識したのは随所に盛り込んだ”宮川町らしさ”。

メインの劇場内部全体のデザインテーマは木のフレームとし、ホワイエには簾虫籠すむしごが設置されています。

景観に溶け込む外観の古色の濃さにも苦心するなど、宮川町のもつ落ち着いた雰囲気が継承されるように様々な工夫が施された新たな歌舞練場が誕生したのです。

大石美千代さんに訊く!「三ツ輪座」への想い

歌舞練場三ツ輪座での『杮落し公演』を前に、学校法人東山女子学園理事長であり宮川町お茶屋組合組合長でもある大石美千代さん(お茶屋「堀八重」女将)にお話をお伺いしました。

大石美千代さん

唐破風が再現された三ツ輪座正面玄関の前にて

――新歌舞練場三ツ輪座を初めてご覧になったときの感想はいかがでしたか。

「私は小学校のときに宮川町に寄せていただき、その頃から旧歌舞練場の大屋根を見て育ちました。どんなことがあっても、大屋根を見ると『がんばろう』という気持ちになります。

新しい歌舞練場ではこの大屋根が同じ高さで復元されています。大屋根をまた見ることができたときは感動しました。ほんまに嬉しおした。デザイン監修をお願いした建築家・隈研吾先生の『街をデザインする』というお考えの下、計画地域全体が伝統を継承しつつ現代的なものに生まれ変わることとなりました。歌舞練場はほんまに大事な心の支えどすし、宝物どす。ぜひ見に来とくれやす

――新たに生まれ変わった宮川町歌舞練場に寄せる想いをお聞かせください。

歌舞練場の大屋根は鴨川の向こう岸からも見える宮川町のシンボルどす。真新しくなった歌舞練場で、芸舞妓も一層気持ちを新たにお稽古に励むことができると思てます。

そういうお稽古の積み重ねで、恒例となっている春の『京おどり』や秋の『みずゑ會』がより良い舞台になるよう願っております。杮落し公演の後、来春には第75回記念となる『京おどり』を開催する予定どす。どうぞご期待ください」

※京おどり……4月1~16日に行われる、1950(昭和25)年から続く春のおどりの舞台。圧巻は、なんといってもフィナーレを飾る「宮川音頭」。芸舞妓による総踊りで、衣裳の袖が触れ合わんばかりの距離で一斉に舞う華やかさは京の春を寿ぐに相応しい。

※みずゑ會……雅な唄と舞で一年間の芸の成果を披露する公演。演目と出演者は日替わりで、10月中旬に4日間にわたって行われる。総踊りで締めくくる「宮川小唄」が有名。1971(昭和41)年より途絶えていたが、2006(平成18)年に35年ぶりに復活した。

大石さん

――「花街ことば」の魅力とは?
 

「京都には地域やその世界によっていろいろな『京ことば』があります。中でも、花街の『京ことば』は独特どすが、本当にはんなりと聞こえます。また、日本中どこに寄せてもろてもすぐに分かってもらえます。大事に大事に、残していかなあかんことばやと思てます

――撮影時の装いについて、教えてください。

「お茶屋組合でお祝いごとがあった日どしたので、それに相応しい一ツ紋の着物と帯を着させてもらいました。私が着物を着るときにとくに気をつこうてますのは、衿元どす。衿元がしっかりしてませんと何かしゃんとしまへん。一番大事やと思てます」

大石さん全身

「三ツ輪」は宮川町の紋章

開催概要

宮川町歌舞練場三ツ輪座『杮落し公演』
会期:2025年11月1日(土)~11月9日(日)※11月5日(水)は休演日
1日2回公演
1回目13:00~/2回目16:00~ ※11月4日(火)・6日(木)は2回目のみ
会場:宮川町歌舞練場三ツ輪座( 京都府京都市東山区宮川筋4丁目)
料金:【観劇チケット(全席指定・税込)】
10,000円

●問い合わせ先:宮川町お茶屋組合
●電話番号:075-561-1151(10:00~16:00/土日祝を除く)
●公式HP: https://www.miyagawacho.jp
●公式X(旧Twitter):@miyagawa_kabu
●公式Instagram:@kyo_odori_miyagawacho

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