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浴衣を年中、楽しもう。 着物インフルエンサー・さんかくさんの浴衣本『さんかく浴衣のススメ』「きものと編集部の注目アイテム」vol.5

浴衣を年中、楽しもう。 着物インフルエンサー・さんかくさんの浴衣本『さんかく浴衣のススメ』「きものと編集部の注目アイテム」vol.5

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キモノインフルエンサー・さんかくさんの『さんかくキモノのススメ』に続く著書『さんかく浴衣のススメ』(主婦と生活社)が6月13日に出版されました。本に込めた想いや、一年の半分以上は浴衣を着ているというさんかくさんに、快適な浴衣ライフの送り方を伺います。

2025.05.02

よみもの

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さんかくさんの最新著書『さんかく浴衣のススメ』が発売に

フォトグラファー兼キモノインフルエンサーとして活動し、SNSの総フォロワー数が40万人を超えるさんかくさん。

「疲れたら脱げばいいじゃない!」のスタンスで、洋服の上に着物を重ねた唯一無二の着こなしや、アニメキャラクターの概念コーデで話題を集めています。

2024.12.21

インタビュー

さんかくさん

そんなさんかくさんによる浴衣入門書『さんかく浴衣のススメ』(主婦と生活社)が6月13日に出版されました。

『さんかく浴衣のススメ』(著:さんかく/主婦と生活社)

『さんかく浴衣のススメ』(著:さんかく/主婦と生活社)

昨年4月、さんかくさんは自身初の著書となる『さんかくキモノのススメ』を出版。

『さんかくキモノのススメ』(著:さんかく/主婦と生活社)

『さんかくキモノのススメ』(著:さんかく/主婦と生活社)

本自体は大ヒットしましたが、書店さんへの挨拶回りや出版イベントで全国を周るなかで感じたことがありました。

それは、「いかに着物は肩身が狭いか」ということ――

「本屋さんの着物コーナーは、ごくわずか。私は着物の世界で生きていますが、世間一般では、ほんのひと握りの人たちだけが触れている世界なんだな、ということを実感したんです」

一方で、夏場になると本屋には浴衣の本が並び、浴衣を着てお祭りに向かう人とすれ違うことも。

「浴衣の本だったら、もっと多くの人に手に取ってもらえるんじゃないか。そしてそこに、着物にも挑戦したくなるようなトラップを仕掛けておけば着物人口も増えるかも……?」

そんな思いから、さんかくさんは出版社に浴衣本の企画を提案し、昨年夏から出版に向けて動き出しました。

「一年の半分以上は浴衣を着ています!」

本のテーマはズバリ、「Yukata All Year Round(浴衣を年中、楽しもう)」

裏地のない単衣は通常、季節の変わり目である6月や9月に着るものですが、近年は温暖化に伴ってほぼ一年を通して着る方も増えています。

「じゃあ、TPOさえ守っていれば、浴衣も年中着ていいんじゃない?」というのがさんかくさんの考え。

「浴衣なら夏は涼しいし、冬も扱いやすくて暖房で苦しまなくてもすむ」ということで、さんかくさんも一年の半分以上は浴衣を着ているといいます。

『さんかく浴衣のススメ』(著:さんかく/主婦と生活社)

『さんかく浴衣のススメ』(著:さんかく/主婦と生活社)

所持している浴衣はおよそ30着。

定番の半幅帯や兵児帯、着物のように着るための名古屋など、形を問わず17本の帯で、さんかくさんは浴衣ライフを楽しんでいます。

お気に入りの浴衣のなかの一枚が、こちら。

さんかくさんの和姿

黒地に赤でストライプのように梅の花があしらわれたレトロクールなこちらの浴衣には、「母が父とデートの時に着ていたそうです」という素敵なエピソードも。

また、本の表紙で着用している墨流しの浴衣もお気に入りの一枚。

『さんかく浴衣のススメ』(著:さんかく/主婦と生活社)

『さんかく浴衣のススメ』(著:さんかく/主婦と生活社)

こちらは着物ディレクター・CHOKOさんのブランドから発売されたもので、どこかダークネスな雰囲気がありながら、夏場も涼しげに着こなせるのがお気に入りのポイントだそうです!

さんかくさんの影響で、旦那さんも和服に興味を持ち、最近では夫婦で充実した浴衣ライフを送っているそう。

本にはメンズ浴衣のコーナーもあるので、夫婦浴衣やカップル浴衣も一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

2024.12.21

インタビュー

無類の着物好きが編み出した自在な着方 キモノ好きフォトグラファー さんかくさん(前編)

快適な浴衣ライフのために

今年の夏こそは浴衣を着たい。

だけど、夏はとんでもなく暑いし、出かけてる途中に苦しくなったらどうしよう……

こんなふうに迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

さんかくさんも初心者の頃は、浴衣で出かけている途中に気分が悪くなり、脱いだ経験があるそう。だからこそ、浴衣においても慣れるまでは、「洋服の上から着て、疲れたら脱ぐ」のセオリー適用がおすすめ、と言います。

「浴衣の下に薄手のキャミワンピを着て、バッグの中にはカーディガンなど羽織るものを入れておきます。これでいざというときには浴衣を脱いで洋服になれますよね。

個人的には、身体にスポーツタオルを一枚身につけておくと締め付けが楽だな〜と思いました」

頻繁に着るからこそ、なるべく楽な方法を見つけたいもの。

さんかくさんは自宅で浴衣を着るときは帯をつけず、伊達締めだけで過ごすことも。昔の映画や小説に登場する女性のように、ルームウェアのように浴衣を着こなすのが憧れだったそうです。

『さんかく浴衣のススメ』(著:さんかく/主婦と生活社)

『さんかく浴衣のススメ』(著:さんかく/主婦と生活社)

ただ、さんかくさんは“TPOは守る派”。どこまでならOKで、どこからはNGかという基準は難しいところですが……

「私の場合、お相手との関係性やシーンに相応しいかどうか?を考えます。

例えば、同い年の友達と行く椿山荘のアフタヌーンティはOK。でも、帝国ホテルでいただく元上司とのディナーには着ていかないというイメージ。目上の人とご一緒する時には、丁寧にしすぎるってことはないだろうと思い、つけ襟をしていくこともあります!」

一方、浴衣は古代に人々が入浴時に着ていた「湯帷子(ゆかたびら)」がルーツになっていることから、いまだに「浴衣は人前で着るものではない」と思っている方も。

他にも、

「夏以外に浴衣を着るなんて!」
「浴衣にスニーカー?」
「日の高いうちから浴衣はちょっと……」

などなど、いわゆる“着物警察”と呼ばれる方に指摘されるのではないかと心配になるかもしれませんが、さんかくさんは「気にしないのが一番」だと言います。

「きっと“怯えた心”が、そういう人を呼びよせるのではないかなと思います。堂々としていると、意外と指摘されたことはありませんよ(笑)!」

と心強いメッセージをいただきました。

また、気になるのはお手入れ方法。たまにしか着ない場合はクリーニングに出すのも一つの手ですが、さんかくさんのように頻繁に着る方はご自宅で手洗い、または洗濯機のおしゃれ着洗いコースでもOK。

さんかくさんは、

「家に帰って脱いだら、畳んだ状態でネットに入れて洗濯機。それが終わったら着物ハンガーにかけて干す!それだけです。真夏は頻繁に着るので、ネットにも入れず洗ってます」

とのこと。

よっぽどシワが目立つ場合はスチームアイロンをかけるものの、基本は着物ハンガーにかけておけば、重さで勝手にシワが伸びるそう。そんな風に肩肘を張らず、自分が心地よいやり方で浴衣を楽しみたいと思いました。

2024.12.21

インタビュー

和にも洋にもなじむバッグを キモノ好きフォトグラファー さんかくさんの愛用品

浴衣が着れるなら、着物も……という願いを込めて

さんかくさん

この本を通じて、着物にも浴衣にも馴染みがない方に「浴衣は意外と簡単に着れるし、楽だし、おしゃれだよ」と伝えたかったという、さんかくさん。

できれば、浴衣に慣れてきたら着物にもチャレンジしてみてほしいという思いを込め、さりげなく本の中に着物の魅力を忍ばせました。

今日は長襦袢もつけて大人顔浴衣に。名古屋帯を締めて、帯締め帯揚げも選んでみよう――

そこまでくれば、着物の入り口に立ったようなもの!

着物に挑戦してみたいけど、まだハードルが高くて……という方は、まずさんかくさんの本で浴衣をマスターするところから始めてみてはいかがでしょうか。

一方、きもの愛好家のみなさまに向けては、本に書いてあることは「ひとつの提案」として受け止めてほしいといいます。

「こんなやり方もあるのね。私だったらこうするわ!という気持ちで読んでほしいです」

2年連続で著書を出版し、働き詰めだったさんかくさん。ワークライフバランスを整えるため、「今がピーク。来年はしっかり休むぞ!」と己を奮い立たせて目の前のお仕事に励んでいるそうですよ。

現在、各地で『さんかく浴衣のススメ』の出版イベントが開催されています。ぜひ気になった方は、今のうちにさんかくさんに会いに行ってみては?

イベントなどの情報はさんかくさんのInstagramXをチェックしてください!

◆ 読者プレゼント ◆

読者プレゼント

きものと読者の方から1名様に、さんかくさん直筆サイン入りの『さんかく浴衣のススメ』をプレゼント!下記リンクより、お使いのSNS経由にてご応募お待ちしております。

◆インスタグラム
https://www.instagram.com/kimonoto__

◆X
https://x.com/kimonoto___

※応募期間:2025年6月25日(水)

文・構成/苫とり子

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