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任天堂らしい遊び心溢れる『丸福樓』前編【YouTube連動】「紗月がゆく!着物で行きたい京の宿」vol.9

任天堂らしい遊び心溢れる『丸福樓』前編【YouTube連動】「紗月がゆく!着物で行きたい京の宿」vol.9

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2022年4月に任天堂旧本社社屋を改装して、開業したホテル『丸福樓』。任天堂やゲームファンはもちろんのこと、建築好きの心をくすぐる館内を散策します。

よみもの

紗月がゆく!着物で行きたい京の宿

任天堂の旧本社社屋を改装したホテルを訪問

正面橋にてMCの紗月さん

日本の伝統文化や歴史が息づく千年の古都、京都。世界中から多くの観光客が訪れるこの街には今、さまざまなコンセプトを持った新しい宿泊施設が生まれ続けています。

祇園甲部で10年間、芸舞妓として人気を集め、引退後は本名の「るな」で活動中の紗月さんがMCを務める新企画「紗月がゆく!着物で行きたい京の宿」。

思わず着物で行きたくなる京都の宿を紹介します。

京都七条と五条の間で鴨川にかかる正面橋。そのすぐそばに紗月さんが以前から気になっていたという今回の宿があります。

任天堂旧本社社屋を改装したホテル『丸福樓』

任天堂旧本社社屋を改装したホテル『丸福樓』

その名は『丸福樓』。日本が世界に誇るゲームメーカー・任天堂の旧本社社屋を改装したホテルです。任天堂ファンの心をくすぐる遊び心満載の館内を探索します。

では、今回もまずは紗月さんの素敵な装いをご紹介しましょう。

爽やかさと上品さを兼ね備えたこちらの訪問着。

おぼろ調の地紋を浮かべた紋意匠地に、淡い水色を基調とし、背景に薄っすらとアイボリーのぼかしも加えた 「麗花唐草」模様が表現されています。

アイテム帯

袋帯は白銀色と白鼠色のぼかしを基調としつつ、一面に銀糸を織り混ぜた帯地にモダンな華文を込めたフォーマル帯。

アイテム小物

帯締めは水色と桜色、そして金の組み合わせ。
帯揚げは淡い洒落柿色のぼかしで、全体的に柔らかい雰囲気に纏めあげました。

今回はこちらの装いで伺ってまいります!

今回はこちらの装いで!

建築ファンにも愛されるホテル『丸福樓』

宿泊部門スタッフの中村百花さんにインタビュー

宿泊部門スタッフの中村百花さんにインタビュー

任天堂の旧本社社屋は、なぜホテルに生まれ変わるに至ったのか。館内をめぐる前に宿泊部門スタッフの中村百花さんにお話を伺います。

創業当時の銘板

創業当時の銘板

先日「Nintendo Switch 2」を発売したことでも大きな話題となっている任天堂は、1889年にこの地で始まりました。

ゲーム会社として知られている任天堂ですが、当時の会社名は『任天堂骨牌』。骨牌はカルタのことで、当初は花札の製造をしていたのです。

任天堂の原点とも言える花札

任天堂の原点とも言える花札

日本で初めてトランプを製造した企業も任天堂。70年代に突入してからは家庭用ゲーム市場に参入し、ファミコン、ゲームボーイ、DS、Wii、Switchと、さまざまなゲーム機をヒットさせてきました。

そんな任天堂の本社は2000年に移転。長らく非公開だった旧本社社屋を改修し、2022年4月に開業したのが『丸福樓』です。ホテルとしての活用は創業者である山内房治郎さんのご家族たっての希望だったのだとか。

インタビュー中の紗月さん

旧本社社屋は事務所棟と倉庫棟、創業者が住んでいた住居棟の3棟からなり、ホテルは新たに建築された新築棟を加えた計4棟で構成されています。

お部屋は全部で18室と限られており、特別感満載。

中村百花さん

中村さん曰く、昨年10月に「ニンテンドーミュージアム」が宇治小倉工場の跡地にオープンしたこともあり、そちらを見学後に宿泊するお客さまも増えたといいます。

=社名が記された木箱

世界に誇るゲーム企業のため、日本のみならず海外からの旅行客も多いのだとか。しかし、訪れるのは任天堂ファンやゲーム愛好家だけではありません。

旧本社社屋の建物は昭和初期に日本でも流行していたアール・デコ様式となっており、直線的なデザインや幾何学的模様のモチーフが至るところに散りばめられています。

アール・デコ様式の小窓

アール・デコ様式の小窓

また新築棟は世界的建築家・安藤忠雄氏が設計監修を務めていることからも、建築ファンにとっても堪らないホテルとなっているのです。

なお、現在4つの建物は任天堂が製造していたトランプにちなみ、スペード棟(旧事務所棟)、ハート棟(旧住居棟)、クラブ棟(旧倉庫棟)、ダイヤ棟(新築棟)と名付けられています。

任天堂らしい遊び心溢れる館内へ

スペード棟の2階に突如現れるデジタルアート

スペード棟の2階に突如現れるデジタルアート

そんな『丸福樓』の館内は任天堂らしい遊び心に溢れています。例えば、こちら。レセプションやラウンジがあるスペード棟の階段を上ったところに現れるこのスペースは一体……!

まるで異空間に迷い込んだみたいですが、実はこちら一歩足を踏み入れると映像が変化するデジタルアートなんです。

紗月さんも異空間を堪能

Perfumeのステージ演出などを手掛けるクリエイティブ集団『rhizomatiks(ライゾマティクス)』の作品で、驚くべきはAIがデザインしていること。

世界の図書館や公会堂、教会をイメージしながらも、非現実的な世界が広がっています。

セルフでカクテルが作れるミニバー

セルフでカクテルが作れるミニバー

続いて案内していただいたのはミニバーですが、中村さんから「こちらはバーテンダーがおりません」と驚きの言葉が。

なんとここは宿泊客がカウンターの中に入り、セルフでカクテルを作れるバーなんです。「じゃあ、バーテンダーさんになれちゃうということですか?」と紗月さんの好奇心もくすぐられます。

滞在中は全て飲み放題

お酒はオールインクルーシブで、滞在中は飲み放題なのも嬉しいポイント。
他の宿泊客と交流でき、実際にここで仲良くなる方もいらっしゃるのだとか。

バルコニーもあるので、天気が良い日には外に出てお酒を飲むことができます。塀が外からの目線を遮ってくれるので、心置きなく寛げるのも魅力。

「趣きがあって素敵です」と紗月さんもすっかり気に入ったご様子でした。

任天堂の精神が詰まったライブラリーでオリジナルスイーツを実食

ライブラリー「dNa(ディーエヌエー)」

ライブラリー「dNa(ディーエヌエー)」

今回は最後にミニバーと同じフロアにあるライブラリー「dNa(ディーエヌエー)」を案内していただきました。

創業家である山内家が解釈する任天堂の歴史・文化を体現した空間で、貴重な書籍や品々が展示されています。

任天堂の精神を表す品々

任天堂の精神を表す品々

例えば、ガラスパネルに記された「独創」は、「従来とは違うこと、他とは違うことにこそ価値がある」という任天堂が最も大事にしてきた精神を表している言葉です。

任天堂3代目社長・山内溥氏の部屋に置かれていたダルマを再現したもの

また、紗月さんが気になったこちらは任天堂3代目社長・山内溥氏の部屋に置かれていたダルマを再現したもの。
山内溥氏は常に野心を燃やし続けた方で、「自分が立てたゴールに対して永遠に達成することはない」と常々おっしゃっていたそうです。

そのため、あえて片方の目は塗りつぶさずに置いてあるのだとか。

中村さん

そうした任天堂の精神に触れることができるライブラリーは、夜11時まで出入り自由。
バーと合わせて一日中ホテル内で楽しく過ごすことができます。

ラウンジで提供されている味噌バターケーキとチーズクッキー

ここで、ラウンジで宿泊者に提供されるオリジナルの味噌バターケーキとチーズクッキーをいただくことに。

まずは珍しい味噌バターケーキから。宿泊者から大変好評なようで、紗月さんも「お味噌の香りがほんのりしてて、美味しいです」と、ここでしか味わえないスイーツを堪能しました。

ホテルオリジナルのスイーツを堪能した紗月さん

チーズクッキーも先ほどのケーキと一緒にホテル内の厨房で作られています。
紗月さんの感想は「美味しい!お酒に合いそう」とのこと。

どんなお味なのか、ぜひホテルに泊まって確かめてみてください。

見どころが満載のホテルで、ゆったりとした時間の流れを味わった紗月さん。
次週は引き続き中村さんに、客室を案内していただきます。お見逃しなく!

次週は客室へ

次週は客室へ

紗月さんファン必見!オフショット

今回は鴨川に架かる『正面橋』から撮影開始です!

今回は鴨川に架かる『正面橋』から撮影開始です!

アール・デコ調の館内は着物との相性も抜群です

アール・デコ調の館内は着物との相性も抜群です

セルフでお酒を作るバーは会話も弾みそう!

セルフでお酒を作るバーは会話も弾みそう!

ベランダの外で飲むこともできます

ベランダの外で飲むこともできます

どこで写真を撮っても絵になります♪

どこで写真を撮っても絵になります♪

美味しいオリジナルスイーツを堪能

次週もお楽しみに!

文章/苫とり子
撮影/弥武江利子

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