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晩冬の候―小寒から大寒「感じたい、七十二候」vol.6

晩冬の候―小寒から大寒「感じたい、七十二候」vol.6

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お正月休みも終わるころには「寒の入り」となって、いよいよ寒さが厳しくなりますが、「冬来たりなば春遠からじ」といわれるように、その寒さの中で、ごく微かに春を迎える準備がはじまります。

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本年もどうぞよろしくお願いいたします。

令和七年が明けました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

新しいカレンダーで迎えた新年。

お正月休みも終わるころには「寒の入り」となって、いよいよ寒さが厳しくなりますが、「冬来たりなば春遠からじ」といわれるように、その寒さの中で、ごく微かに春を迎える準備がはじまることを七十二候は教えてくれます。

小寒のころ

小寒

二十四節気の「小寒」には、

芹乃栄せりすなわちさかう
水泉動しみずあたたかをふくむ
雉始雊きじはじめてなく

の三つの候があらわれます。

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第六十七侯/芹乃栄せりすなわちさかう 一月六日~十日ごろ

芹乃栄

無病息災を願って食べる七草粥に入れる青菜(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな/かぶ、すずしろ/だいこん)の中でも、ひときわ香りが爽やかな「せり」。

粥や鍋ものとの相性もよく、古くから食べられてきた食材で、沢といった水辺に、それこそ競り合うように茂る植物で、根まで美味しく食べられるそう。

第六十八侯/水泉動しみずあたたかをふくむ 一月十一日~十五日ごろ

水泉動

厳しい寒気で川や池では氷も張る時期ですが、すでに春に向かっている地中から湧いて出る泉の水は、凍ることもなく流れでてくることを表しています。

実家に帰省すると、地下水から汲みあげる水で生活をしているのですが、インフラの水道水ほど冷たくないので、素手で洗い物もできるほどです。

まさに「あたたかをふくむ」水を実感します。

第六十九侯/雉始雊きじはじめてなく 一月十六日~二十日ごろ

蒙雉始雊

キジは日本の国鳥で、雄の赤い面に、胸元から腹にかけて紫と緑色に輝く体と、翼と尾の羽模様が美しい鳥です。

今では食卓に上がることはまずありませんが、古くから食用として狩猟もされてきました。

まだ寒いうちから鳥たちの求愛活動が始まりますが、キジの雄は翼をバタつかせながら「ケーン、ケーン」と声を張り上げて鳴きます。

大寒のころ

大寒

二十四節気の「大寒」には、

款冬華ふきのはなさく
水沢腹堅さわみずこおりつめる
鶏始乳にわとりはじめてとやにつく

の三つの候があらわれます。

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第七十侯/款冬華ふきのはなさく 一月二十一日~二十四日ごろ

款冬華

寒さ厳しい季節でも、日に日に強くなる太陽の光を受けてフキノトウが芽吹き始めます。

薄雪がある地面からでも、ちょこんと頭をのぞかせているのを見ると、春が来る知らせを受け取ったようで嬉しくなりますね。

天ぷらにしたり佃煮にしたりして食べますが、香りもよく、独特の苦味に春を先駆けようとする強い生命力を感じます。

第七十一侯/水沢腹堅さわみずこおりつめる 一月二十五日~二十九日ごろ

水沢腹堅

「寒」にふさわしい寒気に覆われる時期です。

寒中の水は濁りにくく水質が良いことから、お酒や醤油の寒仕込みに使われるのだとか。

また昔から沢に張った水から作られた天然氷は、古来の方法で保管され、今もお酒や料理、かき氷などに活かされています。

第七十二侯/鶏始乳にわとりはじめてとやにつく 一月三十日~二月三日ごろ

鶏始乳

「とや」とは鳥を飼っておく小屋や巣のことで、ニワトリが卵を産み始めるとされる時期だそう。

ニワトリは古くから夜が終わり朝の到来を告げる霊鳥として扱われてきましたが、二月ごろから春の時期に産む卵は、養鶏が始まる以前の時代には、とても貴重な食べものでした。

春の到来も少しずつ近づいて

鶏始乳にわとりはじめてとやにつく」という候が終わると、いよいよ立春を迎えます。

キジやニワトリなど、七十二候には鳥がよく登場しますが、太陽の光の違いを感じるのか、まだ芽吹く前の木々の枝にとまる野鳥の、動きも鳴き声も活発になってきます。

小鳥の模様の着物や帯からも、春の到来が近いことを感じられる時期でもあります。

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