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もやもやが晴れた理由 きくちいまが、今考えるきもののことvol.3

もやもやが晴れた理由 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.3

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テンションの上がるきものの存在は、わたしが思っているよりもずっと大きかったようでした。きものには、きもの好きの人たちの元気を保ってくれる作用があるに違いありません。

テンションの上がる着物が必要!

毎日毎日、わたしにできることは何だろう、と考えています。

「その姿を描けば疫病退散の魔除けになる」という伝説の妖怪「アマビヱ」も描きました。
厄除けの鱗柄や繁栄を願う波柄を背景にして。
でも、絵を描き上げても、気持ちは晴れません。

どうせステイホームならばと、何年もずっと見ないふりをしていた物置の片付けにも着手しました。
タンスの整理も、衣替えを含めてひと通り終了。
家の中が片付いたのだから、もっとすっきりしてもいいはずなのに、たまっていくもやもや。

使い捨てマスクが手に入らず、家にある布を使って家族の分を縫いまくり、とうとう白い糸を使い切ってしまいました。
縫いあげた達成感もあるはずなのに、なぜか胸の内側にこびりついているもやもや。

もやもやの正体がわからないまま、日常を過ごしていました。
ちなみにわたしは、木綿のきものに半幅帯、家事のときはプラス割ぽう着、というのが日常のスタイルで、たまに出かけるときは紬やお召しに名古屋帯、という感じです。一年にあらわすと、365日のうち、ふだん着のきものが295日、おでかけのきものが60日、お茶席や入学式卒業式などの行事関係、お祝い関係のフォーマルが5日、体調不良で寝込むパジャマの日と乳がん検診の日を足して5日、というのがだいたいの内訳です。

先日、延期に延期を重ねた娘の入学式が、たった15分間というスピード開催で執り行われました。
短時間とはいえ、記念すべきお祝いの日。
わたしは一つ紋のついたお気に入りの付下げに袋帯を二重太鼓にして、手作りマスクと帯締めの色をリンクさせた春らしいコーディネートで参加しました。
わたしの他にもきもの姿のお母さんがちらほら。
辻が花あり、友禅あり、眼福のひとときでした。
不思議なことに、その日から、もやもやが消えています。
フォーマルのきものを着たこと、間近できもの姿を見たことで、しつこかったもやもやが雲散霧消したようなのです。

テンションの上がるきものの存在は、わたしが思っているよりもずっと大きかったようでした。きものには、きもの好きの人たちの元気を保ってくれる作用があるに違いありません。
わたしの場合、いつも着るきもののコーディネートが変わり映えしないからテンションが上がらないのだ、ということに気が付きました。
うきうきするニューアイテムを投入しなければ!これもある意味、支援のひとつかな、なんて思っています。

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