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タフで身軽な器量好し！　祇園甲部・槇子さん「令和の芸舞妓図鑑」vol.13

タフで身軽な器量好し！　祇園甲部・槇子さん「令和の芸舞妓図鑑」vol.13

2024.09.15 （2024.09.04 更新）

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京都の寺社仏閣や芸舞妓さんの写真で注目を集める写真家・小見直人さん。日々更新される彼の作品から、きものと版「令和の花街図鑑」をお届けします。13人目は、祇園甲部の芸妓・槇子さん。Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』記事にもご登場くださった槇子さんの美しさをご堪能ください。

ご本人コメント

うちが舞妓に出たときは同期だけでも15人ほどいたんどすけど……そのころに、とあるお姉さんから「同じことをしててもあかん」とアドバイスをもらったことがあります。「顔が別嬪か、気立てが良いか、舞が上手か、会話が出来るか、お酒が飲めるか」、何かしら秀でたものが必要やと言うてもうたことを、いまでも大事にしています。すぐには見た目は変えられしませんし、急に舞や話術が上達するわけやおへんので、お酒やったら…と思て気張ってました。お酒は好きな方やので、やらかさないように気をつけながら、いつも楽しく飲ませてもうてます（笑）。

今年の『都をどり』は第百五十回記念公演どした。朝早うから髪を結うたり解いたり、十二単に振り回されたりと一か月大変どしたけど、やり遂げることができて良かったです。例年、千穐楽の翌日のお昼間に、お師匠さんたちを囲んで芸妓が全員揃っての打ち上げがあるのどすけど、無事に終わったことでホッとするのと嬉しいのとで、前夜に弾ける人や疲れ切った子もいて、毎年何人か水しか飲めへんようになってるのも愛嬌どす（笑）。

この夏、お友だちが京都へ遊びに来てくれたときに、浴衣を着てみたいって言うてくれたので、うちがいつも着てるものを着付けてあげました。近所の喫茶店でお茶したりブラブラしたりしただけなんどすけど、「気持ちが変わる」と喜んでくれました。ただ身にまとうだけで不思議とテンションを上げてくれるのは、浴衣や着物のえぇとこどすね。

撮影後記

名古屋行ってもいてはるし、金沢でもお見かけするし、東京でもお会いするし……クローンが3体くらいいるのでは？と思わずにはいられない、“フッ軽”な（＝フットワークの軽い）芸妓さんです。お姉さんがタカラジェンヌさん※なことでも知られますが、先日お母さまのお写真を見せていただいて、「DNAがスゴイ！」と深く納得しました。この場でみなさんにお見せできないのが残念です。

※お姉さんがタカラジェンヌさん……宝塚歌劇団花組の男役スターとして活躍した愛音羽麗（あいねはれい）さん
愛音羽麗(@aineharei.official) • Instagram写真と動画
愛音　羽麗　-Aine Harei- のホームページ | 愛音　羽麗のオフィシャルホームページ

槇子さんは、今年の『都をどり百五十回源氏物語舞扇』での十二単姿もとても印象的でした。ご本人は「お衣裳に振り回されて、着替えるのも大変どした」とおっしゃってましたが、そんなご苦労は露ほども感じさせない美しさで、着物を見ているだけでも楽しめる公演でした。

「最近、お友だちの着付けを手伝うのが楽しかった」という夏の思い出を聞かせてくださったときに、何年か前に息子と太秦の映画村へ行ったことを思い出しました。新選組の恰好をさせてもらってテンションぶち上がっていた話をしたら、着るものひとつで見える景色が変わりますよね、とふたりで盛り上がりました。

せっかくなので、「きものと」読者の女性たちに向けて、美の秘訣を聞き出そうとしたのですが……「どんなに眠たくても頑張ってお化粧を落としましょう、くらいしか言えしまへん」とのことでした。参考にしてください（笑）。

1975年、京都市生まれ。京都調理師専門学校を卒業後、ソムリエデビュー。日本ソムリエ協会認定ソムリエ、同シニアソムリエ、同ソムリエエクセレンス取得。2009年から、京都にある著名なワインバーのカウンターに立つ。
趣味で京都の寺社仏閣、芸舞妓さんの撮影をしている間に、カメラにどっぷりハマってしまう。ライフワークとして、Instagram等で写真をアップする日々。二代目愛機は、SONYのα７Ⅳ。