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天井に描かれた双龍が有名な建仁寺。見どころは他にも盛り沢山!周辺おすすめスポットも併せて解説

天井に描かれた双龍が有名な建仁寺。見どころは他にも盛り沢山!周辺おすすめスポットも併せて解説

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京都市東山区にある建仁寺は、鎌倉時代から続く由緒ある禅寺です。建仁寺には、双龍図や風神雷神図屏風などの見どころがたくさん。今回は双龍図やそれ以外のさまざまな見どころと、周辺エリアの名所について紹介します。

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京都市東山区にある建仁寺は、1202年創建の由緒ある禅寺です。今回は、建仁寺の見どころや周辺情報についてご紹介します。建仁寺に似合う着物も紹介しますので、着物で建仁寺を訪れたい人はぜひ参考にしてください。

建仁寺とは

建仁寺

建仁寺は、京都市東山区にあるお寺です。臨済宗建仁寺派の総本山で、京都で最も古い禅寺といわれています。

まずは、建仁寺の基本的な情報と歴史をご紹介します。

建仁寺 基本情報

名称 大本山建仁寺
アクセス 【バス】
市バス「東山安井」より 徒歩5分
【電車】
京阪電車「祇園四条駅」より 徒歩7分
阪急電車「河原町駅」より 徒歩10分
住所 京都市東山区大和大路通四条下る小松町
拝観時間 10時~17時(受付は16時30分まで)
拝観料 一般800円、学生(小・中・高) 500円
※小学生未満は無料
※障害者手帳をお持ちの方は無料(介助は有料)
公式URL https://www.kenninji.jp

建仁寺の歴史

建仁寺の歴史

建仁寺は、1202(建仁2)年、栄西禅師により開山されました。当初は天台宗、真言宗、禅宗の3つの宗派の道場でしたが、1240年代半ばから1250年にかけて起きた度重なる火災とそこからの復興を経て、1259(正元元)年に本格的な禅の道場となります。

室町時代に入ると、建仁寺は「京都五山」と呼ばれる5つの禅寺のうち、第三位の格を持つ寺として手厚い保護を受けるようになりました。

室町時代は京都五山を中心とした「五山文学」と呼ばれる漢詩文が非常に盛んだった時代です。建仁寺では、とんちで知られる「一休さん」こと一休宗純が漢詩を学び、その才能を開花させました。

戦国時代に入ると、建仁寺は大火で塔頭や法堂を再び焼失します。しかし、安国寺恵瓊(あんこくじえけい)がこれを再建。江戸時代には幕府の保護を受けるようになり、寺内の制度や学問が整備されていきました。

そして明治に入ってから臨済宗建仁寺派が分派独立し、建仁寺は建仁寺派の総本山となったのです。

建仁寺の外せない見どころ

法堂の「双龍図」

建仁寺法堂の「双龍図」

1765(明和2)年に上棟された法堂内部には、本尊である釈迦如来座像と脇侍の迦葉(かしょう)尊者と阿難(あなん)尊者の像が安置されています。

また、建仁寺といえばやはりこの天井画を語らずにはいられません。

建仁寺の法堂に入って上を見上げると、天井いっぱいに描かれた迫力の双龍図が。この双龍図は、2002(平成14)年に建仁寺の創建800年を記念して、日本画家の小林淳作画伯が描いたもの。阿吽の口をした2匹の龍は迫力たっぷり。

眺めていると、今にも大きな声を上げて動き出しそうな気持ちになります。

本坊の「風神雷神図屏風」

建仁寺本坊の「風神雷神図屏風」

本坊にある「風神雷神図屏風」は、江戸時代初期の画家、俵屋宗達の最高傑作のひとつといわれる屏風絵です。二曲一双、つまり2つの面を持つ1対の屏風絵で、右隻(右側)に風神、左隻(左側)に雷神が描かれています。

国宝指定を受けたオリジナルの風神雷神図屏風は現在、京都国立博物館に寄託されており、本坊で見られるのは高精細複製です。

複製とはいえ、最新技術と京都の伝統工芸を組み合わせた作品の再現度は非常に高いものです。躍動感あふれる風神雷神の姿を見ていると、宗達の絵に熱狂した江戸時代の人々の気持ちが伝わってきます。

方丈の「海北友松襖絵」

建仁寺方丈の「海北友松襖絵」

建仁寺の方丈には、桃山時代の画家、海北友松(かいほうゆうしょう)の手による襖絵が複数あります。どれも重要文化財に指定されている貴重な襖絵です。

襖絵は「雲龍図」「花鳥図」「竹林七賢図」「琴棋書画図」「山水図」の5枚。中でも有名なのは、立ちこめる雲の中を飛ぶ龍が描かれた「雲龍図」です。

仏法を守護する存在とされる龍は、禅寺を中心に多くの寺院に描かれています。建仁寺の方丈の「雲龍図」を見ていると、龍に見守られながら修行をしてきた建仁寺と僧たちの歴史が感じられ、自然と背筋が伸びます。

建仁寺のおすすめ周辺情報

日本三大ゑびすのひとつ「京都ゑびす神社」

京都ゑびす神社

建仁寺のすぐ近くにある京都ゑびす神社は、西宮、大阪と並ぶ日本三大ゑびすに数えられる神社です。

京都ゑびす神社は建仁寺と同様、1202(建仁2)年に栄西禅師によって建立されました。

室町時代以降は都七福神のひとつとされ、商売繁盛、家運隆盛はもとより、栄西禅師が無事に宋から帰国したことにちなみ、交通安全の神として信仰を集めています。

特に1月の十日戎には、大和大路通りに露店が立ち並び、福笹を求める参拝客で賑わいます。

アクセス 【バス】
市バス「四条京阪前」より 徒歩6分
【電車】
京阪電車「祇園四条駅」より 徒歩6分
住所 京都市東山区大和大路通四条下ル小松町125
参拝時間 8時30分~17時(御朱印受付は16時30分まで)
公式URL http://www.kyoto-ebisu.jp/

縁切り&縁結びに絶大な御利益あり!?「安井金比羅宮」

安井金比羅宮

建仁寺から西へ5分ほど歩いた場所にあるのが、縁切りと縁結びで有名な「安井金比羅宮」です。

安井金比羅宮の主祭神は崇徳天皇。保元の乱により寵姫と別れざるを得なかった崇徳天皇が、民が同じような悲しみに遭わずにすむよう、男女の縁を妨げる全ての悪縁を断ち切ってくれるといわれています。

御利益は恋愛以外の縁切りにも絶大といわれ、SNSなどでもしばしば話題になるほど。境内には、悪縁断ちを望む参拝者の姿が絶えません。

アクセス 【バス】
市バス「東山安井」より 徒歩1分
住所 京都市東山区東大路松原上ル下弁天町70
参拝時間 終日可能(御朱印やお守りの授与は9時~17時30分)
公式URL http://www.yasui-konpiragu.or.jp/

祇園らしいお茶屋が建ち並ぶ「花見小路」

花見小路

「花見小路」は建仁寺の北門から三条通まで続く道です。特に四条通と交差するまでの花見小路には、お茶屋さんやレストランなど京都らしい町家が立ち並びます。また、祇園の中心地であることから、舞妓さんが歩く姿を見かけることも。

花見小路には国内外から多くの観光客が訪れるため、散策時のマナー厳守を心がけなければいけません。

舞妓さんを見かけても追いかけたり道を塞がない、私有地には立ち入らない、町家の柵である犬矢来(いぬやらい)に寄りかからない、写真撮影禁止の場所で写真を撮らないなど、注意書きをしっかり守って散策を楽しみましょう。

華やかな舞台を楽しもう!「南座」

南座

京都・南座は、歌舞伎などが上演される劇場です。桃山時代風のデザインを取り入れた和風の外観は存在感たっぷり。建物全体が国の登録有形文化財になっています。

南座で行われる特に有名な演目は、11月末から12月末まで行われる歌舞伎の吉例顔見世興行。出演者の名前を勘亭流という字で書いた「まねき」と、まねきを掲げる「まねき上げ」は京都の年末の風物詩です。

南座では歌舞伎以外にも、ミュージカル、演劇、落語などさまざまな公演が年間を通して行われます。気になる公演があったらチェックして出かけてみてはいかがでしょうか。

アクセス 【バス】
市バス「四条京阪前」すぐ
【電車】
京阪電鉄「衹園四条」駅すぐ
住所 京都市東山区四条大橋東詰
電話番号 075-561-1155
公式URL https://www.shochiku.co.jp/play/theater/minamiza/

建仁寺に行くなら、シンプルな着物がおすすめ

「最小限、最低限のもので生活していくというのが私たちのやり方ですね。」これは、建仁寺のホームページに書かれている臨済宗建仁寺派の管長、小堀泰巖さんの言葉です。

このような考えのもと日々おつとめを行っている建仁寺。訪れるなら、シンプルな着物でその雰囲気に染まってみるのはいかがでしょうか。

柄なら、細やかな模様が入った江戸小紋、縦縞やよろけ縞などの定番柄。少し落ち着いた色合いのものや、柔らかく淡い色の着物を選ぶと、境内の雰囲気とも馴染みます。

建仁寺の周辺施設も含めての散策目的で訪れる場合は紬の着物もおすすめ。柄の帯を季節に合ったものにする、帯揚げや帯締めを華やかな色にするなどしてみると、季節感や個性を発揮してみてくださいね。

江戸小紋

定番の江戸小紋に、洒落たエッセンスをきかせた、伝統工芸伊勢型写し江戸小紋です。

さらりと肌に馴染み、着心地の良い茶色みの強い紫色。お柄には雪輪が描かれ、その中には青海波や行儀などが込められました。

お手持ちの帯と合わせてコーディネートをお楽しみください。

淡い色合いの小紋

ふんわりと淑やかな彩りの小紋。流行り廃りないデザインでご年齢問わずお召しいただけ、街歩きなどのカジュアルシーンにおすすめの仕上がりです。

スッと袖通しの良いしなやかな丹後ちりめんの地。青の色彩美を浮かべた更紗の花丸文が飛び柄にて描き出され、施された銀彩が見事な艶やかを演出しています。

時代を超えて愛される本場結城紬。ほっこりと柔らかい結城紬特有の風合い。
お色は和やかなムード漂う柳茶色と抹茶色。100山相当の亀甲絣をあしらった縞模様が織りだされております。

年齢を問わない一枚は、お召しいただけばいただくほど味わいが増していきますので、
末長くご愛用いただけます。

まとめ

鎌倉時代に創建された建仁寺は、何度かの焼失や復興を経て、戦後臨済宗建仁寺派の総本山となった寺院です。

幕府の保護を受けたり、一休さんが漢詩を学ぶなど、禅宗だけではなく文化の担い手となった時期もあり歴史を感じられる寺院です。

周辺には有名な神社や京都らしい風情を楽しめる地域や劇場もありますので、ぜひ一度着物で訪れてみてはいかがでしょうか。

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