自身のYouTubeに登場していただいたり、普段から交流のある壱の蔵・弓岡勝美さんとの共著で『自分で結ぶ 結んであげる おとなの半幅帯結び コーディネートブック』を出版されたマドモアゼル・ユリアさん。

2024年6月末の発刊以来、Amazon「着物」カテゴリの1位を取り続けていらっしゃいます。

開いてみると「半幅帯結び」のハウツー本というより、ユリアさんの着こなしに目を奪われるまさに”コーディネートブック”！

どんな思いで本作りに向かわれたか、読者にはどこに着目してもらいたいか、直撃インタビューしてみました。

先生の前作『おとなの半幅帯結び　スタイルブック』が10刷りを数えるロングセラーで、そろそろ続編をという流れのなかで、”帯結び指南”兼”モデル”をさせていただくことになりました。

半幅帯は浴衣に合わせることが多いので、きものを着ない人には身近で、逆にきものを着るようになると遠のく感じがありますが、結び方次第で世界が広がるし、半幅帯の汎用性を、本をつくる過程であらためて実感しました。

――一番好きな結び方は何でしょう?

ユリア　98ページにある「笹結び」と、表紙になっている「半幅銀座結び」は好きですね。

生徒さんに人気があるのは「りぼん返し」で、教えて欲しいとよく言われます。

お教室の納涼会で浴衣を着て屋形船に乗る企画もしたりするんですが、楽しいですよ。

半幅帯の結び方は可愛いだけじゃなくて、タレをつくって帯揚げと帯締めをいれれば、おとな向けにできますので、ぜひトライして欲しいですね。

――「自分で結ぶ」のパートはユリアさんが実際にプロセスもされていて、「結んであげる」はトルソーで展開されていますが、それぞれコーディネートがとても素敵です。

ユリア　コーディネートは弓岡先生がベースを組んでくださって、それを見て、合わせる小物のアイデアが湧いて、私物のバッグや帯留め、かんざしなど、細かく変えています。

普段着ないピンク系やほっこり紬にも袖を通してみたら、ちょっと新鮮でした（笑）。

扉になっている柴崎重一さんの熨斗目に岩井香楠子先生の帯は一番好きなコーディネートです。

――絵羽の浴衣は柳にツバメの模様ですね？

ユリア　クラシックな柄なのにモダンに着られる浴衣にしたいと思って。ツバメ柄だし絵羽模様ですから襦袢をつけて早い時季に着てもよいのではと思います。

もう一方は好きなモチーフの蜘蛛の巣で、濃い地に絞りで白く抜かれた蜘蛛の巣だと強くなりすぎるので、グレー×白で気を張らずに着られるようにしました。

どちらの模様も総絞りではなく余白のある柄のつき方なので、帯で全体の印象を結構変えられるのが楽しいです。クラシックな博多帯はもちろん、バティック柄の帯なんかもモダンに映えるので、幅広く楽しんでいただける浴衣になりました。

協力／家庭画報特選きものSalon編集部　@kimonosalon_kateigaho
撮影／西山 航（世界文化ホールディングス）
文／SOLIS＆Co.