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大柄でバン!とカッコよく 【高身長な私たち@東京エディション虎ノ門】「きものでスイート」vol.7

大柄でバン!とカッコよく 【高身長な私たち@東京エディション虎ノ門】「きものでスイート」vol.7

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高身長ならではの魅力と見せ方のコツ、着る機会を増やす方法とは? 背の高さから着物への挑戦をためらっている方、必見! 初心者さんをふくめた3名の”高身長”着物ラバーにお集まりいただき、”トールサイズ”にまつわる座談会を開催しました。

よみもの

”きものと”お金の座談会@ザ・リッツ・カールトン東京

高身長な着物ファンのみなさまが集って

着物ラバーのみなさまとあれこれお話しする座談会。

今回、東京エディション虎ノ門のスイートルームにお集まりいただいたのは、いわゆる”トールサイズ”と言われる高身長の着物ファン、3名の方。

高身長ならではの着物の着こなしのポイントや、高身長ゆえできる帯の見せ方などうかがってまいります!

まずはお集まりくださった方のプロフィールから。

Tさん
Tさん
Tさん

●Tさん @kimonomiina
身長168.5cm 裄72cm
会社員。京都出身の母の影響で着物歴は子供のころから。育児中は着られなかったが、手が空くようになり復活。

Hさん
Hさん
Hさん

●Hさん @homi_1978
身長170cm 裄72cm
主婦。着物歴5年目。娘の七五三がきっかけで着物の魅力に開眼。

Gさん
Gさん
Gさん

●Gさん @rie68
身長166cm 裄はいまだ不明
自営業。着物歴1ヶ月の初心者(2023年1月取材時)。

Tさん「通年単衣で、好きなものを自由に着る」

きものと編集部(以下、編集)――
本日はお集まりいただきありがとうございます。

まずは本日のお召し物と、背の高さゆえ着付けの際に気をつけていることなど教えていただいてもよろしいでしょうか

小糸染芸さんの小紋を着こなすTさん

●Tさん 身長168.5cm 裄72cm

Tさん――
今日は京都の老舗、小糸染芸さんの小紋です。個性的な柄ゆきで、こういう着物を着ているひとはなかなか見ないかなと。

帯は加納幸さんの緞子地のもの。ぎゅっと詰まって織られているので、光沢がいいんですよ。ただ、私は暑がりなので、これだけ緻密に織られた帯だと真冬にしか締められないんです。でも、やわらかくてすごく締めやすいんですよね。

帯締めは道明さん。なかなかのお値段なので、セールのときを狙って買っています。本当は高いからハマりたくなったんですけど(笑)。

Hさん――
トータルでトロピカル!タヒチって感じがしますね。

Tさん――
そうそう、ボタニカルな感じもあってね。

ボタニカルな感じのコーデ

編集――
半衿もスワロフスキーがついてキラキラしていますね。イヤーカフともあいまって顔周りが華やかです。

Tさん――
半衿は衿秀さんのです。スワロ付きがどうしても欲しくて。ただ毎回、すぐに売り切れちゃうので、見たときに買わないと買えないんですよね。ローズカラーのものです。

ホテルのタワースイートへのお呼ばれなので、ピアスとイヤーカフでキラキラにするのもいいかなと。

東京エディション虎ノ門タワースイート

2023.08.04

インタビュー

灯 高橋完治さん(後編) 「彼らが”和”を想う理由」vol.4-2

編集――
今日の着付けはご自身で?

Tさん――
そうです。

Gさん――
え、すごいですね! こんな風に着られるようになるんですね。

Tさん――
きれいに着られていたらいいですけど、人に見られるのにぐずぐずだったら恥ずかしいな、と思いながら……

Hさん――
きれいです! 着付けのときに工夫していることってあります?

襟がつまらないようにゆったりとさせる

衿元にスワロフスキーがきらり。帯締めは道明

Tさん――

衿が詰まらないようにゆったりとさせることでしょうか。なで肩なのですけれどもボリュームがあるので、ぎゅっと詰めるよりもゆるめに。そして、なるべくスリムにみえるように。帯の位置も下がらないように……と心がけても下がってきてしまうけど。

あとは暑がりなので、冬でも単衣を着ています。今日はとくに帯が緞子なので単衣じゃないと暑すぎて。

編集――
それはいいですね。いまはどこも暖房がついていますしね。

Tさん――
そうなんですよ。

Hさん「小柄にみせるより、より高く!」

編集――
Hさんのお召し物もご紹介いただけますか?

Hさん――
今日は帯がメインです。この帯は、昨年の京都きもの市場さんの催事でおすすめいただいた金華山織。経糸に金と銀を使っていて、そしてすごいのは、織ったあと最後に染めているということ。

Hさんは帯がメインのコーデ

●Hさん 身長170cm 裄72cm

Gさん――
角度によってさまざまな色が表れて本当にきれい……

Hさん――
今回初めて下ろしたんですけど、コーディネートを組むために手持ちの着物すべて出しました。これだけ目立つ帯なので、合う着物がそんなになかったんですよね。なので、無事に締めてこられてよかったです。地味な着物をもってきてみても、帯だけ浮いてしまって。

Tさん――
いろんな色が入っているから、自由自在に結べそう!

Hさん――
派手で悪目立ちするかな、と思っても着てしまうとしっくりくることもありますものね。

小物使いも素敵

編集――
帯締めもぴったりですね。

Hさん――
これは横浜を歩いていたときに入ったアンティークショップで見つけたものなんです。まさかの1,000円くらいで。帯揚げもアンティークだった気がします、一緒に買いました。

編集――
草履のマットなシルバーも全体の雰囲気と合っていて素敵です。

オーダーの草履

Hさん――
これ、京都きもの市場さんでオーダーメイドした草履なんです。色も素材も全部、自分で選びました。鼻緒は西陣織だったと思います。

Tさん――
私も草履はオーダーメイドで作りました。

編集――
すでにお背がおありのみなさまは、草履の高さ、どうされていますか。

Tさん――
なにも気にせず好きなように作っていますね。いま履いているのは7cmあるんですよ(笑)。私のほうがHさんGさんより身長低いけれど、着物姿で立つと、私のほうが高いくらいじゃないかしら。

7cmの高さのある草履

こちらはTさんのお足元

Tさん――
背が高くても気にしないでハイヒール履くのと同じね、高いのを履いたほうがかっこうがつくというか。昔は「背がお高いので低くしましょうか」ってよく聞かれていたけど。

Hさん――
最近はそんなことないですよね。
私も身長170cmですけど、足が痛くなっちゃうから薄い草履は履けないんです。やはり厚みがあるほうがクッション性があって疲れないですから。

Hさん「着物を格好よく見せる額縁が、私」

着物歴史も4年目になった

Hさん――
着物歴も4年目になり、いま、毎回違うコーディネートにしようと挑戦しているんです。そうすると、好きな作家さんのものが増えていくんですよ。

大久保玄才さんとか……最近は花井幸子さん、斉藤三才さんのものに寄っていっています。我ながら似合うのでつい手が出てしまうんです。

編集――
花井さんは柄もモダンな感じですよね。

Hさん――
そうです、普通の柄じゃないところがいいんです。帯ですと、菱屋善兵衛さんのアールヌーヴォーとか好きですね。

Tさん――
いいですよね! お値段的になかなか買えませんけれど(笑)。

編集――
Hさんが気をつけている着こなしのポイントなどありますか。

帯は幅だしをしてお太鼓に。

幽玄に浮き沈みする金華山織の袋帯

Hさん――
帯ですと、けっこう幅出しをしてお太鼓をしています。そのほうバランスがいい。

Tさん――
細く結ぶのはもったいないものね。

Hさん――
帯を2つに折って色柄が変わるものもあるじゃないですか。私は5cm以上幅出しするので、それだとたまに中途半端なところに柄がでてしまったりするんです。それもあって、六通柄の帯を選ぶことが多いかもしれない。

あとは、立ち姿が美しく見えるように、草履も高くして丈を少し長めにとっています。Tさんと同じように衿も抜いて。寝かせて裄がでるようにして、お太鼓も大きくしていますね。

編集――
お太鼓を大きくできるのは、身長があってこそのことですよね。

Hさん――
そうなんです! 可愛いよりもカッコイイよりにしていますね。
個性的な柄の着物が好きなのも、自分に身長があるってわかっているから。せっかく面積あるんだし、一般的な着物よりも柄が目立ったほうがいい、と。

実感として、小さい柄ゆきのものは似合わなくて、ハッキリしたインパクトのある柄や色使いのほうが着こなせちゃうというのもあります。

大柄を格好よく

Tさん――
そうそうそう! わかる。小さい柄ってダメなのよね。振袖からしてそうだった、黒地に大柄がバンバンバン!って入った、いまでも見ないようなものでした。

Hさん――
私も黒地でした(笑)。黒地に大きな牡丹の振袖。

Gさん――
私は濃い紫でしたね!

Tさん・Hさん――
似合いそう!

Tさん――
小柄な方はけっこう小さい柄のものをお持ちなんですよね。夫の母が小柄な方で、いただいた着物はやはり小柄のものが多いんです。それはそれでまた良さがあるんだけれど、私たちは大きめのほうがね。

大柄を愉しむ

Hさん――
小さい柄は、私たちじゃなくても似合う方がたくさんいらっしゃるから。
なので、私たちはみなさんが手を出さないものに思わず手がでてしまう……昔ながらの着物の柄よりも、「自分が着物の額縁になる」ような、身長を活かせる着物が好きです。

なにより着物は洋服と違って、自分とまったく同じ服に出会わないじゃないですか。絶対にかぶらないのが、本当におもしろいですよね。

Tさん――
そう、帯締めの色ひとつで、印象変わってしまいますしね。

Gさん「買えば着るかな?と、1ヵ月で10着購入!」

編集――
Gさんは、Hさんに誘われて着付けの教室へ通うことになったとうかがいました。

Hさん――
一緒に通おうよって。すぐに人を巻き込みたくなるんです(笑)。

着物初心者のGさん

●Gさん 身長166cm 裄はいまだ不明

Gさん――
着物にはずっと興味があったので、有り難かったです。まだ「訪問着」や「小紋」っていうのも何かわからないくらいの初心者です。

そもそも着物を着るという機会は普段なくて、ひょんなところから「お着物を安く買えるよ」って情報をいただいて、これはチャンスだ!と。買えば着るかなと思って一気に10着買ったんです。おまけで帯も3本つけてくれました。

Tさん――
ええーすごい! 着物を大人買い! 何を買われたんですか。

Gさん――
なんだろう……そこもまだよくわかっていないんですが(笑)、訪問着が多いのかなと思っています。値段の相場がわからないのですが、たぶん安かったんです。

次回予告:着物初心者が大人買いした着物の総額は?

次回予告:着物初心者が大人買いした着物の総額は?

次回は、Gさんが購入した着物の気になる総額から。

またどうして着物を着ようと思ったのか、そしてトールサイズに合う髪型などお話しいただきます。

構成・文/渋谷チカ
撮影/五十川満

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