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西内まりやさん INTERVIEW 

西内まりやさん INTERVIEW ”何か”でなくてもいい。「千紫万紅」vol.2

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いま「私」に「きもの」が加わって。自分のためだけじゃなく、そこに一緒にいる人への思いやりが、きものにある。ファッションと日本文化、そして自分らしさと自分を愛することを伝えていきたい。

中村壱太郎さんに弟子入り。いま日本舞踊に夢中

西内まりやさん_踊り

――記念すべき第一回のゲストにご登場いただき、ありがとうございます。じつは企画段階から西内まりやさんをイメージしてたので、念願が叶いました。

こちらこそ、30歳になってはじめてのお仕事で(撮影は昨年12月27日)、一年のしめくくりにこんな素敵なきものを着させていただいて、とてもうれしいです。

――とても着慣れていらっしゃるようにお見受けしました。

じつは少し前から日本舞踊を習っていまして、週に1~2回のペースでお稽古しています。

昨日もお稽古に行ってきたんですよ。祖母も踊りをやっていたのでその影響でいつかは習いたいと思っていたことと、舞台で李香蘭役をさせていただいたときに(2023年1月)扇子がうまく使いこなせなかったこともあり、中村壱太郎さんにご紹介いただいて吾妻流を習い始めました。

西内まりやさん06

――なんと、素晴らしい! 壱太郎さんは吾妻流の7代目家元でいらっしゃいますものね。歌舞伎の観劇にもよく行かれるのですか?

はい、中村隼人さんと同級生ということもあって歌舞伎はよく観ていますね。次のお正月公演にはきものを着て行こうと思っています。祖母から譲り受けたきものがたくさんあって、祖母は身長も168cmあったのでだいたい着られるものばかりで!

※ご自身で着付けて歌舞伎座観劇された時のようすが西内まりやさんのInstagramに掲載されています。

――今日着ていただいたきものは西内さんをイメージしてコーディネートしてみたのですが、いかがでしたか?

もう、すっごい、好きです!

大人っぽいのに落ち着きすぎてなくて、よく見るとクレオパトラ?がいて、遊び心も異国情緒もあるし、まさにこのタイミングに着るきものって感じがします。普段モノトーンが多い私の好みを考えてくださったのだなと。

西内まりやさん10

着物:汕頭刺繍 友禅訪問着「装飾壁画紋」

西内まりやさん05

帯:本金箔 正絹袋帯「幻想唐草文」

――西内さんがまとう《春》をイメージしたときに、「(梅や桜のような)モチーフものではない表現で」と相談していました。モノトーンのなかにほんのりピンクを挿して、帯も黒の引き箔でモードな雰囲気に。

打ち合わせでヘアメイクのイメージを伺ったときから撮影が楽しみでした。ちょっと攻めていて(笑)。

西内まりやさん

――西内さんならではの”目ヂカラ”をポイントにしたくて、このヘアスタイルにしてもらいました。メイクは色味で邪魔せずリップだけ、帯揚げの色の延長からネイルも青系で、少しだけクレオパトラを意識しています。

すごくうれしいです。いま、ファッションと日本文化の融合がやりたくて。海外に仕事に行くと、日本文化の素晴らしさに気づかされます。

LAに住んでいるローラちゃんと仲良しなんですが、彼女もLAで茶道を習っています。私もいつか茶道を習いたい。ふたりでいつも「海外と日本のよさを融合させる何かができたらいいね」と話しています。

西内まりやさん03

――それできものにも目覚めて?

日本人としての所作を身に付けたいなと思ったときに、きものの芸術的な美しさ、そしてきものを着たときの仕草に惹かれました。どうしてきものがこういう形になったか、伝統的な模様の意味とか、見たり聞いたりするたびに、きものには日本人ならではの感性がいっぱい詰まっているなと思います。

そんな日本の文化を海外の映画やドラマの世界にも広げたいし、きものの楽しみ方ももっと身近になったらいいなと思ってます。

自分らしくあることが、いちばん大事

西内まりやさん04

――西内さんのきもの姿を見て、着てみたいと思う人も増えるかもしれません。

”きもの好き=いつもきものを着ている人”のように思われがちですが、いつも着ていなくてもよくて、普段ファッションを楽しむのと同じように、自分がいま着たいもの、自分らしい装いの中にきものがあればいいのではと。

――本当にそう思います! これからはどんな活動を考えていらっしゃるのですか?

よく「肩書きは何ですか?」って聞かれるのですけど、中学生からモデルとしてやってきて、歌やお芝居や、音楽もドラムやギターも弾いて、そんななかで何を選ぶとかではなく、"何か"でなくてもいいんじゃないか、と一度肩書きをなくしてみたんです。

いろんなことはすべて繋がっていて、自分らしくあって、自分がやりたいと思うことをやればいい。そこには多くの難題があるかもしれないし、自分でも未知ですけれど、自分がワクワクすることをやっていたいと思うようになりました。

西内まりやさん05

――きものも日本舞踊もそのひとつですね?

そうなんです、いま「私」に「きもの」が加わって。

自分のためだけじゃなく、そこに一緒にいる人への思いやりが、きものにあるということが、最近の大きな気づきです。ファッションと日本文化、そして自分らしさと自分を愛することを伝えていきたいなと、いまそう思っています。

――素敵なひとときを、ありがとうございました!

撮影/笹口悦民
スタイリング・着付け/大竹恵理子
ヘアメイク/白石理恵
取材・文/古谷尚子

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