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令和の今!着物を着るべき4つの理由 ~調和と多様性、個性と発信~

令和の今!着物を着るべき4つの理由 ~調和と多様性、個性と発信~

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「Beautiful Harmony(美しい調和)」と説明される新元号「令和」。実は今、着物が再注目され人気を博しています。なぜ今の時代に着物なのか、着物を着ることで見えてくる美しい調和とは?新時代を読み解く4つのキーワード「調和」「多様性」「個性」「発信」をもとに、令和の今だからこそ着物を着るべき理由をお伝えします。

令和は着物新時代

2019年5月1日に新元号「令和」が発表されました。
典拠となった万葉集は、7世後半~8世紀後半頃にかけて編纂された日本最古の歌集。
皇族や貴族のみならず、防人や農民といった幅広い階層の人々の詠んだ歌が収められていることで知られています。
日々移り変わる自然や人の心のありようを慈しむ心は、時代や立ち位置に左右されない普遍的なものだったのでしょう。
収められた数々の和歌からは、美しい日本の四季とともにあった心象と文化を後世に残そうとする先人たちの思いが感じられます。

そうして脈々と受け継がれてきた歴史や文化に根差しつつも、人々が心を寄せ合い、自己実現に邁進するなかで新しい文化が発展していくことを願い、名付けられた時代。
「令和」を担う私たちに求められているのは、過去と現代を調和させ、未来を作り上げていくことなのかもしれません。

「令和」に込められた願いに沿うかのように、近年では日本ならではの伝統文化に再びスポットをあてようとする動きが盛んになってきました。
着物への関心も年々高まっており、最近では浅草や清水寺などの観光地で鮮やかな着物や浴衣を身にまとった人々の姿をよく目にします。
テレビのバラエティ番組では譲り受けた着物の活用術に関する特集が組まれ、SNSでは思い思いのコーディネートが連日披露されるなど、若い世代の間でも着物への注目が集まっています。
平成の終わりから静かに広がる着物新時代は、令和とともに幕を開けたと言っても過言ではないのです。

令和の今だからこそ着物を着るべき理由を、時代のキーワードとともにまとめてみました。

「調和」を体現する着物文化

令和時代のキーワード、一つ目は「調和」です。

着物の文化は日本の豊かな四季の中で育まれてきたもの。
そこには必然的に自然との調和が息づいています。例えば、四季の植物や自然の風景を文様にあしらい、暦に合った柄を身にまとう慣習からは、季節の移ろいに合わせて文化的な生活を楽しもうとする心が感じられます。
また、年々変化する日本の気候や女性の社会進出といった時代の変化に合わせて、さまざまな生地や着方が発展していくなど、人々の生活に合わせて変遷していった面もあります。
こうした調和の精神が根底にある着物文化は、時代との変化に大変寛大です。
着物にはさまざまな決まりごとがあり、敷居の高いイメージを持たれるかもしれません。
しかし、それらは全て慣習であり、絶対的なルールではありません。
形式に捉われすぎず、着物を着ることで得られる精神的な豊かさを体験してもらえたらと思います。

着物を着ることは「調和」を考えることでもあります。
周囲・自分・環境など、様々な調和がありますが、周囲や環境を重んじるがあまり、洋装がメジャーな現代において着物に手を出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
ですが、「調和」とは決して周りと同じ色に染まることではありません。
着物と帯、帯締め、帯揚げがそれぞれ異なる色の組み合わせで互いに良さを高め合っているように、その人の立場や着用する場面、同伴するパートナーとの調和を意識した着こなしができればよいのです。
マクロな視点で見れば、世界の中での日本という国だからこそ出せる色とも言えましょう。
自分以外の他者や社会、ひいては世界との関係性における自分の立ち位置を意識し、振る舞う意識こそが、着物文化が大切にしてきた「調和」の精神なのではないかと思います。
多様性の時代と言われながらも、個々人の生活レベルにおいては、なんとなく周りに合わせたファッションや言動に終始しがちな現代。
ありたい自分で時代と調和していくために、着物を着ることを通して、自分の「色」をもう一度考えてみませんか。

「多様性」を楽しむ着物スタイル

令和時代のキーワード、二つ目は「多様性」です。
着物の文化は時代や環境に合わせて変化してきたことをお伝えしましたが、現代の着物はどのように進化しているのでしょう。
具体的にご紹介していきたいと思います。

例えば、近年大きく変化した点の一つは生地の多様性です。
これまで主流だった絹や麻、木綿、ウールといった素材に加え、近年ではポリエステルや機能性素材による着物も増えてきています。
これらの生地はお手入れがしやすく、着物が敬遠されがちなメンテナンスの難しさを補った素材であると言えます。
特にポリエステルは水周りを気にすることがないため、お茶のお稽古に利用する女性が増えているそう。
比較的安価で、手に入りやすいという利点もあります。
最近では不要になったジャケットやスカートから着物を仕立てるケースも増えており、DIYやリサイクルが関心を集める時代の潮流を感じます。

また、気軽に通える着付け教室や着物で集うイベント、コミュニティなど、着物を楽しめる場も増えてきました。
こうした流れの背景には、さまざまな世代の、さまざまな価値観を持った人々に対して門戸を広く開け、文化を継承していこうとする思いと、多様性への寛大さが感じられます。

多様な選択肢にあふれた今の時代、あなたに合った着物の楽しみ方もきっと見つかるはず。
とはいえ、「着物をもっと生活に取り入れたいけど、実際何から始めればいいかわからない…」という方も多いのではないでしょうか。
まずは、どのような場面で着物を着用したいのかを具体的にイメージすることをおすすめします。
友人の結婚式、久しぶりの同窓会、美術館へのお出かけ、日本文化の残る観光地への旅行、あるいは海外旅行など、着物がなじむ機会は案外多いものです。
着用したい場面(ゴール)が決まれば、それに合わせて小物を見立てたり、着付け教室に通ったりと、自然に着物に触れる機会が増えていくはずです。

「個性」を演出する着物コーディネート

令和時代のキーワード、3つ目は「個性」です。

着物には、多様性を受け入れる懐の広さがあることをお伝えしてきました。
若者の間で着物が最注目されているのも、若い感性を受け入れ、個性として昇華する圧倒的な美が備わっているためではないでしょうか
少々の遊びなら包み込んでしまう着物の様式美は、実はファッションに自由をもたらしてくれるものなのです。

また、最近では、小物で個性を演出する着物の楽しみ方も提唱され始めています。
例えば、白が主流だったつけ襟や足袋に色柄を取り入れるコーディネートが人気を博し、大人の遊び心をくすぐる「帯留め」はメディアにもよく登場するようになりました。
着物は基本の型が決まっているがゆえに、安心して「自分らしさ」を楽しめるもの。
ぜひ、常識に縛られず着物と個性のマッチングを楽しんでみてください。

「発信」を満喫できる写真映え

令和時代のキーワード4つめは、「発信」です。

言わずもがな、令和は発信の時代。
ブログやSNS、動画投稿サイトでは日夜新しい情報や人々の日常が発信されています。
「日々の暮らしで自分が感じたことを誰かと共有したい」と願う気持ちは、万葉集の時代から続く、日本人の普遍的な欲求なのかもしれません。
IT化が進み、人とのかかわりが希薄になったと言われる現代ですが、「発信」という行為には他者との関わりを希求する素朴な願望が見え隠れいたします。

そうした発信の時代において、着物はまたとないアイテムです。
情報があふれる現代の発信において大切なのは、日常の中にある、非日常でありながらも多数の人に親しまれ愛されるもの。
着物はそれらの条件にぴったりです。
何より、見た目に美しいその姿は写真映えし、キャッチ―な映像として印象に残ります。

発信を楽しむにあたり、着物に合う風景やお店を探すのも一興です。
住み慣れた町も、普段とは違う視点で見れば新たな発見があるかもしれません。

まとめ

近年、東京オリンピックの開催決定や訪日外国人の増加といった背景もあり、自国民としてのアイデンティティを意識する機会が増えたように思います。
着付けや茶道を習う人は年々増加しており、日本画や伝統工芸品の展覧会も連日盛況です。

古くから、日本の人々の暮らしに美しく調和し、進化し続けてきた着物文化。
着る人だけでなく見る人をも楽しませ、豊かにする着物の価値は、今後ますます高まっていくことでしょう。
令和の日本を生きる一人として、時代に即した着物文化にぜひ一歩足を踏み出してみてください。

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