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着物の鳥柄(千鳥・孔雀など)の種類とそれぞれの意味とは?季節や着用シーンも紹介!

着物の柄の意味と種類・季節をまなぶ Vol.3 鳥をモチーフにした文様

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普段何気なく目にする、着物や帯の柄・文様…そこには様々な意味や歴史が込められています。今回は動物、とりわけ日常になじみ深い鳥や縁起の良い鳥にまつわる文様から千鳥・孔雀などの柄をピックアップして紐解いていきます。

着物や帯にはおめでたい柄や日本伝統の模様、季節を顕す植物や生き物の模様が描かれています。
これらの柄にはそれぞれに意味があり、使われるシーンが限定されてくるものがあれば、逆に季節や時期を問わずいつでもOKな柄などさまざまにあります。
そこには、いにしえから季節を大切に愛でる日本人の感性が作り、育て上げてきた伝統がこめられています。
そこで、着物や帯の柄が語る内包された意味や起源とともに、その柄が着用できる季節やシーンなどをご紹介します。
なかでも今回は、着物に描かれることが多い”鳥”をモチーフにした柄に焦点をあてました。

「鴛鴦(おしどり)」は仲睦まじい夫婦を象徴した柄

現在でも「おしどり夫婦」という言葉が使われるほど有名な鳥です。
その言葉どおりオスとメスが仲良く寄り添う姿から、夫婦円満の意味がふくまれています。
桃山時代から着物や帯の柄に盛んに使用され、現代でもなじみのある柄のひとつです。
鴛鴦の柄の種類は2羽にこだわらず1羽からグループで描かれていますが、祝儀に欠かせない柄として振袖や留袖にも使われます。
季節にもこだわらない柄なため、鳥をモチーフにしたものの中でも、一年中着用できる柄です。

風情豊かな「鷺(さぎ)」の柄の意味と季節

水鳥である鷺は、水や雪とセットに描かれているので、着物の柄として選ぶ場合、多少なりとも季節性が問われます。
着物に用いられている生地にもよりますが、夏生地に描いて清涼感を出したり、単衣仕立てにして初夏の時期にぴったりとなる着物が多いようです。
鷺そのものというよりは、生地やその周りの柄の雰囲気から決めると良いでしょう。
また鷺は中国の路と同じ音をもった字です。試験合格の意味がふくまれた「一路連科」を連想させるため、縁起の良い柄とされています。

親しみやすい「雀」は繁栄や豊作の吉祥柄

雀は鳥の中でも群れをつくり行動することから豊作や繁栄の意味がこめられています。
一年中着用できますが、季節にあわせるとさらに楽しい柄です。
柄の種類は、雀単体よりも稲穂や竹などを組みあわせたものが多くあります。
収穫シーズンが秋の稲穂と描かれた着物や帯を秋に着用すれば、豊作の意味合いが強まるでしょう。
竹と描かれた着物や帯は一年中着用できますが、冬の寒さを耐えるイメージがあるので、盛夏は避けるのが粋です。

かわいらしい「千鳥」は勝運祈願と家内安全の縁起柄

千鳥が波をとぶ姿に「荒波と一緒に乗り越える」という意味がふくまれることから、勝負祈願や家内安全に良いとされています。
万葉の時代から親しまれてきた縁起柄です。
水辺に生息する鳥として波とともに着物に描かれる千鳥は、柄の種類によって着用可能な季節が異なります。
基本的に夏にピッタリの柄ですが、江戸時代からのイメージで作られたデフォルメ調や千鳥格子なら通年いつでも着られます。

美しい羽をもつ「孔雀」は災厄や子孫繁栄を象徴する柄

孔雀は毒蛇や害虫を食べるほど生命力が高いので、邪気を払うと信仰されてきた鳥です。
また繁殖力も強いため子孫繁栄の意味を持つ鳥でもあります。
そのため結婚式用の着物にもよく使われる柄の一つです。
孔雀柄は孔雀単体と羽のみの2種類の柄があり、どちらも一年中着用することが可能です。
孔雀柄と同様に映える柄なため、牡丹と組み合わせられることがよくあります。
牡丹とセットで描かれる場合は、春に着ると華やかさが増すでしょう。

長寿の象徴である「鶴」は祝儀に使われるおめでたい柄

「鶴は千年も生きる鳥」と言われ、現代の日本でも長寿の象徴として描かれている柄です。
一回結ばれると夫婦として一生を添い遂げるという鳥でもあるため、結婚式用の着物として
もふさわしい柄です。
季節が限られないので通年で着用できます。
鶴は組みあわされる柄の種類が多いため、組み合わされた柄にあわせて着用すると季節感を演出できます。

有職文様の「鸚鵡(オウム)」は家庭円満の縁起柄

元々外来種である鸚鵡(オウム)は海外との交易がきっかけで使われるようになりました。
奈良時代から使われる柄ですが、現在でも有職文様の一種として描かれています。
「向い鸚鵡」の文様は皇后の十二単にも使われており、格のある文様です。
鸚鵡が夫婦とともに子育てする姿から家庭円満の意味合いが込められています。
季節性が問われない柄なので、どの季節にも着用が可能です。

まとめ

柄ごとに、ふくまれる意味やふさわしい季節を紹介しましたが、植物や模様の組みあわせ次第で着物自体の着用機会が増えることもあります。
たとえ季節が限定される柄でも個人によっては見方も異なりますので、ご紹介した例に限られません。
春夏秋冬を楽しむ日本人ならではの感性や季節感などによっても着物や帯の柄の組み合わせが変わります。
自分だけの感性や考え方で文様や柄の組みあわせを楽しめるのも着物の良さといえるでしょう

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