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この時期に着たくなる夏紬 「今井茜、季節の着物コーディネート」vol.4

この時期に着たくなる夏紬 「今井茜、季節の着物コーディネート」vol.4

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京都祇園、ニューヨーク、東京と、3都市の着物スタイルを知る今井茜さん。「女性らしさ」や「上品さ」をキーワードとして、装う方の魅力を引き出すコーディネートをご提案します。本格的な夏へと向かうこの季節、茜さんがセレクトする夏紬とは?

2023.05.13

まなぶ

凛と美しい、のつくりかた 「今井茜、季節の着物コーディネート」vol.3

夏の訪れ、自分だけのひととき

今井茜さん

沖縄でのお仕事の後、現地にて早めのバケーションをとりました。

ちょうど梅雨入りの時期と重なったことで、南国の雨模様のなか思いのほかゆっくりと過ごす時間となり、美しい海と緑豊かな自然に囲まれて心身ともにリフレッシュいたしました。

旅のお供は、西川明彦著『正倉院のしごと』。

バケーション

1300年以上にわたって宝物を守り伝える重要な存在である正倉院、そこで行われているお仕事について詳しく解説されています。

宝物の保管や修復・展示などその裏側には多くの方々の努力と専門知識が詰まっていて、読みながら、私が制作している着物の未来についても考えさせられました。

春から夏にかけては花柳界の踊りの会が目白押し。恒例の、東京『神楽坂をどり』や新橋の『東をどり』にも足を運びました。

華やかな舞台は日本の伝統文化に触れる貴重な機会で、毎年、心に残る思い出となっています。

気になる「織りのきもの」

この時期に着たくなるのが、夏結城。

私は一年を通して染めものを着ることが多いのですが、本格的な夏へと向かうこの頃は特別、紬が魅力的に感じるのです。

奥順さんの夏結城着尺には真綿糸が織り込まれており、シャリっとしているのに、どこかふんわりとしたあたたかみも感じられて。

コーディネートでは、その魅力を最大限に生かしながら、粋になりすぎず、かわいらしさや女性らしさも残すことを心がけました。

帯には、盛夏と単衣の両シーズンに着用できる「七野上布」を合わせて。

夏のはじめには蝶の柄、終わりには芒(ススキ)の柄があり、濃淡グレーの絣模様の入った夏結城との相性も抜群です。

小物次第で、年齢問わずなコーデに

紬は着こなし巧者の方や通の方に人気がある印象ですが、こちらのとりあわせは、はじめて着物を着る方にもおすすめ。着物の柄行きにもどこか楽し気なリズムがあります。

夏素材のパナマ草履を足元に合わせれば、さらに初夏に向けての夏らしさが際立ちますね。

さらに、帯締めや帯揚げのお色目を変えれば、また違った印象に。小物次第でエイジレスに活躍するコーディネートとも言えます。

ご自身の個性や好みに合わせてアレンジしながら、オリジナルのスタイルを楽しんで下さいね。

夏本番!をぜひ着物で

6月のコーディネート

夏結城に身を包み、涼やかな風に吹かれる和姿を想像をするだけで、心が躍ります。

季節の訪れを心地よく感じながら、上品で魅力的な着こなしを楽しんでくださいね。

静物撮影/スタジオヒサフジ
着姿撮影/TADEAI 久野藍

ITEM

記事に登場するアイテム

【奥順】夏結城紬着尺「鋸歯文」

【七野・宮岸織物】西陣織本袋帯 「蝶に芒」

【和小物さくら】絽 縫い取り銀霞帯揚げ 白

【伊賀糸伍工房】 大和組銀耳くびれ帯締め 墨色

【和小物さくら】2色段ぼかし帯揚げ 段唐草 フレンチグレイ&ブラウン

【道明】帯締め 冠組 無地 古浅葱

よみもの

「今井茜 着ものがたり ―京都・ニューヨーク・東京」

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